メール配信システムとはどんな仕組み?導入メリットや注意点、選び方を解説
本稿をお読みいただいている方のうち、ほとんどの方が1度は企業や店舗からの「プロモーションメール」の類を受け取ったことがあるのではないでしょうか。1人につき1つ、またはそれ以上の電子メールアドレスを持っている現代において、メールを通じた企業と顧客とのコミュニケーションは重要視されています。
加えてコロナ禍の影響が大きい現在、直接的な対面を伴わないメールプロモーションはどんな企業にとっても無視できるものではありません。
本稿ではこのプロモーションメール、そしてそれを配信するPCシステムである「メール配信システム」に着目し、その基礎知識や利用価値、システム選びのコツなどを分かりやすくお伝えしていきます。
企業の営業部門やプロモーション活動に関係される方はもちろん、そうでない方にも知って得する情報が満載ですので、ぜひ最後までお付き合いください。
メール配信システムとは?
企業や店舗から送られてくる「プロモーションメール」を受け取ったことのある方は多いかと思われますが、このようなメールがどんな仕組みで送られてくるかをご存じでしょうか? ほとんどの場合、メール配信システムを使用して送られています。
メール配信システムとは、PCを介して機能するソフトウェアやオンラインサービスの一種で、人に代わってプロモーションメールを自動的に、大量に送信してくれるものです。ただ送信するだけにとどまらず、メールを使ったプロモーション全般をサポートする機能を搭載するものも多くあります。
「自動的に・大量に送信」と聞くと、どうしてもスパムメール…いわゆる迷惑メールやメール詐欺を連想し、「それってもしかして怪しいシステム…?」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。メール配信システムは今や企業にとって必須ともいえるプロモーションツールなのです。実際に多くの企業が導入して高い効果を上げており、高性能で種類も豊富な、そして当然ながら安全・安心なシステムです。政府や自治体、教育機関などでもメール配信システムを積極的に活用していることからも、その利用価値の高さはご想像いただけるのではないでしょうか。
特に近年、ビジネス用PCアプリケーションの世界では「MAツール」と呼ばれるジャンルのツールが盛況です。これをお読みの貴方も聞いたことがある言葉かもしれません。「MA」はMarketing Automation(マーケティング・オートメーション)の略で、その名の通り企業の様々なマーケティング活動をITの力で自動化し、サポートするアプリケーションです。この「MA」に含まれる主要な機能の1つとしても「メール配信システム」は知られており、そのブームに乗って急激に利用企業を増やしています。
そして、2020年春に世界を襲った新型コロナウィルス感染症の感染拡大は、社会のあり方を大きく変えました。直接的な対面営業が自粛ムードとなり、売上を下げてしまったという企業も多いのではないでしょうか。そうした状況の中、注目されているのがWebを使った商談や、メールによるプロモーションです。送り手側も受け取る側もPCの前にいながら完結するこれらのプロモーション方法が、今後のビジネスシーンにおいてスタンダードになるかもしれません。
こうした時代の潮流を鑑みても、メールプロモーションとメール配信システムはどの企業にとっても「知らない」では済まされません。本稿をお読みになったうえで、貴社でもどのように関わり、利用していくかを一考しておいて損はないでしょう。
メール配信システムの仕組み
ここで、実際にメール配信システムを使用する際にはどのような手順を踏むのか、またメール配信システムを使ったメールプロモーションとはどのような性質のものなのかを見ていきましょう。
最初は当然ながらメールの作成が必要です。メール配信システムの中には、メールの作成から手伝ってくれるものもあります。最初からシステムの中に組み込まれた、プロモーションメールのいくつかの定型文をアレンジすればすぐにできてしまうようなものです。
ただし、プロモーションメールの文面は非常にデリケートなものです。件名の書き方や本文の書き出し、そして全体の分量などによって読まれる確率や成約につながる確率が大きく変わってきます。そして正しい文面とは、取り扱う商材の性質やターゲットとなる人物像などによっても異なります。何度も配信を重ねることで改善して少しずつ最適解に近づけていくものですので、なるべくオリジナルの文面を作成することをおすすめします。
