CRMの活用方法を徹底解説【事例あり】効果や成功ポイントもご紹介
大手企業か中小企業かに関わらず、セールスにおいて最も重要なポイントの1つが「顧客情報の管理と活用」ではないでしょうか。
特にコロナ禍以降の日本では新規受注が難しくなりました。
既存顧客の掘り起こしをいかに効率的、効果的に行なって収益アップを目指すかに注目が集まっており、顧客管理の重要性は日に日に増していくばかりです。
そんな中、現在「CRM」と呼ばれる種類のビジネスアプリケーションが多くの企業で導入されています。
CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)」の略語です。日本語に訳せば「顧客関係性管理」となり、企業の顧客情報の管理・活用をITの力で効率的かつ効果的に行なうためのものです。
本稿では、現代日本にこそ必要なCRMについて、その基本と活用方法・運用効果をご紹介していきます。
【この記事の目次】
CRMが普及した背景
CRMのように顧客情報を管理する手法は、江戸時代から存在していたとされています。
現代のCRMの基礎となったMIS(Management Information System:経営情報システム)は1960年代に登場しました。
その後もCRMの基礎となるシステムが複数登場しましたが、操作するためには専門技術が必要で、1970年代まではあまり普及しなかったようです。
1980年代になるとワープロが登場し、CRMシステムも広く普及するようになりました。
1990年代に入るとネットの発達により消費者ニーズが多様化し、アメリカで現在の形のCRMが登場。
日本においてはバブル経済が崩壊し、将来の見通しが立たなくなったことで、既存顧客を大切にする風潮が強くなりCRMを使う企業が爆発的に増えました。
その後、SFAの機能やAI技術を搭載したような現代の形のCRMが、マーケティング活動に利用されるようになったのです。
消費者ニーズはさらに個別化される流れがあり、これから事業を存続させていくためには、CRMで顧客ニーズを深く分析していくことが欠かせなくなってきています。
事例で見るCRMの運用効果
CRMを上手に運用できた場合、組織はどのような効果を得ることができるのでしょうか。ここでは実際にCRMの導入で何らかの効果を上げた事例を見ていきましょう。
CRM運用で忘れてはいけないのは、利用者の立場によって目的が異なることです。現場営業マン、マネージャー、経営者でCRMに期待する効果やそれに伴う満足感は当然異なります。
そこで今回は、それぞれ立場が異なる3者のコメントによるCRMの成果をご紹介していきます。各事例を自社に置き換え、自社だったらどのような効果が期待できるかを具体的に想像しながらご覧ください。
業務効率・生産性向上の効果
現場営業マンの声
「スマートフォン対応のCRMを使って、いつでもどこでも顧客情報や商談状況が確認できるようになり、的確で効率的な営業ができるようになった」
「移動中や喫茶店からでも営業報告ができるようになったため、会社に戻る負担がなくなった。またネットワークを介して、日報に対して上長のみならず同じ立場のチームメンバーからもフィードバックをもらうことができ、参考や励みになった」
営業マネージャーの声
「担当変更による顧客・案件の引継ぎ時間が短縮できた」
「会議資料(営業予実)の作成の手間が減った」
「営業プロセス上のボトルネックを把握し、的確な指示出しができるようになった」
「行きやすい顧客ばかりの偏った営業訪問を見直し、最適化できるようになった」
「導入をきっかけに営業プロセスの見直しと営業マン自身の行動に変化が現れた」
CRMの導入以外にできる業務効率化の方法については、次の記事で解説しています。
>業務効率化とは?進め方やアイデア7つ、成功ポイントを詳しく解説
予算達成・売上向上に寄与する効果
現場営業マンの声
「自身の予算進捗が把握できるようになった」
「自身の見込顧客への次の行動にモレなく気付くことで、機会損失を低減できた」
「失敗要因、成功要因を客観的に把握できるようなった」
営業マネージャーの声
「プロセス別・確度別の商談進捗から数か月先の見込数字を把握し、計画が立てやすくなった」
