マーケティングとは?【初心者向け】意味・戦略の考え方と実行のポイントを解説
多くのビジネスパーソンを悩ませるビジネス用語の1つに、「マーケティング」があります。
マーケティングは企業活動の基本中の基本でありながら、実は言葉の意味があいまいだったり、簡単に成功させることができない「企業の永遠のテーマ」のようなものです。
本稿では改めてマーケティングの基礎を、どなたにも分かりやすく解説していきます。
社会人になられて日が浅い方はもちろん、「「長年マーケティングの仕事をやってはいるけれど、実は言葉の意味は説明できないかもしれない…」という方もおさらいの意味でご覧ください。
最後まで読めば、今日から仕事への向き合い方がちょっと変わるかもしれませんよ?
この記事で分かること
・マーケティングとは、商品が売れるための仕組みを作ること。
・マーケティングを考える上で重要なのは、「誰に、どんな価値を、どのように売るか」を定めておくこと。
・マーケティング戦略を策定するなら、まずは「3C分析」「PEST分析」といった代表的な分析手法を取り入れてみよう。
【この記事の目次】
マーケティングとは、商品・サービスを売るための仕組み作りのこと
マーケティングとは、簡単にまとめると、「商品を売るための仕組みづくり」のことです。
参考までに、辞書によればマーケティングとは下記のような意味だそうです。
顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動。
(小学館「デジタル大辞泉」)
一般的に宣伝戦略を指してマーケティングとされることが多いですが、広い意味では商品開発から市場調査、戦略立案、さらには流通や販売後のサポートなども含む、いわば企業活動全般を指す言葉であることも覚えておいてください。
つまりマーケティングとは、商品がたくさん売れれば成功とされ、売れなければ失敗とされる根源的な「モノを売る戦略」であり、どんな企業も決して無関係ではない重要課題です。
ここでマーケティングの手法についても、ごく基礎的なものをご紹介しておきます。
マーケティングの理解を深めるサブテキストとしてご活用ください。
マーケティングの3つの種類
マーケティング手法のうち、一般的によく行なわれる代表的な3種類をご紹介します。 それぞれに目的や効果が異なるため、的確な使い分けが必要となります
●マス・マーケティング
不特定多数の消費者を対象としたマーケティング手法のことを言います。
宣伝行為として一般的にテレビ、新聞、雑誌などのいわゆるマスメディアが活用されます。
BtoC分野で特に積極的に使われる手法であり、直接的な商品購入動機につなげる他にも、商品や企業の知名度、好感度の向上も目的の1つです。
●ダイレクトマーケティング
消費者に直接商品を売るマーケティング手法です。
近年特に活況なインターネット通販や、テレビショッピングなどの仕組みがこれに当たります。
どれだけの経費をどのようにかけた結果、どのような反応を得ることができたかを可視化できるため、データ分析がしやすい手法と言えます。
●インバウンドマーケティング
直接的な商品宣伝を行なうのではなく、消費者からの問い合わせやサイトアクセスを待ち、それを見込み客として育成する手法です。
商品のホームページを検索にひっかかりやすく工夫する「SEO対策」や、ネット上に商品に関連する読み物を公開して興味のある人々を集める「コンテンツマーケティング」などもこの一種です。
比較的低コストで実践することができ、BtoB分野でよく使われる手法です。
効果的なマーケティング活動の4ステップ
より実践的な情報として、マーケティングのステップについてもご説明しておきます。
何重もの段階を経て展開されるマーケティングですが、大まかに分ければ下記4つのステップがあり、これを繰り返すことになります。
(1)市場調査
消費者の傾向や求めるもの、理想的な商品の形を様々な手段で調査し、導き出すのが市場調査です。
アンケートの実施や統計データの調査などが、手段としてよく用いられます。
商品企画や宣伝活動など、これ以降のすべてのプロセスに影響する重要なステップなので、なるべく広く、正確な調査と分析が求められます。
(2)ゴールの設定
マーケティング施策を行なう際は、なるべく具体的な「ゴール」を設定しておくと振り返り・改善がしやすくなります。
例えば単に「問い合わせを増やす」というよりは、「どんな属性の顧客から、どんな種類の問い合わせを、どれほど多く欲しいのか」まで設定しておきましょう。
そうすることで、どんな手法で、どこに向けてマーケティングを行なえばいいのかが明確になってくるはずです。
もしもゴールにたどり着くことができなかったら、何が原因だったかも見えやすくなるでしょう。