ちなみに近年はHTMLというプログラム言語を使って、絵や図で飾り付けた華やかなメールも多く見られます。メール配信システムの中にはそうしたグラフィカルなメールのデザインテンプレートを搭載しているものもあるので、見た目にこだわりたい場合は利用してみるのもいいかもしれません。
メールの内容が固まったら、つづいて配信準備です。メール配信システムを使った配信では、宛先となるメールアドレスを複数件登録してやる必要があります。サービスによっても異なりますが、通常、何千件、何万件といった大量のアドレスが登録できます。
また、配信を開始する日・時刻の設定も可能です。送信タイミングもまた、読まれる確率や成約確度に影響する重要な要素です。例えばビジネスマン向けの情報を平日の昼間、忙しく働いている時間帯に送信しても誰も読んでくれないでしょう。ましてや深夜などに送ってしまったら、安眠妨害でクレームが殺到する可能性もあります。商品とターゲットを考慮し、最適な送信タイミングを考えてみましょう。
送信が完了したらそれで終わりではありません。むしろプロモーションメールはここからが本番です。多くのメール配信システムには、配信したメールを何人の人が開封したか、またメールの文中に記載されたURLを何人がクリックしたか…といったデータを収集する機能が搭載されています。それらを精査したうえで、このメールは効果が高かったのか低かったのか、低かったとすれば何が原因だったのかを検討してみましょう。ここまで述べたようにプロモーションメールの効果は様々な要因に影響されますから、決して最初の1回でいきなり成功するものではありません。回数を重ねる中で立体的な視野に基づき検証、改善を繰り返しながら最良のメールプロモーションに近づく努力が必要です。
メール配信システムの必要性と解決できる問題
ここまででプロモーションメールとメール配信システムの基礎的な部分はご理解いただけたのではないでしょうか。では、こうしたメール配信システムは何のために使われ、どのようなメリットがあるものなのかについても述べておきましょう。
メール配信システムを利用するメリットは、何といってもやはり効率化です。
仮に人間の手で数万件におよぶプロモーションメールを送信するとしましょう。いったい何人の手で、何時間かかるのか想像もできません。100%反応があると限らない…むしろ無反応であるケースがほとんどのメールプロモーションにおいて、このような所にマンパワーを消費することは企業にとってあまりにも非効率的です。これをメール配信システムに任せてしまえば、人はメールの作成と配信登録だけを済ませ、あとは別の業務にとりくんだり、退社してもまったく問題はありません。この効率の差はあまりに歴然でしょう。
また、ミスの防止もメール配信システムを使う大きなメリットの1つです。人間が行なう仕事には必ずミスが発生しますが、メール配信システムを使えばミスは極めて少なくなるでしょう。
メール配信関連のミスは大きな問題にもつながりかねません。例えば送るべきでない人に送ってしまった…、秘匿すべき個人のメールアドレスが誰にでも見える状態になっていた…、添付ファイルを誤って受信者に迷惑をかけたり、機密情報が漏洩してしまった…などなど、想像するだけでもゾッとしてしまうようなウッカリミスが起こりかねないのがメール配信です。リスクヘッジの意味で、メール配信システムの使用は高度情報化社会の現代においてはもはや義務とも言えるのではないでしょうか。
さて、こうしたメール配信システムの活用は特にどんな業務で有用といえるのでしょう。よく見られる利用ケースは、「メールマガジン」「展示会・セミナー開催のお知らせ」「新商品・新サービス情報」といったところです。いずれも本稿をお読みの貴方も、何度か受け取ったことがあるのではないでしょうか。
メールマガジンは自社サービスの過去の利用者や登録会員等に向けて、定期的に自社や商材の情報を伝えるものです。定期的に送られるというところがポイントで、昔の商人の言葉で言えば「御用聞き」のような形で常に自社を忘れずにいてもらったり、少しでも顧客とのタッチポイントを増やすという狙いがあります。決まった日時に自動的に送信してくれるメール配信システムの利用価値が高いケースです。
