CRMとは?小売業界において導入が効果的な理由、選び方を紹介
人口が減少傾向にある日本では、新規客の獲得が難しくなっています。だからこそリピーターを創出し、より長く関係性を築いていくことが企業の生き残り戦略として重要性を増しています。
特にコロナ禍以降は小売業をはじめとした、店舗ビジネスでは集客に頭を抱える企業が少なくありません。
そして、CRMを活用するとリピーター創出を効果的に行えるようになります。本稿では、小売業におけるCRMの有効性や選び方についてご紹介します。
導入を検討される方の参考になれば幸いです。
【この記事の目次】
CRMとは
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客との関係性についてデータを管理し・分析できるツールです。
インターネットの普及により、細分化されてきている顧客ニーズに対応し、顧客と良い関係性を築くために活用されます。
細かなニーズに対応した施策を打つことで成果につながりやすく、営業効率のアップやコスト削減効果が得られます。
CRMが営業やマーケティングにおいてどう活用されているのか、SFAとの違いについては以下の記事をご覧ください。
CRMは小売業に活用が可能な理由
小売業でもCRMが活用されています。ToC領域である小売業では、細分化されたニーズの把握が難しいという大きな課題があります。
顧客がどういったニーズを持っており、なぜ商品の購入に至るのかがわかりにくいのです。ヒット商品を見出したり、ロスなく商品を仕入れたりする時に大きな障害となります。
CRMを導入し、膨大な顧客データを分析することで、より細かなニーズを拾い出すことが可能です。
数ある商品の中から、顧客が欲している可能性の高い商品をレコメンドするなど、CRMで分析したデータはLTV向上に向けた取り組みに役立てられるのです。
小売業でCRMが重要視されている理由
インターネットが発達し、商品情報を手軽に調べられるようになった現代では、消費者が商品を見る目は厳しくなっています。
品質が担保されていることはもちろんのこと、「コストパフォーマンスが高いか」「自分に合っているのか」といった点までチェックされます。
テレビや新聞など、従来型のアプローチではこういった細かなニーズに答えることは難しいです。個別化して訴求をしていては費用対効果が合わず、また個別にメッセージを届けることもできないからです。
また、届けられたとしてもどういった反応を示したのかを確かめる術はありません。アプローチがうまくいったのかがわからず、改善のしようもないのです。
CRMでは膨大な顧客情報を一元管理できるため、どういった訴求がどの顧客層に響きやすいのかを分析・検証できます。ニーズが細分化された現代では必須の営業ツールと言えるでしょう。
小売業に役立つCRMの機能
CRMの機能は複数ありますが、特に小売業において役立つ機能をご紹介します。
アンケート機能
顧客に対してアンケートを実施し、その結果を集計・分析できる機能です。
顧客の声を直接拾い上げ、施策に活かして行けるのが魅力です。反応率の高い顧客が誰なのかもわかります。
ポイントカード情報の連携
小売ではポイントカードを使い、顧客にポイントによる割引などをインセンティブにリピーターの創出を狙うのが一般的です。
加えて、ポイントカードの利用履歴は顧客の購買行動そのものであり、これを営業やマーケティングに活かさない手はありません。
CRMにポイントカード情報を連携すれば、自社の顧客のリアルな購買行動からより効果的な施策を見つけられるでしょう。
購買データの抽出・分析
小売業は個人向けの業態であるため、購買データは膨大です。一元管理するだけでなく、条件をつけてデータを抽出できるものであれば、分析がより容易になります。
条件設定も細かくできるものを選ぶのがおすすめです。
個別ニーズに対応した販促活動
スマートフォンの普及により、顧客との接点はメールや電話だけでなくSNSなど多岐に渡っています。
顧客が利用する媒体に合わせることで、より反応率の高い訴求が可能になります。
CRMを小売業に導入するメリット
CRMは様々な業界で重宝される営業ツールですが、小売業には次のようなメリットがあります。
顧客情報を分析しニーズを見つけられる
CRMは営業部門やマーケティング部門でも活用されるため、蓄積されたデータは非常に膨大です。そしてそのデータを元に新たな顧客ニーズの発見を目指せるのです。
同じ商品であってもアピールの仕方が変われば、顧客の目には違うものに映ります。昨今では技術の進歩により、品質や機能面での差別化が難しくなっています。
顧客ニーズに沿った訴求で他社と差別化を図れるのは、CRMの最大の魅力と言えるでしょう。
チャネルが複数でも情報を一元管理できる
顧客とコミュニケーションを取るチャネルが複数ある時でも、CRMを使えば顧客情報をまとめて管理できます。