「成功パターン(最適な商談期間、合理的な商談計画、提案内容の質)の傾向をつかみ、成績の悪い営業マンの底上げができた」
「定義したプロセスをCRMの入力規則にしたことで、新たな営業手法を確立できた」
予算達成・売上向上に寄与する効果
経営者の声
「失注理由が体系的に把握でき、商品改善につながった」
「個別化された消費者ニーズを把握でき、より精度の高いマーケティング施策ができるようになった」
「狙った客層にアプローチできるようになり、マーケティング施策のコスト削減につながった」
社内連携・経営への効果
経営者の声
「受注見込予測の正確性とスピードが増し、すぐに対策が打てるようになった」
「顧客の声から市場の動向を踏まえた施策を考えやすくなった」
「時間、場所問わずリアルタイムで受・失注状況、提案状況を把握できるようになった」
CRMツールの活用方法【最新トレンド】
すでに紹介したように、CRMは歴史とともに活用方法が変化しています。
本章では、CRMツールの活用方法の最新トレンドをご紹介します。
競合他社よりもいち早くこれらのトレンドを取り入れることで、マーケティング施策の効果を大幅にアップさせていきましょう。
クラウド化
CRMツールのクラウド化が進んでいます。
クラウド型のCRMツールは、ネット上で会員登録をすることで、低コストですぐに使い始められるのが特徴です。
従来はオンプレミス型と言って、自社サーバー内にシステムを構築する必要があり、運用するためには高額な費用と膨大な時間がかかっていました。
現代ではクラウド型ツールを活用することで、より手軽にCRMを使用できるようになっています。
コスト面がボトルネックとなり、導入を諦めざるを得なかった企業であっても、CRMを導入しやすくなっています。
必要性を実感されている場合には、導入を前向きに検討してみましょう。
音声認識によるデータ化や電話との連携
CRMはテキストベースで情報を管理するツールですが、近年では音声認識時術により活用の幅が広がっています。
特に、コールセンターにおいてCRMが業務効率化に強く貢献しています。
顧客と連絡を取り合う電話やFAXとCRMを、CTI(Computer Telephony Integration)というシステムを使うことで連携可能です。
顧客との会話を音声認識技術でテキスト化してCRMに蓄積し、よりきめ細やかなカスタマーサポートを提供するのです。
スタッフが顧客との会話内容を記録する手間が省け、業務効率が大幅にアップします。
AI技術
IT業界での最新トレンドであるAI技術を取り入れたCRMツールの活用方法も登場しています。
AIが作業を自動的に行ってくれるRPA(Robotic Process Automation)や、簡単な受け答えを自動化できるチャットボットなどとの連携が可能です。
・集客目的のセミナー参加者のデータをCRMに入力する作業をRPAで自動化
・チャットボットの受け答え履歴をCRMで分析して回答の精度をあげる
上記の作業を自動化すると、セミナー会場の人員を削減したり、より柔軟な対応が必要な相談内容にスタッフが集中できたりといったメリットがあります。
Cookie情報とメール配信
インターネット上の行動履歴を追跡するCookie技術と、メール配信システムをCRMと連携することで、1対1のマーケティング施策を効率よく実施できます。
Cookie技術で特定の顧客が日頃、何に興味を持っているのかが明確になります。
そのデータをCRMで分析すれば、似たような属性を持つ顧客層に対して、興味関心がありそうな商品やサービスをメルマガにて訴求できるのです。
ニーズがあることがはっきりと分かった状態でオファーできるため、高い成約率が期待でき、広告宣伝費の削減効果が得られます。
また、RPAツールも併用するとメール配信も自動的に行うこともでき、顧客ニーズの分析さえうまくできればマーケティング施策を自動実行する仕組みづくりが可能です。
Webフォーム
近年ではインターネット上のWebフォームから商品やサービスを購入することが増えています。
Webフォームに入力された顧客データをCRMに反映し、マーケティング施策に活かす手法も広まっています。
オフライン店舗やセミナー参加など他のチャネルから繋がった顧客も含め、顧客データを自動的に一元化できるため情報管理の手間が省けるでしょう。