(3)広告宣伝
市場調査を元に、最適なターゲットに、最適な方法で広告宣伝を展開していくステップです。
マスメディアの利用や交通広告、看板・掲示物など、その方法は多岐にわたり、限られた予算の中でどう展開するかが勝負の分かれ目になります。
特に最近はインターネット分野での広告展開が盛んで、ターゲットを絞りやすくなっている分、ターゲティングの精度も求められます。
広告宣伝におけるマーケティングの種類
●マスメディア……「4マスコミ」と呼ばれるテレビ、新聞、雑誌、ラジオに広告を出稿する手法です。場所を問わず多くの消費者にリーチできます。
●デジタルマーケティング……検索エンジン、メール、SNS、WEBサイトなどインターネットメディアを活用した広告です。コストパフォーマンスが高い手法と言われています。
●SP広告……電車やタクシーなどの社内における交通広告、また屋外に掲出される看板やサインボード広告です。地域を限定してターゲティングしたいケースで有効とされます。
●その他……イベントやセミナーの開催、またはマスコミ媒体に記事として取り上げてもらう「パブリシティ」、SNSなどでのクチコミを狙う「バズマーケティング」などがあります。
(4)効果検証
(1)と(3)を実施した結果、それらがどのような成果を上げたのかを検証します。
たった1回のサイクルで充分な成果を出すことは難しく、通常はこの検証を元にトライ&エラーを繰り返し、少しずつ改善していく形になるでしょう。
また検証するに当たり、今回の施策の目的が売上げ向上にあったのか、認知度の向上にあったのかなど、あらかじめゴールを明確にしておくことも大切です。
マーケティング活動における重要な考え方とは
ここで、マーケティングを行なう際の基礎となる考え方について、3つのポイントでご紹介します。
重要なのは「誰に」「どんな価値を」「どのように」売るか、という考え方です。
(1)誰に売るか
まずは「顧客像」を詳細に定めることが大切です。
「誰に売るか」が明確にならなければ、その後の様々な判断がブレてしまうためです。
顧客像は「セグメンテーション」と「ターゲティング」という行為によって定めます。
セグメンテーションとは市場を細分化し、その構造を分析・把握することを言います。
例えばBtoB事業であれば、業種・業態、企業規模、地域、担当者の所属部署…など、さまざまな評価軸で市場を細分化することができるでしょう。
こうした細分化作業を行うのがセグメンテーションであり、顧客像を定める第一歩となります。
セグメンテーションの後、ターゲティングを行ないます。
多数ある市場の評価軸を参考に、自社商品はどこに向けて売るべきなのかを定めるのがターゲティングです。
消費者にニーズがあるセグメントはどこか、自社の優位性が発揮できるセグメントはどこか、商品の強みが活かせるセグメントはどこか…などを考慮し、顧客の属性をシミュレートします。
この後のマーケティング施策は、ターゲティングに基づいて進行していくことになります。
セグメンテーション、ターゲティングについてより詳しい情報を知りたい方は、下記コラムもご参照ください。
(2)どんな価値を売るか
ターゲット顧客が定まったら、つづいて「どんな価値を売るか」を考えてみましょう。
ここでは「ベネフィット」と「差別化」という観点から商品価値を創造していきます。
ベネフィットとは、商品そのものが持っている価値のことです。
「包丁」という商品には「食材を切れる」という価値があります。
また「自動車」には「気軽に移動できる」という価値もあれば、「所有者にステータスを与える」という価値もあるでしょう。
ベネフィットは、ターゲットとなる顧客によっても異なります。
顧客像の特性を把握し、商品のベネフィットを見誤らないように注意しましょう。
また差別化とは、競合商品に対する自社商品の優位性を考えることです。
「価格」「品質」「サービス」「機能」など、競合他社より優位な点を見出し、それを顧客に訴えていく必要があります。
優位性が複数存在する場合は、顧客像を元に「どのような優位性にニーズを感じてもらえるか」を考慮し、特にその点を強調するべきです。 競合商品と単なる横並びになってしまえば、自社商品は埋もれてしまいます。
何か「一点突破」できるポイントを見つけて訴求することを心がけましょう。
(3)どのように売るか
ターゲットが定まり、提供する価値が定まったら、最後にそれを「どのように」売るかを考えるステップです。
これは「4P」と呼ばれるポイントに分解すると考えやすいと言われています。
4Pは下記のとおり、Pを頭文字とした4つの要素です。
・Product(プロダクト) …製品・サービスの具体的内容
