CRMとは?機能・メリットやツールの選び方も紹介
CRMは「Customer Relationship Management」)の略で「顧客関係管理」を意味し、顧客情報の管理・分析を通じて良好な顧客関係構築に繋げることを指します。
顧客情報を最大限に活用することでビジネスの成果を向上させるというこのツールについて、本稿ではその言葉の意味から存在意義、導入のメリット・デメリットなどなど、基礎知識を網羅してお届けします。
2020年、世界を襲ったコロナ禍によって業務の効率化・生産性向上が求められる今、すべてのビジネスパーソンがCRMが持つ力を理解しておくべきでしょう。
この記事で分かること
・CRMとは、顧客満足度の改善を目的に、顧客にまつわる情報を一元管理する取り組みやそういった施策を実施できるITソリューションを指す。
・CRMの機能には、主に顧客情報管理、問合せ情報管理、メール配信がある。
・CRM導入の上で大切なのは、機能やコストのバランス検討、事前の社内準備、導入後の効果検証。
【この記事の目次】
「CRM」とは?
CRMとは、受注率や顧客満足度の改善を目的に、「企業と顧客との関係性」や「顧客とのコミュニケーションの履歴」といった情報を一元的に管理・分析する取り組みや考え方を指します。また、単にそういった施策を実施できるPCツールやシステムといったITソリューションを総称してCRMと呼ぶ場合もあります。
CRMが登場した経緯
CRMが登場した経緯として、以下のような点が挙げられます。
・顧客ニーズの変化
経済成長により市場競争が激化したことで「コモディティ化※」が進み、製品ごとの差別化が困難になりました。そこで競争力を高めるためにも、顧客の表面的なニーズだけでなく、さらに深い潜在的ニーズまで見抜く必要性が出てきたのです。そうした理由から顧客にまつわる情報をしっかりと管理分析できる「CRM」が求められました。
・情報収集行動の変化
情報技術の発達により消費者が自ら情報を取得できるようになったことも理由の一つです。テレビやラジオ、紙媒体から一方的な情報発信を受ける時代は移り変わり、パソコンやスマートフォンを活用して自ら情報収集を行い、製品の比較検討も容易にできるようになりました。
そんな状況の中で自社製品を選んでもらうためには、より顧客視点に寄り添う必要性が出てきたこともCRMが必要となった理由と言えるでしょう。
※コモディティ化とは、かつては高付加価値の製品として認識されていたものが市場競争により機能や品質面における差別化ができなくなること。そのため企業は価格による差別化を図るしかなく、熾烈な価格競争が行われる。
「CRM」と「SFA」・「MA」との違いとは?
CRMと同様にビジネスにおいて使用される業務用ツールとして「SFA」と「MA」があります。
これらのツールは混同されることも多く、実際どういうところが違うのか分からないという人も多いでしょう。
実はこれら3つのツールは顧客情報を蓄積し、管理するという点においてはどれも変わりません。
では、どういった点で異なるのかをそれぞれ解説していきます。
CRM:顧客情報の管理を重視する
CRMは先ほども述べた通り、受注率や顧客満足度の改善を目的に、顧客に関する情報を管理すること自体を重視しています。そのため顧客情報の蓄積や分析に特化しており、自社の既存客や見込み客に対して最適なアクションをするための土台作りを可能とします。
MA:マーケティング活動を自動化する
MAとは、Markething Automationの略で、見込み顧客の購買意欲を向上させ商談へと進めていく一連のマーケティング活動の自動化、効率化を目的にしています。MAを使用すると、例えば製品資料をダウンロードした見込み顧客に対して、どのタイミングで、どのような内容のメールやアプロ―チをかけるのかといった業務を自動で行ってくれるようになります。
SFA:営業活動の管理を重視する
