CRMの失敗事例10選 失敗する原因や対策も紹介
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「CRMを導入したいけれど、失敗しないか不安…」
「どのような対策をすれば、失敗を避けられるのだろう?」
そんなお悩みをお持ちの方々に向けて、CRM導入でよくある失敗の原因やその対策方法、さらにツール選びのポイントを解説します。
顧客管理がますます重要になる現代、CRMは顧客のニーズに応え、効率的な営業・マーケティングを実現するためのツールです。
CRMをうまく活用することで、既存顧客との関係を強化し、リピーターを育成して顧客のライフタイムバリュー(LTV)を向上させることができます。また、リピーターのデータを活用することで、新規顧客獲得の効率化も可能です。
本記事では、CRM導入のために事前準備がいかに重要であるかを解説し、失敗を防ぐために押さえておくべきポイントを紹介します。
CRM導入に向けての正しい知識を学び、効果的に活用していくための参考にしていただければ幸いです。
【この記事の目次】
そもそもCRMとは
CRMは顧客との関係性を管理するツールで、マーケティングや営業活動の効率化を図るために使われます。
ニーズが多様化している現代では、個別のニーズに対応することが大切ですが、新規顧客の獲得に対して個別のニーズに対応していてはコストが膨大になってしまいます。
そのため、CRMを活用して既存顧客との関係性を見直し、最適化することでリピーターとして育成しLTVを向上させていく取り組みが広がっているのです。
また、リピーターの創出に成功した後は、その顧客が持っている属性を抜き出し、新規顧客獲得に生かしていくと効率よく自社サービスにマッチする顧客層にアプローチできます。
新規客獲得コストの軽減やリピーター獲得をしていきたい場合には、CRMの導入を検討してみてください。
また、CRMと似たツールとしてSFAやMAが挙げられます。「ツールの導入を検討しているけれども、どのツールが良いかわからない」という場合には、以下記事にてそれぞれの違いを確認してみてください。
CRMの導入において失敗する3つの原因
CRMは業務効率アップに役立つツールではありますが、導入しさえすれば業務効率が上がる魔法の道具ではありません。事前準備を適切に行なった上で、計画的に導入していく必要があります。
本項ではCRMの導入においてよくある失敗原因3つをご紹介します。成功方法は無限にありますが、失敗の数は限られています。
まずは失敗例を避けられるように、ありがちな原因を一つずつ潰しておきましょう。
導入目的が曖昧で活用が進まない
導入前には目的を明確にかつ具体的に定めておきましょう。
目的が明らかでないと「CRMをしっかり活用していこう」というモチベーションが湧かないですし、本当に導入が必要かどうかの判断もできないからです。
例えば、営業活動の効率化を目指したいという時でも、近い顧客はまとめて訪問するといった、移動の動線を最適化するだけで解決できるケースもあります。目的を明らかにし、CRMの導入でどの業務がどうやってどの程度、効率化できるのかを確認しておくと良いでしょう。
また、導入目的を明確にしたら、CRMを活用する人全員に周知してください。経営層がトップダウンの判断でCRMを導入した結果、その意図が現場社員に伝わっておらず誰もCRMを使わないという事態が起きている企業も多いからです。
効果測定の指標が設定されていない
CRMを導入した後にどの程度の効果があったのかを測定する指標(KPI・KGI)を設定しておきましょう。
CRMの導入直後は入力しなければいけないデータが多く、今までの業務と並行してCRMへのデータ入力作業を行うことになります。現場社員は仕事が増えているのですから、明確な効果を実感できなければ不満を抱えるのは当然です。
経営層・管理者としても、効果のないツールに毎月費用をかけるのは望ましくありません。
導入前に目的と合わせて数値目標も定めて周知しておき、適宜、数値の変化によって効果測定を行うようにしましょう。
無駄なコストカット・社員の不満の防止のためにも、明確な数値目標を周知しておくようにしてください。
浸透しやすさを考慮していない