SNS
SNSで顧客が発信する商品やサービスの口コミ情報をCRMで分析する動きも出てきています。
SNSは個人が自由に発信できる媒体であり、提供会社との利害関係をあまり意識せずに投稿できるため、実際に商品やサービスを利用した人の生の声が聞きやすいのが特徴です。
RPAツールを活用すると、SNSで自社サービスについて言及している投稿を自動的に集め、CRMに転写することも可能です。
情報収集・分析の手間を省きたい場合には、RPAツールも併せて活用すると良いでしょう。
SFA
営業やマーケティングの現場に欠かせない存在となっているSFA(Sales Force Automation)も、CRMと連携するのがおすすめです。
SFAもCRMと同様に顧客データの管理を行いますが、中でも営業活動に関するデータを中心に扱い、営業活動の効率化を目的として使われます。
CRMはマーケティング方面での活用が主になるため、その点に違いがありますが、両者を組み合わせて活用することでデータが一元化され、栄養活動の効率化やより深い分析が可能となります。
SFAとCRMが一体型となったツールも普及しており、1つのツールで完結するため連携の手間もなくコスト面でもメリットが大きいため、導入を検討すると良いでしょう。
また、SFAとCRMの違いについては、次の記事で詳しく解説しています。
>SFA(営業支援ツール)とは?CRM・MAとの違い、選び方を解説
効果的なCRM運用のポイントとは?
ではCRMを導入したとして、上手な運用法とはどのようなものでしょうか?一般的にCRMは、組織が設定した目標、KPIに向けた活動を可視化しやすくすると言われています。
いつどの営業マンがどの顧客にどんなアプローチをしたか…といった活動データを蓄積できる他、それらを数値として分析し、次に打つべき一手を導き出すこともできるのです。
ただ、私たちブルーテック株式会社はこうした実際の運用は、導入そのものに成功してしまえば自然に運用できるものだと考えています。
近年のCRMは扱いやすく、特に『Knowledge Suite』に関して言えば、普段PC業務に慣れていない方、ビジネスソフトウェアに初めて触れる方でもすぐに使いこなせるよう極めてシンプルな使い心地に設定されており、データの入力や活用につまづく可能性は少ないからです。
それよりも重要なのがアプリケーションを組織に確実に定着させることです。組織内で意思統一が図られていないままに導入してしまうと、2〜3か月経過するうちに誰も使わなくなり、やがて忘れ去られてしまう…というケースが意外に多いのです。
こうなってしまうとまさに宝の持ち腐れで、使ってもいないのに月額利用料金ばかりかさんでいくという、最悪の状況に陥ってしまいます。
こういった状況に陥らないように、導入前に下記の3つのポイントを意識するようにしましょう。
現場スタッフの意見を尊重した製品選び
前述のように、すでに市場には様々な種類のCRMがリリースされています。その中でどれを導入するかは試案のしどころでしょう。
多くの場合、経営層や情報システム部門が独断で選択してしまいがちなのですが、実際に毎日利用するのは現場の営業マンたちです。
導入前に必ず現場の意見を聞き、どんなアプリケーションが必要なのか、どのような目的で利用するのか、現状導入を考えているCRMで活用できそうか…などのコンセンサスをとっておくようにしましょう。
まずはスモールスタートで
現場の意見を取り入れて導入したとしても、いきなり全社員にCRMを使わせることはあまりおすすめできません。
導入の作業的ハードルが高くなる上、活用ノウハウがないままに大勢が利用すると疑問や不満が噴出し、それに答えられる人がいない結果混乱をきたしてしまう可能性があるからです。
慎重を期し、まずは1部署、または1チームの限られた人数から導入スタートしてみましょう。そこで必ず自社ならではの便利な使い方や、逆に自社ならではの注意しなければならない点が浮かび上がってくるはずです。
そうして一定期間は知見をため、ノウハウを共有しながら段階的に全社に広めていくのが賢い運用方法と言えます。
入力しやすいシステム作り