・Price(プライス) …価格・料金体系
・Promotion(プロモーション) …宣伝方法
・Placement(プレイスメント) …販路
例えば1枚のTシャツを4Pの要素で考えてみましょう。
・Product(プロダクト) …新開発のメッシュ素材で通気性が良い
・Price(プライス) …1着1500円、夏季限定1200円
・Promotion(プロモーション) …ネット広告、SNSインフルエンサーによるレビュー
・Placement(プレイスメント) …ネット販売
このように羅列すると、このTシャツがどのような特性を持ち、どのような展開で販売されるかが見えてくるのではないでしょうか。
この「(3)どのように売るか」の考察は「(1)誰に売るか」「(2)どんな価値を売るか」と深い相関関係にあり、(1)(2)を具体的に売り方に落とし込んだものであるとも言えます。
マーケティング戦略の考え方
マーケティング戦略を考えることのメリットは、無駄をなくすことで自社のリソースを最大限有効活用できるようになることや、商材や自社の業界における立ち位置が明確になることにあります。
そこで改めて、先ほども述べたマーケティング戦略の考え方をおさらいします。
マーケティング戦略はまずサービスを売る対象はいったい誰なのかを明確化する「セグメンテーション」と「ターゲティング」から始まります。次に、自社のサービスが顧客にいったいどのようなベネフィットを与えるかも考えなくてはなりません。価格・品質・機能など様々な面から複合的に考え、さらに同様のベネフィットを提供している競合がいないかも精査しなくてはならないでしょう。そして自社と競合を比較してどういった点が優れているのかを明確にし差別化を図ります。ここまでのステップを経て、ようやく自社の取るべきマーケティング戦略を決定し、実行する段階に入ります。
特にマーケティング戦略の実行は、やりっぱなしにするのではなく、定期的な見直しで改善点を見つけ出して、戦略をブラッシュアップしていかなくてはならないでしょう。
マーケティング戦略の代表的なフレームワーク
一部、すでに触れているものもありますが、マーケティング戦略を策定していく際に役立つ体表的なフレームワークを4つご紹介します。
3C分析とは
3Cとは、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの頭文字から来ています。自社の強みや弱み、競合他社の規模や、市場/顧客のトレンドなどを分析し、市場における自社の立ち位置の把握に有効です。
「誰に売るか」「どんな価値を売るか」「どのように売るか」の全てに関わるため、マーケティングにおいて非常に重要なフレームワークです。
3C分析を行う際には「市場・顧客→競合→自社」の順番に実施します。そうすることで、市場ニーズに適しており、競合にも負けない自社がとるべきポジションが見えてくるからです。
そのため、市場・顧客調査が最も時間がかかるフェーズとなります。イメージとしては、市場・顧客調査に全体の7〜8割ほどの時間をかける形です。
この分析がぶれていると、商品やサービスを作成してから分析しなおさなければ行けなくなるなど、効率が下がってしまいますので、焦らずじっくりと分析しておくことが大切です。
3C分析における構成要素
3C分析では以下3つを分析対象としています。
・市場・顧客:市場規模、市場の成長性、販売チャネル、地域性、ニーズ等
・競合:市場シェア、販売チャネル、ターゲット層、売上、ブランドイメージ等
・自社:競合の数、参入障壁、競合の強み・弱み、満たされていないニーズ等
PEST分析とは
PESTとは、「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の頭文字から来ています。例えば、制度変更などの政治的要因、為替相場や景気などの経済的要因、人口動態や消費者のトレンドなどの社会的要因、新技術やイノベーションなどの技術的要因、といった4要因を分析することで、自社サービスの市場環境や競合状況の把握に役立ちます。
5F分析とは
5F分析の「F」はフォースからきており、日本語で「脅威」という意味です。自社が晒されている5つの脅威を明らかにし、リスクヘッジをベースに戦略を立てることができます。
また、新たな脅威の登場なども考慮するため、市場や収益を得るプロセスなどの変化を分析するのに適しています。経験のない業界に挑戦する際には、市場の状況把握に5F分析が活用されることも多いです。
5F分析における構成要素
5F分析における構成要素は以下のとおりです。
・業界内での競争:競合の数、知名度、ブランド力、資金力、業界の成長度合い、市場規模