すでに述べていますが、CRMを導入しても現場社員が使ってくれなければ意味がありません。使ってもらうためには、導入目的や数値目標を明らかにするだけでなく、ツールの使いやすさも非常に大切な要素です。
現場社員は通常業務に加えてCRMの入力作業を行います。普段の業務だけでも大変に感じている場合には、業務効率アップのためとは言え、CRMの作業もかなり負担を感じるはずです。
さらにITツールを扱うことに慣れていない人にとっては、さらに負担が大きいです。現場社員のITリテラシーに合わせたツールの選定を意識しましょう。
CRMの導入前によくある失敗事例
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CRMツールの導入は、業務効率化や顧客満足度向上を目指す上で重要ですが、導入に失敗するケースも数多く見られます。
主な失敗の原因は「導入前の準備不足による失敗」と「導入後の運用上の失敗」に大別されます。
ここでは、CRMツール導入前に陥りがちな失敗事例を5つご紹介します。
CRM導入の目的が不明確
CRMを導入しても、社員間で「なぜ導入したのか」という目的や意図が共有されていないことが原因で、期待する効果が得られないケースは多くあります。導入の目的が曖昧なままだと、効果を実感できず、一部の詳しい担当者に任せっきりになることもあります。CRMは、主にマーケティングや営業部門で活用されることが多いものの、それだけでは顧客満足度の向上や売上拡大といった目標を達成するのは難しいでしょう。
CRMの導入目的や価値を全社で共有し、全社員が一体となって取り組める体制を整えることが、導入効果を最大化するためには不可欠です。
他のCRMとの比較が不十分
CRMツール導入前のよくある失敗の一つに、他のツールと比較せずに選んでしまうケースがあります。評判や人気だけでCRMツールを決定すると、自社の業務プロセスやニーズに合わず、ムダなコストがかかるリスクもあります。失敗を避けるためには、まず自社の目標やニーズを明確にし、それに合ったCRMツールを複数候補として挙げて比較することが重要です。
候補ツールについては、デモやトライアル版を通じて、実際の使いやすさや機能を確かめておくと良いでしょう。事前の準備をしっかり行うことで、最適なCRMツールを選択し、導入の成功率を高めることができるでしょう。
自社のニーズに合わないCRMを導入する
自社のニーズに合わないCRMツールを選んでしまうと、業務プロセスに混乱が生じ、かえって効率が低下する恐れがあります。適切なツールを選ぶためには、まず現行の業務プロセスを詳細に分析し、CRMツールが具体的にどのように活用されるかを理解することが重要です。
また、ベンダーと十分にコミュニケーションをとり、自社の要件に対応できるかを事前に確認しておくことも必要です。
CRMの利点が現場に伝わっていない
CRMツールの導入が上層部の決定で進められることが多い中、現場の従業員が変化に対して拒否反応を示すケースも少なくありません。そのため、導入が現場の業務や成果にどう役立つのかを具体的に伝えることが欠かせません。業務プロセスの改善や効率化、顧客満足度の向上といったメリットをわかりやすく示し、従業員の関心を引きましょう。
また、従業員の意見や要望を事前に収集し、導入プロジェクトに参加してもらうことで、主体的な関与を促すことができます。これにより、従業員の理解と協力が得られ、CRM導入の成功率も高まります。
CRM導入が手段でなく目的となっている
CRMツールを「導入しなければ」という意識が強くなりすぎると、本来の目的である業務改善や顧客対応の向上が見落とされてしまうことがあります。
CRMはあくまで目標達成を支えるためのサポートツールであり、導入自体を目的にしてはいけません。具体的な業務課題や顧客ニーズに応じた解決策としてCRMを導入することで、プロジェクトはより効果的に進みます。CRM導入の目的を明確にし、会社全体のビジョンに結び付けることで、導入が成功しやすくなり、失敗のリスクも軽減されるでしょう。
CRMの導入後によくある失敗事例
CRMを導入したものの、うまく活用できなかった失敗事例を5つご紹介します。
目的が共有されておらず誰も使わない
システム担当者が営業やマーケティングの効率アップのために導入したにも関わらず、現場社員がほとんど使っていない状態に陥るケースです。
このケースでは現場社員に話を聞くと、導入する目的が浸透していないのが原因です。