CRMは企業ごとにある程度のオリジナルカスタマイズが可能です。せっかくのカスタマイズですから、自社にとって合理的なCRMを形作りたいものですが、ここでよくあるのが、意気込みすぎて毎日ものすごい量のデータを入力しなければならないシステムを作ってしまうことです。
ただでさえ導入初期は慣れないCRMと向き合わなければならないうえ、膨大なデータ入力を課せられては現場スタッフはCRMに拒絶反応を示してしまいます。
前述の「スモールスタート」はカスタマイズにも当てはまります。まずは毎日少しの入力項目…例えばその日の商談の自己評価だけ、などから始めてみましょう。
その自己評価もテキストで文章を書かせるものでなく、A~Eランクを選択肢で選ぶようなものにすると、入力の負担はグッと減ります。上手な運用とは、このようにあくまで現場の目線で運用することなのです。
失敗しないCRM運用には『Knowledge Suite』を
最後になりますが、CRMの導入をお考えの担当者様に私たちブルーテック株式会社が提供する『Knowledge Suite』をご紹介させていただきます。
『Knowledge Suite』は、CRM、SFA(営業支援ツール)、グループウェアの3大アプリケーションが1つになった総合ビジネスアプリケーションで、各アプリケーションの連携がそれぞれをより効果的に機能させます。
『Knowledge Suite』CRMならではの運用のしやすさには下記のようなポイントがあります。
簡単・シンプルで誰でもすぐ使える
『Knowledge Suite』は、PCの作業に不慣れな方でも必ず使いこなせるシンプルな設計です。
操作方法や画面構成が直観的で分かりやすく、ほとんどの方はマニュアルを読まなくともお使いいただけます。つまり導入・定着しやすいCRMであると言えるでしょう。
3つのアプリケーションがワンセットに
「SFA」「CRM」「グループウェア」の3大ビジネスアプリケーションがワンパッケージでご利用いただけるのが『Knowledge Suite』の強みです。
1本分の利用料で3本使えるコストパフォーマンスはもちろんありますが、入力データが各アプリケーションで連携している事も使いやすさにつながっています。
低価格・ユーザー数無制限
一般的に、ビジネスアプリケーションは「ユーザー1名につき〇円/月」といった、「ID課金制」の料金体系を採用しています。
一方『Knowledge Suite』は、何名でお使いいただいても月額料金50,000円/月~で固定。スモールスタートを経て、徐々に利用人数を増やしても、月額料金は変わりません。
クラウドサービスならではのメリット
『Knowledge Suite』は全機能がインターネットを通じブラウザ上で提供される、いわゆる「クラウドサービス」です。
PCにソフトウェアをインストールする手間がなく、どんな場所でも情報がリアルタイムで共有されるというクラウドのメリットを、存分に享受していただくことができます。
スマートフォン/タブレットにも対応
『Knowledge Suite』はPCだけでなくスマートフォンやタブレットにも対応。携帯型端末でも、PCとほとんど同じパフォーマンスで快適にお使いいただけます。
移動中や外出先でも業務をこなしたり、情報を閲覧・交換することが可能です。
まとめ
本稿ではCRMの基礎知識と導入の効果を、実際の利用者の声を交えながらご紹介してきました。コロナ禍以降ますます注目されるCRMですが、事前にその効果や運用のコツを知っているのと知らないのとでは導入後の成果が大きく変わってきます。
本稿を参考に、導入や製品選びはぜひ慎重かつ着実にされることをおすすめします。その際はぜひ『Knowledge Suite』のご利用もご検討いただけると幸いです。
『Knowledge Suite』は無料トライアル版のご用意もあります。トライアル版では「グループウェア」のみがご利用いただけますが、操作感、クラウドサービスの魅力はこのトライアル版で充分ご体感可能です。
トライアル版のお申込みは下記の『Knowledge Suite』サービスサイトから。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://bluetec.co.jp/knowledgesuite/service/crm.html
【執筆者】
松岡 禄大朗