SFAとは、Sales Force Automationの略で、営業活動の効率化を目的としたツールです。日々の営業活動よって得られた情報をデータ化することで、営業に関わる情報を全て可視化し、管理することを重視しています。SFAによって、商談状況なども社内で共有管理し、今まで営業担当者が個別に管理していた情報なども共有できるようになるため、営業の属人化など防げます。
CRMツールの機能
「顧客管理」「顧客関係性管理」といった業務は、昔から存在していました。かつてはこれらがデジタルではなく、手帳やファイルを使ったアナログ業務として行われていたわけです。
日本では江戸時代から商家には「大福帳」と呼ばれる帳簿が必ずありました。店の設立から現在までのお客様との取引が事細かに記録されており、それを元に収益の計算やお得意さんへの営業が行なわれ、まさにCRMの原型といえるものかもしれません。
時は変わって令和の今、顧客管理はデジタルデータを通じて行われます。CRMを使った顧客管理では、デジタルのメリットがふんだんに用いられています。ここで、デジタルで行なう顧客管理にはどのような利点があるのか、具体的に見てみましょう。
製品によって搭載している機能は異なりますので、ここでは私たちブルーテック株式会社が提供するCRM『Knowledge Suite』を例にデジタル顧客管理の有用性の一例をご紹介していきます。
CRMツールの主な機能
《名刺管理》
顧客から受け取った名刺をスマホやスキャナーでデジタルデータ化します。テキストとして一覧表にすることも画像として蓄積することも可能で、入力の手間を省く他、紙の名刺と比べて検索性を各段にアップさせます。
GRIDY 名刺CRM
《顧客管理》
顧客の氏名、企業名、所属部署、過去の取引記録や商談進捗などをデータとして管理する機能です。入力したデータはネットワークを通じてチーム内にリアルタイムで共有され、組織の知見として蓄積されていきます。またこれらのデータを流用することで日報の作成や営業成果の分析などもスムーズに行なうことができます。
GRIDY SFA
《メール配信》
顧客名簿と連動して、全員または特定の条件に該当する顧客だけにメールを配信できる。記載URLのクリック率なども調査可能。
GRIDY メールビーコン
《アンケート管理》
Webアンケートの制作、集計。回答を他の顧客データと連動させて利用することなども可能。
GRIDY リードフォーム
そもそもコンピュータは大量のデータを記録・整理する作業が得意です。顧客の膨大なデータを管理する業務となるCRMとは相性がよく、デジタル化が進んできたことも必然と言えるでしょう。おかげでCRMにおいて人間の作業負担は大幅に軽減され、時短や精度の高い分析が約束されています。
ただし、マーケティング活動においてCRMツールのパフォーマンスを最大限に発揮するためには、社員みんなの「共用」が必要です。多くのデータが漏れなく更新・蓄積され、それをみんなで理解することで、良質な戦略を導き出すことができるのです。
ここでキーとなるのが、そのツールが社員間に定着する力をどれだけ持つか、という「定着力」です。私たちブルーテック株式会社が提供する『Knowledge Suite』は強い定着力をコンセプトに開発されました。
PCでの業務に慣れていない方でも直観的に理解できる画面構成、クラウドをベースとした情報更新のリアルタイム性、スマートフォンでも利用可能なモバイル性、企業に負担をかけない低コスト…と、定着のための工夫が随所に盛り込まれています。
現代のビジネスにおいて必需品ともいえるCRM。『Knowledge Suite』ならすぐに、簡単に導入することができます。
CRMツール導入のメリット・デメリット
CRMを導入するメリット
せっかくのCRM導入を失敗に終わらせないよう、そのメリットとデメリットについてしっかりと知っておきましょう。
まずメリットについて、主に下記の3点が挙げられます。
組織内で情報共有できる
CRMを導入すると、1人1人の営業担当者が持つ情報や体験が、ネットワークで組織内に共有されます。