現場社員は、通常業務をこなしながら効果があるのかよくわからないツールへのデータ入力をしなければいけません。導入する価値を充分に感じられなければ、なかなか意欲を持って活用することはないでしょう。
導入の決定やツールの選定についても、現場社員の意見を反映させるとリスクを減らせます。
導入効果を客観的なデータで提示できず不満が出ている
CRMはマーケティング部や営業部での活用が主になります。ただ顧客の行動全てをデータ化するためには、他部署の社員にも入力をお願いすることになるでしょう。
この際に、数値目標がなく営業部やマーケティング部が「業務効率が上がった」といくら言っていても、他部署の社員は仕事が増えただけで、効果を実感できないという状態に陥りかねません。
実際に成果が上がっており、業績にプラスの影響があったとしても、他部署の社員が不満を募らせていては長期的な運用に響いてくるでしょう。
営業部門やマーケティング部門の社員が効果を体感していることも大切ですが、それを客観的なデータとして他部署にも提示できるようにしておくことも意識しておきましょう。
管理者や入力規則が決まっていない
CRMを責任を持って管理する人や、データ入力の際のルールが決まっておらず、社員が異動した際などに運用体制が崩れてしまうケースです。
まず管理者をおくことで責任が生じ、CRMの導入を成功させようという動きが生まれます。また、管理者が中心となってデータ入力のルールやデータ分析のノウハウを蓄積していくことで、安定的な運用が可能になります。
データ入力のルールについては、特に数字の全角半角などは統一するようにしましょう。ツールの仕組み上、全角と半角で別れていると同じ言葉として認識できないケースがあり、データの分析に支障が出てしまうからです。
現状の社員で運用できる体制がある程度定まったら、人員の入れ替わりに備えてマニュアルやルールを整備しておくことをおすすめします。
データが膨大で本質的な課題が見えにくい
CRMには多くの機能が備わっていますが、すべての機能を使おうとするとかえって煩雑になり、重要な課題が見えにくくなることがあります。特に、改善したいポイントが明確でないままデータを眺めているだけでは、時間を浪費してしまう可能性が高くなります。
効果的に活用するには、まず改善したい部分を明確にし、それに必要な機能だけを使うことが大切です。データ分析も目的に合わせた範囲に絞り、本質的な課題に集中することで、効率的な改善が期待できます。
ツールの機能を十分に活用できていない
CRMツールの機能を十分に使いこなせないままだと、事業全体での活用が進まず、必要なデータや数値も把握しにくくなります。
また、特定の人に作業が集中し、導入前よりも業務負担が増えてしまうケースもあります。こうした状況を避けるためには、CRMの使い方をしっかりと全員が理解し、誰でも簡単に操作できるようにすることが大切です。使い方を説明する研修やマニュアルを用意するなど、CRMツールが全員にとって使いやすくなるように工夫していきましょう。
CRMの導入を成功させる4つのポイント
CRMを現場に浸透させ、業務効率アップなどの目的達成を目指すために大切な4つのポイントをご紹介します。
CRM導入の目的や効果測定指標を明確にして周知する
CRMの導入の目的や効果測定指標は必ず明確にしておきましょう。
事前に決めておかなければ、CRMの導入自体が目的となってしまい、実際の業務がただ煩雑になっただけで効率も何も変わっていないといった事態に陥ってしまうからです。
基本的なことだからこそ抜け漏れなく、確実に行うことが大切です。
また、掲示物や社内報などで周知するのも良いですが、なるべく対面で伝える方が自分事として捉えてもらいやすくなるのでおすすめです。
現場社員がCRM担当者になりツール選びも行う
実際にCRMを使うことになる現場の社員がCRM担当者として、導入目的の設定やツールの選定を行うのがおすすめです。
経営層などが「効率アップのためにCRMが大切だ」と感じて導入を決めたとしても、現場社員はなかなか実感が持てないものです。
導入したい旨を現場社員に伝え、CRMが実際の業務にどう役立てられるのかを説明した上で、導入の事前準備から参加してもらいましょう。