一方で「展示会・セミナー開催のお知らせ」「新商品・新サービス情報」といったメールは定期的に送るものではなく、何かのコトが起こった時、起ころうとしている時にのみ送るものです。このようなメールは、受信者を選別する必要も出てくるでしょう。例えばセミナー開催のお知らせは過去に自社と関わった人全員に送ってもかまわないかもしれませんが、あるサービスについて新しいオプションサービスを始める…といった場合は、元になるサービスに加入している人にのみお知らせする必要があります。メール配信システムでは送信メールアドレスを属性ごとに選別して設定することができますので、上記のように特定の条件で絞り込んで送信することも得意ワザの1つです。
メール配信システムの選び方
前述のように、すでに市場にはたくさんのメール配信システムがリリースされています。それぞれに搭載機能が異なり、できること・できないことが様々です。これからメール配信システムの導入をお考えの方は、「いったいどんなシステムを選べばいいの?」と悩んでしまうかもしれません。もちろん、業務内容や送信規模によって最適なシステムは変わってくるものですが、ここでごく基本的な選別の際の注意点を3ポイントに絞ってお知らせします。システム選びの指針としてみてはいかがでしょうか。
●本当に自社に必要なシステムかどうかを見極める
市場には、本当に多種多様なメール配信システムがあります。一概に言えることではありませんが、傾向としてはやはり高機能で自由度が高いものは高コスト、手軽・シンプルなものは低コストであると言えます。
ここで忘れてはならないのは、「あくまで自社の業務に適したものを選ぶ」ということです。いざ導入となった時に、「高機能でいろいろできた方が長く使えるのではないか」と考える方も多いようです。しかし高機能・いろいろできるということは、それだけ設定項目も多く、手順が多かったり操作が煩雑になる場合もあります。
理解しなければならない膨大な項目を前に「あれ、ウチの会社、本当にこのシステム必要だっけ…?」と立ち止まった時にはすでに遅し。高機能に伴う「高額な利用料」は待ってはくれません。
まずは使いこなすことが第一です。もちろん、細かい設定項目を必要とする企業・業務もあることでしょう。その場合は迷わず高機能なシステムを選ぶべきですが、一方で「シンプルなものではいけないのか?」という問いも常に頭に置いておきましょう。
●無料サービスもあるが選択は慎重に
今や無料で使えるメール配信サービスというものもあります。ネットで検索してみれば、いくつかの無料サービスを見つけることができるでしょう。
これらの無料サービスは、確かにコストがかからない点で大きなメリットがあります。特に「メール配信システムを導入しようか?どうしようか?」と迷っている企業にとっては、お試し版としてこれらに触れてみて、メール配信システムそのものの利用価値を判断できるという意味では価値が高いものです。
ただやはり有料サービスと比べると、無料サービスは簡易的な傾向にあるようです。本格的に利用しようとすると、機能に物足りなさを感じる場合もあるかもしれません。例えば、一部の無料サービスでは本文に受信者氏名の挿入ができない、というものがあります。受信者名の挿入とは、例えば本文冒頭に「〇〇〇様へ」と宛名を記したい場合、「〇〇」の部分へ自動的に受信者の社名や氏名を挿入してくれる機能です。誰でも自分の名前が書かれたメールには反応しやすいものですから、これがあるとないとでは開封率やURLクリック率に大きな差が出てきます。
無料サービスも決して悪いものではありません。なにせ無料ですから気軽に試してみて、自社の業務内容に見合うものであるかどうか判断してみるのもよいのではないでしょうか。
●送信アドレスをスムーズに準備できるか
メール配信システムを使うにあたって、実は最も重要なポイントともいえるのが「送信アドレスをどのように用意するか」です。メール配信システムは、文章さえ作れば日本国中のあらゆる人に送信してくれる…という夢のようなツールではありません。必ず、送り先となる人のメールアドレスを大量に登録する必要があるのです。
このメールアドレス、1件1件人の手で入力することもできなくはありませんが、それこそ膨大な手間のかかる作業となりますし、入力ミスも多発することでしょう。実際、多くの場合は企業がすでに持っている顧客データからメール配信システムが自動的にアドレスを引っ張ってきて受信者として設定します。この引っ張ってくる作業がスムーズにできるシステムかどうかは、必ず確認しておくべきです。