もちろん、チャネルごとに表示してそれぞれの客層の特徴を明らかにし、アプローチの文面を工夫することも可能でしょう。
顧客数やチャネル数が多い企業ほど、CRMのデータ管理能力の高さから受ける恩恵は大きいはずです。
最適なアプローチでコスト削減効果が期待できる
利用するチャネルやアプローチするタイミングなどを最適化することで、マーケティング施策にかける費用を削減できます。
例えば、食器用洗剤を購入した顧客に対し、なくなるタイミングを見計らって詰替用をレコメンドすれば購入してもらえる可能性は高いです。
乾燥が気になる冬の時期であれば、手荒れ防止のための手袋やハンドクリームなど、関連した商品の購入も期待できるでしょう。
このように、CRMで顧客ニーズを徹底的に分析すれば、顧客が欲しいと感じるタイミングで最適なものをオファーでき、営業効率アップにつながります。
顧客満足度の向上・リピーター獲得効果が得られる
必要のないものをお勧めされるのは気分が良くないものですが、必要性を感じているものをおすすめされると「理解してもらえた」という嬉しさが込み上げるものです。
営業を繰り返して売り上げアップにつながっているわけですが、商品を探す手間も省けますし、顧客は非常に満足するわけです。
こうしたサービスに顧客が満足感を得ると、多少価格が高かったりアクセスの悪い立地だったりしても自社を利用してくれるようになります。
こうしたリピーターの獲得は新規営業のコスト削減、安定的な企業経営につながります。
新製品のヒントが得られる
CRMの活用で得られた顧客ニーズは、時に新商品開発のヒントとなることがあります。
例えば、洗濯洗剤を選ぶ際には「洗浄力の高さ」「香りの良さ」「衣類の傷みにくさ」などがポイントとなるでしょう。だからこそ粉末のものからより洗浄力の高い液体洗剤が登場したり、アロマ配合のものが登場したりしているわけです。
しかし、近年では「計る手間がない」というのもニーズがあることがわかり、一粒入れるだけのジェルボールといった新形態が登場しました。このように顧客ニーズの分析は、新たなヒット商品の開発にも役立つのです。
小売業でCRMを選ぶ際の3つのポイント
自社で活用する価値の高いCRMを選ぶポイント3つをご紹介します。
システムの種類が適しているか
CRMには以下2種類の提供形態があり、自社に適したものを選ぶ必要があります。
クラウド型
〇安価で手間なく導入できる
〇外出先からでも利用できる
×端末制限等が利用できない
×カスタマイズ性は低い
オンプレミス型
〇自社サーバー内のみの利用でセキュリティが高い
〇カスタマイズ性が高い
×外出時の利用許可設定に手間がかかる
×コストが高くシステム構築に時間がかかる
手軽さで選ぶならクラウド型、より強固なセキュリティやカスタマイズ性の高さを望むならオンプレミス型がおすすめです。
自社に必要な機能が搭載されているか
自社の利用規模などに適した機能が搭載されているかもチェックしましょう。
例えば小規模で地域密着型の店舗の場合には、顧客管理に加えて、アンケート機能でより詳細な顧客ニーズを拾っていく形が良いかもしれません。
一方で大規模の場合には、顧客とのコミュニケーションチャネルと連携しやすく、膨大なデータを扱っても重たくならないシステム強度が必要でしょう。
ただ、多機能なものは導入コストが高く、操作も複雑になりやすいです。そのため、自社にとって必要な機能を洗い出しておき、過不足のないツールを選ぶことが大切です。
操作性が高く浸透しやすいツールであるか
CRMの導入でありがちな失敗が、操作が難しく社員があまり使ってくれないという事態に陥ることです。CRMはあくまで管理ツールであり、データを蓄積して使用しなければ意味がありません。
ITツールに対する抵抗感が強い社員が多い場合には、特に注意が必要です。画面がシンプルで操作が簡単なものを選び、無理なく使用してもらえるようにしておきましょう。
また、たくさんのデータを入れ込むほど分析による効果を得やすいですが、導入直後は入力するデータは少なめに押さえておきましょう。そうすることで気軽に使ってもらえる状態を作れます。
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まとめ
CRMは顧客の情報をまとめて管理できるため、小売業のようなToC領域での活用でより大きな力を発揮します。なんとなくの肌感覚ではなく、データに基づいたマーケティング施策を打つことでコスト削減や営業効率アップを目指していきましょう。
導入時には手軽に使えてお蔵入りのリスクが低いツールを選ぶことが大切です。使ってもらえさえすれば、活用方法などは後から改善していけます。
ちなみに『Knowledge Suite』は2010年グッドデザイン賞を受賞するほど、見やすい画面デザインで扱いやすいツールです。
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【執筆者】
松岡 禄大朗