商談を録音するなら許可を取るべき|法律違反やトラブルを避けよう
商談の聞き落としによるミスを防止したり、営業トークの勉強をしたりするときには録音データが役立ちます。
しかし、商談を録音することに対して、以下のように不安を抱えている方もいるでしょう。
- 商談を録音することは法律違反になるのではないか
- 録音することへの許可をもらった方がいいのか
- 許可はどのようにもらったらいいのか
そこでこの記事では、商談の録音について紹介していきます。
最後まで読むと以上3つの悩みが解決し、トラブルを防ぎながら商談の録音をする方法がわかります。
商談を録音したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事の目次】
商談を無許可で録音するのは法律違反?
結論から言うと、商談を無許可で録音したとしても基本的には法律違反ではありません。
無許可での録音には、以下2種類があります。
- 盗聴:会話に参加していない人が録音すること
- 秘密録音:会話の当事者が録音すること
「盗聴=犯罪」というイメージがあるかもしれません。
しかし、厳密に言うと盗聴自体は多くの場合において犯罪にはなりません。
盗聴した内容を公開したり、盗聴するために家に侵入したりする行為が犯罪として扱われます。
盗聴に付随する行動が、名誉毀損罪や住居侵入罪などとして問われるわけです。
同じように秘密録音も、録音すること自体は犯罪ではありません。
データの扱い方に注意すれば、刑法上の問題はないのです。
ただし、プライバシーの侵害として民法上では損害賠償請求を受ける可能性があります。
そのほか、顧客との関係悪化の原因になる可能性もあるので、許可をとるのが望ましいでしょう。
商談を録音するなら許可をとろう
商談を無許可で録音しても基本的には法律違反ではありません。
しかし、無許可での録音はトラブルの原因になるので、許可を取るようにしましょう。
商談を録音する場合には、以下の2者から許可をとるようにしてください。
- 顧客
- 自社
顧客から許可をとる理由
顧客から許可をとる理由としては、以下2つがあります。
- 民事上で損害賠償請求をされないようにするため
- 関係が悪化しないようにするため
損害賠償請求をされると、会社にとってもあなたにとっても大きな損失になってしまいます。
また、意図せず録音していたことが顧客にバレてしまった場合、関係が悪化する可能性があります。
どちらも業務に支障が出るものなので、トラブルを避けるためにも顧客から許可をもらうようにしてください。
自社から許可をとる理由
自社からも商談を録音することに対して許可をもらう方がよいでしょう。
社員が商談を録音することで、自社に以下のような不利益が出る場合があるからです。
・録音によってトラブルが起こると、会社のイメージダウンにつながる
・社員が録音機材を持ち歩くことで、社内の雰囲気が悪くなる
会社として商談の録音についてどう捉えているのかを確認してみてください。
商談を録音をする許可はどうやって取る?
ここまでお伝えした通り、商談の内容を録音する場合には許可をとることが望ましいです。
許可をとるときには、以下3点について伝えるようにしてください。
- 目的
- 用途
- 管理方法
①目的
まずは録音する目的を明らかにして伝えるようにしてください。
・商談の質を高めるため
・商談中の聞きもらしによるトラブル防止のため など
録音の目的をはっきりさせることで、相手側が許可するかどうかを判断できます。
②用途
次にどのように使うのかを明らかにしましょう。
多くの場合「目的として伝えた用途以外では使用しません」と伝えれば問題ありません。
③管理方法
データの管理方法についても言及しておくと、より信頼性がアップします。
正当な目的と用途に録音データが使われるとしても、管理の仕方によっては情報漏洩などの心配があるからです。
・「第三者に漏洩しないよう厳重に取り扱います」
・「ネットにつながらない環境で保管いたします」
以上のように伝えれば、相手も安心してくれるでしょう。
商談の録音に使える機材3つ
実際に商談を録音をするためには、機材が必要になります。
商談の録音に使う機材として以下3つが挙げられます。
- スマートフォン
- ICレコーダー
- ビデオカメラ
①スマートフォン
スマートフォンのボイスレコーダーアプリを使う方法です。
普段から持ち歩くものですので、費用もかからず手軽に使えるのが魅力です。
ただ、スマートフォンは電話などの通知がくると録音がストップしてしまう可能性があります。
また、見栄え的に商談の雰囲気にそぐわなかったり、情報漏洩しやすそうなイメージがあったりします。
顧客や会社が納得するならよいかもしれませんが、あまり適切ではないでしょう。
②ICレコーダー
録音に特化したICレコーダーは、スマートフォンのように情報漏洩するイメージが少ないです。
インターネットに接続できないので、安心感があるのでしょう。
見栄え的にもスマートフォンよりよく、手軽に持ち運べて便利です。
ただ、多くの人はICレコーダーを見慣れていないものです。
商談中に机の上にあると存在が気になって、話しづらさを感じる場合もあるかもしれません。
初期投資が必要であることもデメリットでしょう。
③ビデオカメラ
ビデオカメラでも商談を録音できます。
必要であれば録画して映像を残せるのが大きなメリットでしょう。
ただし、ビデオカメラは高額なものも多いので注意が必要です。
また、電池のもちがあまりよくない点も商談向きではないかもしれません。
まとめ|商談の録音をするなら顧客と会社から許可を取ろう
商談の録音について紹介してきました。
商談の録音は無断で行っても、基本的に犯罪にはなりません。
ただ、民事上のトラブルや顧客との関係悪化が懸念されますので、許可をとるのが望ましいです。
許可をとる際には、以下3点を提示して交渉しましょう。
- 目的
- 用途
- 管理方法
以上3点を明確に提示することで相手に安心感を与えられるので、ぜひ実践してみてください。