どのような業種の企業にどのようなアプローチをしたら成約した…といった成功体験は、他のメンバーにも必ずや参考になるはずです
みんなの情報を集積することで、成約しやすい業種や地域をあぶりだすことができるかもしれません。
顧客情報を蓄積し、顧客分析に繋げる
1件1件の顧客の個性や反応までも記録していくことがCRMの真髄と言えます。
その顧客が今何を考え、何を求めているのか。自社の製品にどの程度興味を持っているのか。何を不満に思っているのか。
そうしたステータスに基づいて行動すれば、あらゆる顧客に最適なタイミング、最適な形のアプローチができるようになります。
営業担当の行動履歴から、アプローチ分析に繋げる
営業担当者が各顧客にどのようなアプローチをしてきたのか、CRMに蓄積されたデータを利用することで、PDCAを効率的に回転させることができます。
上記(1)(2)のようなデータ活用も含め、各営業マンの知見をナレッジとして共有すれば、各顧客へのアプローチの最適解を導き出すことができ、無駄な行動を排除することができます。
逆に、CRMを導入することによって陥りがちなデメリットについても見ておきましょう。
主に下記3点のようなものが挙げられます。
CRM導入のデメリット
金銭的コストがかかる
当然ですがCRMの導入・運用には金銭的コストが発生します。
一般的にユーザー1名につき〇〇円/月といった料金体系で、利用人数が増えるほどコストは増大し、高機能なCRMを選べばコストはさらに増大します。
しかし特に初めてのCRM導入であれば、いきなり高機能なものを導入することはおすすめできません。
利用者も少人数からスタートする方が安全・確実と言えますので、金銭的コストは選択次第で削減することもできるのがポイントです。
データ蓄積・移行を行う必要がある
CRMは導入した瞬間から最大限に使いこなせるというわけではありません。
一定量の顧客データが蓄積されることでCRMはやっとその真価を発揮することができます。
既存の顧客データもCRMに取り込む必要があり、こうした人的・時間的コストはどうしても発生してしまいますが、情報が蓄積できればコストを補って余りあるメリットを享受できるはずです。
効果が出るまでにタイムラグがある
(2)で述べたように、CRMは一定量のデータが蓄積されてやっと効果が発揮できるものです。
蓄積されたデータを分析し、アプローチの仕方を見直しながらも、成約数が伸びたり顧客満足度が上昇したりといった効果が出るまでにはしばしのタイムラグがあります。
しかし、そうした産みの苦しみを経て形作られたメソッドは強力であり、それ以降の営業活動をぐっと楽に、効果的にしてくれることも忘れてはいけません。
CRMのメリット、デメリットを理解したところで、実際のCRM導入失敗例もご紹介しておきます。
先人の失敗から学び、自社に活かすことを心がけましょう。
~CRM導入成功のポイント~
(1)スモールスタートを心がける
私たちブルーテック株式会社は、長年にわたり様々なお客様の業務と向き合いながらCRMを研究し、提供してきました。その私たちがお伝えしたいのは、導入成功に向けて最も重要なのはスタートラインだということです。導入初期にどう運用するか、またその直前にどのような準備をするかによって導入の成否は大きく変わってきます。
とりわけ「スモールスタートの原則」を重視すべきだと考えています。
導入初期、企業の導入担当者の方はどうしても「あれも、これも…」といきなりすべての機能を使いこなそうとしてしまいます。
確かにCRMには様々な機能が搭載されています。しかし、そのすべてを最初から使う必要はないのです。現場のユーザーの皆さんからすれば、身の回りの業務すべてをいきなり未知のツールに切り替える事には、かなりの物理的・心理的ハードルがあります。結果、誰も使わなくなってしまっては元も子もありません。
例えば、最初はExcelで行なっていたある一部の業務をCRMに置き換えるところから始めるのもよいでしょう。まずはCRMに触れ、理解し、慣れるところから始めるのが肝心です。やがて使い慣れてきたらCRMで処理する業務を少しずつ増やしていけば、業務移行によるユーザー側の負担はかなり軽いもので済みます。
