カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)で注力すべき3つのポイント
企業の業務を効率化・自動化するアプリケーションは数多くあり、今やほとんどの企業で何らかのビジネスアプリケーションが導入されています。
中でも近年、導入社数を増やすアプリケーションが「CRM」と呼ばれるジャンルのものです。
本稿ではCRM未導入、または導入したがうまく使いこなせていないという企業の皆様に向け、CRM導入時に気を付けておきたい3つのポイントをご紹介します。
当然のことですが、CRMは導入さえすればどんどん売上げが上がるという打ち出の小づちではありません。
使い方のコツを身に着け、充分に活用しましょう。
【この記事の目次】
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)とは
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)の意味
CRMという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
CRMは「Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)」の略語で、日本語に訳せば顧客関係性管理となります。
元々はマーケティングにおける1つの手法を指す言葉でした。
詳しくは以下記事をご確認ください
CRMとは~メリデメや機能、導入における注意点から2024年最新情報まで~
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)の重要性
そもそもCRMはなぜ必要なのでしょうか?
一般的に現代において、CRMは年々その重要度を増していると考えられています。
その理由の1つが、「嗜好の多様性」です。
かつて販売のチャネルもプロモーションのチャネルも限られていた時代には、人々はだいたい同じ方向を向き、同じような嗜好で同じようなものを買っていたとも言えます。
一方で消費者がインターネットを通じて自分の欲しい情報を欲しいだけ手に入れられるようになった現代、嗜好は多様化しています。
自分の興味のある商品についてはどこまでも掘り下げることが可能になり、同時に別の何かに興味がわけば、すぐにそちらに乗り換えることも可能です。
こうした中、自社の商品に消費者をつなぎとめ、意識を持続してもらうこと…つまりCRMはどんな企業にとっても必要な行為なのです。
もう1つ、現代ならではの要因は「サブスクリプションの発達」です。
サブスクリプション…つまり「月ぎめ定額サービス」が近年急速に普及しています。
動画配信サービスやソフトウェアの利用、カーシェアや食品の配達など、身近なところだけ見ても枚挙にいとまがありません。
こうしたサブスクリプションは月ぎめサービスである以上、消費者にとって解約の機会が毎月やってくることになります。
倹約意識も高まっている現代、自社のサービスに必要性や興味がなくなってしまえば、消費者はすぐに解約の選択をするでしょう。
ましてやSNSの発達によって商品や企業に対する不平不満は短期間に多くの人々に共有されるようになり、1人の解約がその他大勢の解約につながる可能性もあります。
逆もまた真なりで、1人の顧客が自社商品に好意的な意見を投稿してくれれば多くの人がそれに共感し、企業側が特別な動きをするまでもなく売上が向上していく可能性も大いにあります。
こうした時代背景もあり、現在CRMで顧客をつなぎとめることに多くの企業が関心を寄せ、力を入れているのです。
インターネット販売をしていない、サブスクリプションを採用していない、という商品についても上記のような消費者の心理や動向は決して無視できるものではありません。
貴社でも今一度カスタマーリレーションシップマネジメントについて理解を深め、顧客との関わりを研究してみることをおすすめします。
CRMの必要性について、より詳しく知りたい方は以下のコラムもご参照ください。
【CRMの必要性とは?分析方法や代表的な分析手法をご紹介】
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)において注力すべき3つのポイント
CRMの基本構造は、ユーザーが顧客情報を入力し、アプリケーションはそれを成果向上に向けて扱いやすい形で保管・整理する…というものです。
つまり、ただ導入しただけで情報入力もしない、または情報入力をしてもそれを閲覧することをしない…という組織においては効果を発揮しません。
せっかく導入したCRMを宝の持ち腐れにしないために、運用における注意点を以下にまとめます。