そうすることでCRMの導入が自分事になり、意欲を持って取り組んでもらいやすくなります。また、現場の他社員からの信頼が厚い人を担当者にすることで、その熱量が現場全体に伝わって、社員一丸となって取り組んでもらえるでしょう。
無料トライアルで使用感を確かめる
どれだけリサーチを徹底して複数のツールを比較検討したとしても、実際の使用感は使ってみるまでわからないものです。
「使いやすいツールです」と説明されていたとしても、実際に使ってみて現場社員がそう感じるかどうかはまた別問題です。
そのため、無料トライアルを活用して実際の操作は本当に簡単なのか、データの処理がスムーズに進むのか、などを使いながら体感していきましょう。
現場の社員もいきなり導入を伝えられて使い始めるよりも、「実際にどんな感じなのか感想が聞きたい」と言ってもらえる方が自身の意見が大切にされていると実感でき、抵抗感なく取り組んでくれる可能性が高いです。
無料トライアルであれば費用面でのリスクは全くありませんので、ぜひ活用していきましょう。
スモールスタートやスケールに対応したツールを選ぶ
多くのCRMツールは利用する人数によって利用料金が決まります。そのため、社内に浸透させるため最初はスモールスタートし、徐々に範囲を広げていくことが無理なくできる費用感のツールを選ぶことが大切です。
例えば、1人あたりの利用料金が高く、最初は良いがスケールしていくにつれて費用が負担になっていく場合には長期的な運用は難しいでしょう。
反対に小規模利用の料金プランがないケースでは、スモールスタートの時期であっても、多額のコストがかかってしまいます。
小さく始める時でもある程度の規模感で利用する時でも、コストパフォーマンス高く扱えるツールを選ぶと低リスクでCRMの導入を進めていけます。
CRMなら『Knowledge Suite』
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『Knowledge Suite』は使いやすさ、社内での浸透しやすさに重きを置いているCRMツールです。
7,500社以上の企業に対し導入サポートをしてきた結果、そのほかのツールを導入する際に社内に浸透せず困っているという状況を多く見てきました。
そして『Knowledge Suite』を利用した企業からは、使いやすく説明書も不要だったとの声をたくさんいただいています。だからこそ、使いやすさや浸透しやすさには自信を持っています。
また料金プランも利用人数に限らず月額5万円なので、スモールスタート時もスケール時もリスクを最小限に抑えた利用が可能です。
無料トライアルも実施しておりますので、実際の使用感を確かめた上で導入を検討していただければ幸いです。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite
まとめ
CRMの導入失敗では、導入目的の周知がなされていなかったり、ツールの機能に気を取られて使いやすさを考慮していなかったりするケースが大半です。
現場社員に長く使い続けてもらうことが何よりも大切です。だからこそ、現場社員にも導入準備の段階から関わってもらい、現場が納得する導入目的を立案し、現場社員を引っ張っていけるようにしていきましょう。
『Knowledge Suite』はツールの使いやすさ・コストパフォーマンスの高さだけでなく、導入までのサポートにも定評があります。
SFAやグループウェアの機能も備えており、ビジネスシーンで利用するツールを一元化することも可能です。
「ツールが増えすぎて管理が難しくなってきた」というお悩みがある場合の利用もおすすめです。まずは無料資料請求や無料トライアルから『Knowledge Suite』への理解を深めていただければ幸いです。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite
【執筆者】
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松岡 禄大朗
ブルーテック株式会社・デマンドジェネレーション部所属。
前職のWEB広告代理店で広告運用やアクセス解析を担当。
WEBマーケティング知識を活かして、現在はコンテンツマーケティングに携わり数多くの記事を執筆。
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