・業界への新規参入者:市場規模、参入に必要な技術レベルやブランド力
・代替品の存在:質やコストの差、乗り換え時の手間やコスト
・顧客の交渉力:売り手市場か買い手市場か、価格設定は妥当か(値下げ競争に巻き込まれていないか)
・売り手の交渉力:売り手の数や優位性、リプレイス時の手間やコスト
売り手とは、メーカーであれば原材料を提供する企業、小売業の場合には卸業者がそれに当たります。
SWOT分析とは
SWOT分析は「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つを分析するフレームワークです。
市場における自社の立ち位置を俯瞰するのに役立ちます。また、「Threat(脅威)」については5F分析と組み合わせることでより解像度が高まるのでおすすめです。
SWOT分析における構成要素
SWOT分析の構成要素は以下のとおりです。
・強み:競合と比較した際の自社の強み
・弱み:競合と比較した際の自社の弱み
・機会:市場の変化により自社にプラスになる可能性ある要因(例:円高円安など)
・脅威:市場の変化により自社にマイナスになる可能性がある要因
SWOT分析の戦略とは何か
SWOT分析では4つの構成要素のうち2つを掛け合わせると、戦略を立てることができます。組み合わせの際には、内部要因である強みと弱み、そして外部要因の機会と脅威をそれぞれ掛け合わせる形になります。
・SO戦略(強み×機会):強みを活かすことで新たなチャンスを見つける戦略
・WO戦略(弱み×機会):弱みを改善していくことで新たなチャンスを見つける戦略
・ST戦略(強み×脅威):強みを活かしながら脅威を回避する戦略
・WT戦略(弱み×脅威):弱みにより直面する脅威を最小限に抑えるための戦略
これらの分析手法を知っているだけで、マーケティング戦略を考える助けになりますので、興味のある方は詳しく調べてみると良いでしょう。
効率的なマーケティングを目指すなら『Knowledge Suite』
最後に、マーケティング活動を効率的に確実に行なうためのツールをご紹介しましょう。
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その他『Knowledge Suite』の特長を以下にまとめますので、ぜひご参照ください。
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ビジネスアプリケーションは「ユーザー1人につき〇〇円」といった「ID課金制」を採用するのが一般的です。一方で『Knowledge Suite』は月額料金50,000円~の定額固定制で、何名様でもお使いいただけます。
月額料金の加算がないため、最初は少人数で使い始め、徐々にユーザー数を少しずつ増やしていくような導入方法を検討されているケースにもおすすめです。
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すべての機能がインターネットブラウザを通じて提供される『Knowledge Suite』は、いわゆるクラウドサービスです。
リアルタイムで確実な情報共有、運用コストの低減やセキュリティの安全性など、クラウドサービスならではの様々なメリットを享受していただけます。
携帯端末で場所を選ばず利用可能
『Knowledge Suite』はPCの他、スマートフォンやタブレットといった携帯端末でもお使いいただけます。
オフィス外でも様々な業務を処理することができ、業務効率向上、労働時間の短縮に貢献します。
まとめ
本稿では「マーケティング」を題材とし、その基本的な知識をお伝えしてきました。
20世紀初頭にアメリカで生まれたマーケティングの概念はその後様々な手法を生み出し、現代ではインターネットをベースとした考え方にシフトしつつあります。
結果あらゆるデータが可視化され、マーケティングに関連する処理はより大量に、複雑になっていくことでしょう。
データの管理・分析は従来のアナログ処理では難しく、マーケティング失敗の元にもなりかねません。
そこで当社はデジタルツールの導入をおすすめしています。
本稿をお読みになり、マーケティング対策としてのデジタルツールの導入に少しでも興味がわいた方は、『Knowledge Suite』の導入をご検討いただけると幸いです。
『Knowledge Suite』のくわしい情報は下記サービスサイトから。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://bluetec.co.jp/knowledgesuite/service/crm.html
【執筆者】
松岡 禄大朗