(1)LTV(Life Time Value)の最大化(RFM分析)
企業が何らかの施策を始める際、多くの場合「指標」の設定が伴います。
CRMについても同じと考えてください。
CRMを導入することによって具体的に何を目指し、どんな数値を達成したいのかは組織内の全員が常に念頭に置くようにしましょう。
参考まで、CRM導入の究極的な目的はLTV=Life Time Value(顧客1人当たりの生涯における売上げ)を最大化することであると言われます。
またそれを達成するために、RFM分析という手法が使われることがあります。
顧客1人1人について下記3項目を分析し、それを元に各顧客へのアプローチの仕方を変えるというものです。
Recency(最終購入日)
Frequency(購入頻度)
Monetary(累計購入額)
これらを元に設定した一定期間ごとの目標・指標を組織内で共有し、CRM運用の意図を全員が理解しておくことで、運用のモチベーションが高まります。
(2)企業から顧客に対する価値提供の見直し
上記のように指標を決定したり、顧客を分析する時に注意したいのが、企業から顧客に対する価値提供です。
CRMを利用していると、「顧客が自社に対して何をしてくれるのか」という考えに囚われてしまいがちです。
もちろん、それを考えることは大切ですが、同じように大切なのが「自社は顧客に対してどんな価値を提供できるのか」という視点です。
前述のとおりCRMを活用することによって「顧客ロイヤルティ」を実現し、自社のファンを1人でも多く作らなければなりません。
例えば「売上げが減ってきたから広告をバラまく」というようなドロナワ的なキャンペーンを打っても、決して顧客の心には響かないでしょう。
CRMを通じ、本当に顧客が求めていることは何であり、それに対して自社はいつ、どんな価値を提供することができるのか…は常に考えつづけなければなりません。
(3)データの背景まで分析して施策を考える
CRMが伝えるのは結果としてのデータです。
つまりどの顧客がいつ何を購入した、もしくは誰が担当した商談は何回目で成約した…といったデータですが、こうした表面だけを眺めていても成果は上がりません。
必要なのはこれらのデータを元に、その結果に至った背景や動機まで深く分析することです。
CRMを活用すれば、膨大なデータを希望の条件別に抽出したり並べ替えたりすることが難なくできます。
似た事例を横並びに比較するなどの方法でその結果に至った背景を考察し、その背景にこそアプローチすることで、一つの事例を他のケースに活かすことができるようになります。
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)は営業部門との連携が不可欠
ここでちょっと基本に立ち返りますが、CRMを導入する組織についてもポイントがあります。
CRMを利用する組織は企業によって様々ですが、特に営業部門においてCRMをしっかりと活用すべきです。
マーケティング部門や経営部門にだけCRMを導入する…というのも散見されるケースです。
しかしこれではCRMの効果が充分に発揮できなくなる可能性があります。
CRMは過去のデータの分析により次に攻めるべきターゲットを可視化することはできますが、ターゲットに対してアプローチするのは人間です。
そこで営業マンの出番となるわけですが、営業マンはCRMから導き出された顧客の傾向を理解し、どのようにアプローチすべきなのかをよく練って商談に臨むようにしてください。
そして商談を終えた営業マンは顧客の求めることを正確に把握して、実際に会った印象や言葉のニュアンスも含め、正しい顧客情報をCRMに入力すべきです。
こうしたCRMと営業部門との正しい連携が次の商談を成功に導き、高い成果を実現するカギとなるのです。
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)の活用事例
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)について、だいぶ基礎知識が蓄積されてきたのではないでしょうか。 ではここで実践編として、CRMがビジネスの現場においてどのように活用されているのかを3つの例でお伝えしていきます。
アドレサブル広告
「アドレサブル」とはAddress(=指定する)の形容詞であり、マーケティングの世界では「ユーザーを特定する」という意味で使われる言葉です。
アドレサブル広告は主にインターネットを通じた広告の手法で、企業が持っている情報から顧客を特定し、広告を配信する行為を言います。
顧客にとっては自分の興味のある事柄の広告がピンポイントで表示されるため、高い効果が期待できます。