また、利用人数についても小規模から始めることをおすすめしています。CRMを導入することが決まっても、鼻息荒くいきなり全社員に利用を強制することも決して得策ではありません。
最初は1つの部署、あるいは1つのチーム、さらにはたった1人の社員からでもかまいません。なるべく小さい規模からCRMを導入しましょう。
いきなりCRMの運用が完璧に行なえる企業は少ないものです。もし運用の仕方にミスがあった場合、いきなり大勢が使っているとダメージも大きくなってしまいます。
テストケースとして少人数から運用をスタートし、自社の業務や文化と照らし合わせて、どのような使い方がフィットするのかを検証してみましょう。それによって業務がスムーズに回転するようになれば、やがて利用人数を増やしていけばいいわけです。
CRM導入の道は「急がば回れ」です。決して欲張らず様々な面でコンパクトに始め、少しずつ拡大していくことで必ずや成功をつかみとることができるでしょう。
(2)入力しやすいツール作りを
「スモールスタートの原則」は、個々の業務内容にも言えることです。前述の失敗例の部分でも述べましたが、導入部署のトップの方はとかくCRMによる提出・報告を最初から多くしてしまいがちです。特に導入初期、アプリケーションの操作もままならない段階の現場の方々にとって、たくさんの提出物は厄介ごとに過ぎないのです。CRMを使った提出物は、最初はなるべくその数を制限するようにしておきましょう。
ユーザー側がCRMの扱いに慣れてくれば、少し提出物が増えたからといって投げ出してしまうことはありません。
また、提出物の内容についても工夫が必要です。例えば営業報告書ですが、テキスト入力で何十項目にわたり商談の内容をダラダラと書かせるようなものはユーザー離れの原因になります。
『Knowledge Suite』を含む多くのCRMは提出物の記入テンプレートを自由に作成することができ、書かせる項目数や入力形式を調整可能です。最初は少ない項目数で、そしてなるべくテキストではなく、チェックボックスやプルダウンを使った「選択式」で入力できるようなものにするのがよいでしょう。例えば、顧客の居住エリアは都道府県の選択式にできますし、商談成立の確度もA~Eの5段階で設定する形にしてもよいかもしれません。
この選択式の導入は、実は記入者の文章センスに依ることなく、全員の報告書をフラットな視点で見ることができるという管理者側のメリットもあります。
とにかく、入力者側の入力時間は最初は1分1秒でも短くできるよう工夫することが大切です。誰もみな、慣れない作業は敬遠するものであると心得ましょう。
(3)利用者の意見をしっかり聞く
ここまでお読みいただければお分かりのとおり、ほとんどの場合、導入失敗の原因は導入担当者と現場との温度差にあります。
導入を決定する社長や部門長、情報システム担当者は導入にあたり、何としても結果を出したいと息巻いて、いきなりCRMの全機能をフル活用しようとしてしまうのです。
一方で現場の業務とはとかく保守的なものです。普段PCでの業務が少ない業種であれば特に、今まで手作業でやってきた業務をいきなりPCアプリケーションに切り替えるということは抵抗があって当たり前なのです。
この両者の心理的乖離が悪く作用してしまうと、いきなり大量の業務をCRMでやらされることになった現場が困惑し、入力頻度が下がり、やがて誰も使わなくなってしまいます。
CRM導入の決定権を持つ方は、導入前に必ず現場の社員達に綿密なヒアリングをすべきでしょう。今、どんな事で困っているのか? 会社のどんな仕組みがボトルネックになっているのか? PCに切り替えてもいいと思う業務は何か?…などなど、毎日の利用者はあくまで現場の社員たちであることを念頭に置いて、現場目線での導入が必要です。
CRM導入のメリット・デメリットについてより詳しい情報は下記ページをご参照ください。
CRM(顧客管理システム)導入のメリット・デメリットは?