例えば貴社が保有する数十年分の膨大な顧客データがすべて「A」という表計算ソフトで管理されていたとしましょう。一方で導入したメール配信システム側が「A」からのデータ移行に対応していなかった場合、目も当てられません。
事前によく調べ、場合によってはメーカーに問い合わせて、自社の顧客データがスムーズに送信アドレスとして活用できるかどうかは必ず確認しておきましょう。
『Knowledge Suite』がおすすめな理由
では、最後に私たちブルーテック株式会社が提供するサービス『Knowledge Suite』のご紹介に少しお付き合いいただけますでしょうか。
『Knowledge Suite』は、企業のあらゆる業務をサポートする総合ビジネスアプリケーションです。社員同士のコミュニケーションを円滑にする「グループウェア」、営業マンの業務を支援する「SFA」、顧客情報を効率的に管理し活用する「CRM」という3つの機能がワンパッケージでご利用いただけます。
実はこの『Knowledge Suite』、メール配信システムも内包されているのです。低コストで簡単・シンプルなシステムで、初めてメール配信システムを導入する企業様にも安心してお使いいただけます。
下記に『Knowledge Suite』がおすすめできる理由をいくつかご紹介いたしましょう。
誰でも使えるシンプルで快適な操作
『Knowledge Suite』はPCの作業に不慣れな方でも使いこなせるよう、シンプルで分かりやすく設計されています。メール配信機能についてもしかり。まずは「みんなで使えて定着する」ことが最も大事であることを理解しているからこそ、随所に分かりやすさの工夫がこらされています。
送信アドレス設定も楽々
「SFA(営業支援システム)」「CRM(顧客管理システム)」「グループウェア」と3つビジネスアプリケーションがワンセットになった『Knowledge Suite』。だからCRMに入力した顧客情報を、メール送信に使うようなこともごく簡単にできます。もちろん表計算ソフト等からのデータ移行にも対応。メール送信のみならず、様々な角度から貴社の営業活動や社内コミュニケーションをサポートすることもできます。
ユーザー数無制限だからハイコストパフォーマンス
こうしたビジネスアプリケーションでは、多くの場合「ユーザー1名につき〇円/月」といった、「ID課金制」の料金体系がとられています。一方で『Knowledge Suite』は何名でお使いいただいても月額料金は50,000円/月~で固定という圧倒的低コスト。最初は少人数でメール配信機能のみご利用いただき、徐々に利用機能や利用人数を増やしていく…という使い方でも、月額料金は一切変わりません。
スムーズに導入できるクラウドサービス
『Knowledge Suite』は、すべての機能がインターネットを介してブラウザ上で提供されるクラウドサービスです。だからPCへのインストールを必要とせず、ハードウェアの性能も問わずにすぐに導入できます。「ウチはIT環境が整っていないから…」と心配される必要はありません。
マルチデバイス対応で外出先からも利用可能
『Knowledge Suite』はスマートフォンやタブレットでの利用にも対応。いずれもPCとほぼ同じパフォーマンスでお使いいただけます。わざわざ自分の席でPCを立ち上げなくても、移動中や外出先でデータの確認や報告・連絡が気軽にできるフットワークの軽さが自慢です。もちろん、今話題のテレワークにも活用いただけます。
本稿をお読みいただき、メール配信システムの基礎知識はご理解いただけたでしょうか。今、世界のビジネスが変わろうとしています。誰もが持ち、誰もが使いこなしているメールというインフラを活用することも、変化に対応する方法の1つかもしれません。
メール配信システムの導入を思い立ったら、ぜひ低コストで誰にでも使える『Knowledge Suite』の導入もご検討ください。
『Knowledge Suite』は無料のお試しトライアル版もご利用いただけます。トライアル版は「グループウェア」機能だけがご利用可能いただけますが、シンプルな画面や操作感、クラウドサービスの魅力はきっとお分かりいただけます。
トライアル版のお申込みは下記の『Knowledge Suite』サービスサイトから。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/service/sfa.html
【執筆者】
松岡 禄大朗