プライベートDMP
プライベートDMPとは、インターネット上に蓄積されている、個人の属性や行動履歴、広告配信などのデータを集約・分析し、マーケティングに活用するプラットフォームを指します。
アドレサブル広告で活用するような企業が独自に所有しているデータと、こうした社外のオープンなデータを併用することで、より確度の高いマーケティングを行なえます。
メールマーケティング
近年ごく一般的に利用されるようになった、メール配信によるマーケティング行為です。
この手法も闇雲に配信するわけではなく、顧客の年齢や性別、興味の対象などのデータを収集した上で、最適な顧客にアプローチするのが定石です。
主に自社ホームページや商品購入ページにダイレクトに誘導する目的で使われます。
CRMの活用事例について、より詳しく知りたい方は下記のコラムをご参照ください。
【CRM活用事例にみる効果的な運用と成功のポイント】
CRMなら『Knowledge Suite』
すでに述べたようにCRMは多くの企業で導入されており、たくさんのメーカーから様々な製品がリリースされています。
いざ導入となると、どれを選べばいいのか…と迷ってしまう導入担当者の方が多いようです。
そこで本稿の締めとしてご紹介したいのが、私たちブルーテック株式会社が提供する企業向けアプリケーション『Knowledge Suite』です。
『Knowledge Suite』はCRMの他、グループウェア、SFA(営業支援システム)の機能がワンセットになった総合ビジネスアプリケーションです。
特にCRMの使い勝手には定評があり、多くのユーザー企業様からお喜びの声をいただいています。
以下、他製品と比較した場合の『Knowledge Suite』の優位性について分かりやすくまとめました。
CRMの導入や乗り換えをお考えの方はぜひご参照ください。
誰でも使いこなせる簡単操作
PCに不慣れな方、これまでビジネスアプリケーションを使ったことがないという方にも必ずお使いいただけるシンプルな画面と操作性が『Knowledge Suite』の特徴です。
誰でも気軽に使えるからこそ、企業への定着力とCRMに集積される情報量が違います。
3つのアプリケーションが使えるオールインワンパッケージ
『Knowledge Suite』ならCRM、グループウェア、SFAという3つのビジネスアプリケーションをワンパッケージでお使いいただけます。
3本を個別に導入するより経済的であり、加えて入力データがアプリケーション間で連携するので、一つの顧客情報を様々な用途で活用できます。
ユーザー数無制限で低コスト運用
市場のほとんどのCRMは「ユーザー1人につき〇〇円」の「ID課金制」を採用しています。そんな中、『Knowledge Suite』は何名でお使いいただいても月額料金は50,000円~で固定です。
たくさんのユーザーでお使いいただく際や、ユーザー数が変動しやすい企業様でもお気軽にお使いいただけます。
顧客管理に最適なクラウドサービス
『Knowledge Suite』はあらゆる機能がインターネットブラウザ上から提供されるクラウドサービスです。
優れた情報共有性や、リアルタイム性、高品質なセキュリティなど、クラウドサービスのメリットをCRMに最大限に活かしています。
携帯端末にも対応
『Knowledge Suite』はPC以外にも、スマートフォンやタブレットなど携帯端末でもご利用いただけます。
いつでもどこでも顧客情報にアクセスでき、また移動中や外出先等でも業務処理が可能で、ビジネスの効率化を実現します。
本稿では「CRM」について、導入や運用に必要な心構えをご紹介しました。
導入したという事実だけで安心してしまい、陥りがちな状況を「指標設定」「価値提供の考察」「背景を含めた分析」などにより打破して、CRMを使った企業成長を実現しましょう。
またCRM導入の際は、利用目的やコストに応じた自社に最適なCRMを選択してください。
その際、『Knowledge Suite』の導入もご検討いただけると幸いです。
『Knowledge Suite』は無料のトライアル版もご提供中です。
トライアル版では「グループウェア」のみがご利用いただけますが、クラウドサービスの持つ特性や『Knowledge Suite』の機能の一端は充分にご体感いただけます。
トライアル版のお申込みは下記の『Knowledge Suite』サービスサイトから。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://bluetec.co.jp/knowledgesuite/service/crm.html
【執筆者】
松岡 禄大朗