CRMツール選定のポイント
CRMツールが最大の効果を発揮するには、自社の特色や抱える課題に適したツールを選ぶ必要があります。
具体的な選定ポイントを以下の3つに分けてそれぞれ紹介します。
・機能
・サポート体制
・提供形態
機能
CRMツールの選定には、機能と予算のチェックが欠かせません。機能が豊富な製品は高額な傾向があるため、自社に必要な機能を見極め、コストと機能のバランスを見極めて優先順位をつけることが大切です。
その際、自社が解決したい課題をあらかじめ整理しておくことが重要です。
また、見落としがちなポイントとしては連携ツールの数です。
導入を考えているツールが、他にどんなツールと連携をしているのか、自分たちの使っているシステムやツールと連携可能なのかを確認しておきましょう。
体験版やトライアルのように事前に機能や使用感を確認できる機会があれば、導入前に必ず利用してください。
サポート体制
サービス提供社のサポート体制も重要です。
クラウドサービスはサブスクリプション方式を採用している場合が多く、「ツールを契約したら、もう知りません」といった対応を取る企業も中にはいます。
導入前から導入後まできちんとサポートしてくれる会社を選びましょう。
主に担当者のCRMに対する知識量や対応速度、導入事例数などがサポート体制がどれほど整っているかの指標となります。
また、基本的に国内企業はトラブル時の対応が早い傾向がありますが、海外製品は日本語サポートが対応されていなかったり、不十分であることが散見されるので、特に海外サービスを導入する場合はサポート体制をよくチェックしましょう。
提供形態
CRMの提供形態には主にクラウド型とオンプレミス型があります。
オンプレミス型は安全性が高く、コールセンターなどでの利用に向いていますが、導入に時間がかかる上、初期コストもかさみ、自社での長期的なメンテナンスが必要となります。
一方で、クラウド型はすぐに導入でき、初期費用がおさえられますが、カスタマイズ性が低いというデメリットがあります。
手軽さや社外での活用を考慮する場合は、スマホアプリにも対応するクラウド型がおすすめです。
CRM活用のポイント
様々な業務の効率化に有効なCRMも、それを使いこなすのは人であり、使い方次第では思わぬ失敗が待ち構えているかもしれません。
上にご紹介した事例のようにCRMを上手に活用するために、運用に当たって注意すべきポイントをご紹介しておきます。
(1)目標を立てる
無目的にCRMを導入したのでは、導入後に迷走してしまうことは明らかです。
まずは導入する部門の性質や業務内容を考慮し、具体的に何を目指すのか、数値や言葉で具体的に設定しましょう。
また、それをメンバー全員で共有し、意識をひとつにすることも大切です。
(2)計画を立てる
上で立てた目標の実現に向かってどのようなプロセスをたどっていくのか、その中長期的なロードマップを作成します。
組織や商品の特性を活かしながら、CRMをどのような形で活用してステップを重ねていくのか、意識しながら計画を立ててください。
(3)マイルストーンを設定する
上記の計画を元に、月単位や、週単位、日単位といった短期的なマイルストーンも設定しておくと効果的です。
「今日すべきこと」が明確になれば、メンバーのモチベーションも作業効率も向上するでしょう。
(4)評価する
期間中、要所要所でそこまでの成果を評価することも必要です。
そのためには評価の軸となる評価指標も事前に設定しておきましょう。
数値的な評価はもちろんですが、CRMに記録されている商談の内容や顧客とのやりとりなども評価指標に加えるとより適性な評価が可能になります。
CRM導入時の注意点
CRMの導入・運用に伴い、課題となりやすい点とその対応策をご紹介します。
下記のような点を事前に把握し、先手を打っておくことにより、よりスムーズなCRM活用が可能になるはずです。
導入の社内周知を徹底する
CRM導入の際は、その事実および目的をしっかりと社内に周知しましょう。
ITツールの導入実績が少ない現場では、ツールに対する反発があるかもしれません。
何のためにCRMを導入し、それによって社や社員にどのようなメリットがあるのかを、誰もが理解できる言葉で伝えてください。
また事前に経営層、マネージャー層に入念な説明をし、同意を得ておくこともスムーズな社内周知のために有効です。
コスト面をよく検討しておく
当然ながらCRMの導入・運用にはコストがかかります。
予想以上のコストがかかってしまった…、コストに関して社内の許可が得られなかった…、というケースもよくあるので、事前に社内でコンセンサスをとり、また導入サービスにかかる料金は入念に確認するようにしましょう。
サービスをじっくり選ぶ
導入した後に「これでは用が足りなかった」、逆に「機能が多すぎて使いこなせなかった」という事態もよくあります。
CRMにも様々な種類がありますので、機能やコスト、アフターサービスなどの項目をきちんと確認・比較し、自社に過不足のないサービスを選択するようにしましょう。
CRMの導入成功事例
ここで実際にCRMを導入し、業務に活用した企業の代表的な事例を2件ご紹介しておきましょう。
■フィットネスジム経営A社
大手フィットネスジムを経営するA社ではサービス向上の目的でCRMを導入。
顧客情報をCRMで一元管理し、その情報をトレーナー、コールセンター、カウンセラーなど、あらゆる部門で共有することにしました。
それにより体形や体質、課題やリクエストなどをリアルタイムで、詳細に把握することが可能に。
場当たり的な対応ではなく、長期的な観点に基づく多方面からの顧客サポートを実現し、顧客満足度が向上したことからクロスセルやアップセルがスムーズに行なえるようになったと言います。
■衣類製造・販売 B社
衣類の製造販売で知られるB社は、紙で管理していた顧客情報をCRM導入によりデジタル化しました。
各顧客の購買情報から試着の内容、問い合わせの履歴などをCRMで一元管理し、全社からアクセスが可能な状態を実現します。
以降、顧客満足度が大幅に向上。
返品の希望に対しては、顧客データに基づいた的確なアドバイスを行なうことで交換対応に変更する顧客が多くなり、返品率の改善にも大きく役だったそうです。
株式会社東洋レーベル様
株式会社東洋レーベル様は名刺情報の管理を目的に『Knowledge Suite』を導入しました。導入後は、名刺に紐づける形で「見積もり」や「商談確度」といった顧客情報を入力していく業務が習慣化しました。すると、担当者の個人プレーによって行われてきた営業活動に変化が現れました。営業活動に関する情報が共有化されたことで、それぞれおの営業担当者が抱える業務が可視化出来るようになったのです。これにより、営業部内での連帯感の醸成に成功されました。
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株式会社東洋レーベル様
『Knowledge Suite』と『Papattoクラウド』の併用で新時代の営業スタイルを確立
株式会社ほしゆう様
株式会社ほしゆう様は日々の営業活動へのフィードバックや新人教育へと活用するために『Knowledge Suite』を導入しました。当社は商品梱包のためのパッケージ製作を主な事業としており、営業活動には「どんな素材でどんなデザインにするか」といった天性のデザインセンスと顧客ニーズを深く読み取るという、言語化し辛い部分が求められました。そこで後進育成のために、経験・知恵・判断を情報として蓄積し、お客様の趣味趣向を顧客情報として記録することで、言語化し辛い営業ノウハウを継承できる基盤構築を行いました。
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株式会社ほしゆう様
モノづくりの町・燕三条を支えて60余年。包装の知恵とセンスをSFAでつなぐ
フットマーク株式会社様
フットマーク株式会社様はこれまで営業担当者が個別に商談の進捗状況を管理しており、各案件がブラックボックス化していたため、全社レベルで情報を共有し、顧客への迅速で的確な対応を実現するため『Knowledge Suite』を導入しました。各案件の属人化状態が顧客対応の遅れを招いていましたが、顧客情報の蓄積と共有によりお客様対応の品質を全体的に向上させることに成功しています。
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フットマーク株式会社様
商談の進捗状況を全社レベルで共有 顧客への迅速で的確な対応を実現
気をつけたいCRM導入の失敗事例
(1)大量の提出物を義務付けてしまうケース
CRMの導入を決定するのは、多くの場合組織をまとめる立場である方、もしくは情報ツール部門の方です。そうした方々は必要に迫られてツール導入を決定するわけで、何がなんでもCRMによって売上を改善しようと考えます。
それはそれで当然の考えですが、目的に固執するあまり実際に利用する現場の声を無視してしまうケースがあるのです。例えば「営業日報」「顧客訪問記録」「商談内容報告書」「過去1週間の売上げ実績」などなど、CRMを使って数十件にもおよぶ文書の提出を義務付けてしまったり…。
それを強いられる現場の社員たちは、この文書の作成だけで半日を消費してしまって、本来の業務が手につかなくなります。やがて面倒になって、提出を怠る社員も出てくることでしょう。こうなってくると成果も上がらず、利用率も下がり、CRMはとても本領を発揮できません。
(2)入力項目が過剰なケース
(1)は提出物そのものが多いケースですが、こちらは1件1件の入力文書に過剰な手間がかかるケースです。
例えばたった1つの「商談報告書」に、顧客の名前や住所といった各種基本情報、商談の場所・日時などに加え、具体的な所要時間、詳細な会話内容、用いた書類の添付、営業マンの感想や次回に向けた意気込み…といった無数の入力項目を設定してしまうような管理者の方がいます。
これも現場の社員達が完全に「面倒ごと」と感じてしまい、最初はよくても徐々に提出が遅れ、やがて誰も記入しなくなる…というのがよくあるパターンです。すなわちCRMの無駄遣いであり、まったく不要なツールに利用料を払いつづけるというデメリットを負うパターンです。
これらの例をご覧いただければ分かるとおり、導入失敗の原因はCRM利用のハードルを上げてしまっているケースが多いようです。
では逆に、導入を成功させるためにはどんな事に気を付ければよいのかを下記にご案内しておきます。
CRMなら『Knowledge Suite』がオススメの理由
それでは、最後に私たちブルーテック株式会社が提供するCRM『Knowledge Suite』について少しだけお伝えさせていただきます。
『Knowledge Suite』は低コストで誰でも使いやすい総合ビジネスアプリケーションで、CRM(名刺管理+顧客管理)、そしてSFA、グループウェアと、3つのアプリがワンパッケージでご利用いただけます。
以下は『Knowledge Suite』の強みを簡潔にまとめたものです。
・シンプルで快適! ITに慣れてなくても使いやすいシンプルUI。
・名刺管理、案件管理、メール配信、グループウェアの機能が全て連携、これ一つで社内DXが実現。
・圧倒的なコストパフォーマンス、ユーザー数無制限で何人で使ってもたったの月額5万円。
・名刺読込は機械認識の後にオペレーターが目視で補正する為、高精度な読み取り率を実現
トライアル版のお申込みは下記の『Knowledge Suite』サービスサイトから。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
【『Knowledge Suite』サービスサイト】https://bluetec.co.jp/knowledgesuite/service/crm.html
CRMに関するよくある質問
CRMとは何ですか?
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CRMとは、受注率や顧客満足度の改善を目的に、「企業と顧客との関係性」や「顧客とのコミュニケーションの履歴」といった情報を一元的に管理・分析する取り組みや考え方を指します。
また、単にそういった施策を実施できるITソリューションを総称してCRMと呼ぶ場合もあります。
CRMとSFAの違いは何ですか?
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CRMは、商談情報だけでなく、顧客に紐づく情報全てを管理することで、顧客に対してより良いサービスを提供し、顧客満足度を高めることを目的としています。
一方でSFAは、企業が売上高を最大化するために顧客との商談情報を管理し、営業活動を効率化させることを目的としたツールです。
つまり、CRMは顧客との関係強化を目的としたツールであり、SFAは営業活動を効率化することを目的としたツールという違いがあります。
CRMのマーケティングでの活用方法はどんなものがありますか?
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CRMをマーケティングで活用する方法はいくつかありますが、以下はその一例です。
・顧客のセグメンテーション:顧客の属性や購買履歴などの情報に基づいて、顧客区分が作成できる為マーケティングに役立てることができます。
・カスタマージャーニーマップの作成:顧客の購入プロセスや接点履歴を把握できる為、カスタマージャーニーマップの作成ができます。
・顧客とのコミュニケーション改善:顧客とのコミュニケーション履歴が管理できるため、顧客対応の迅速化やサービス改善要望といった情報資産を活かせるようになります。
【執筆者】
松岡 禄大朗