見える化・可視化の違いとは?
起源やメリット、注意点を解説

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業務の属人化とは?

「業務の見える化・可視化が大切だ」という言葉を人生で一度は聞いたことがありますよね。
言葉は聞いたことがあるものの、「見える化」するために具体的に何をどのようにおこなうのかしっかりと説明できる人は意外に少ないと思います。
そこで本稿では、ビジネスにおける「見える化」「可視化」というキーワードに着目して、メリットや進める上での注意点などを解説します。

見える化・可視化の違いとは?

見える化・可視化とは?

見える化・可視化とは、ビジネスにおいて業務がどのような流れで行われているのかをフローチャートや図形等を用いてわかりやすく目に見えるようにすることです。業務プロセスが見えることで問題が発生した際の原因特定が早まり、改善施策をすぐに打てるようになるのです。

また、そもそも「見える化」と「可視化」の意味が少し異なることはご存知でしたか?
どちらも、実際には目に見えないものを見える状態にするという意味では同じですが、「見える化」とは「自らの意思とは関係なく、否応なしに目に入る仕組みを作る」ことを指しています。イマイチ、この違いがピンとこない方も多いと思いますので、より詳しく説明します。例えば、よく昔のドラマなどでこんなグラフを見たことがありませんか?

見える化グラフ

営業マン各人の成績を棒グラフで表したものです。一番成績の良い太刀川さんには花がついています。何にせよ各人の営業成績が一目見て分かるようになっていますよね。これが営業成績を「可視化」するということです。

営業部門について何も知らない人でも、一目見て誰が成果をあげているのか、誰があげていないのか分かるようになっていますが、おそらくこのグラフは営業マン同士の競争意欲をかき立てる意味合いもありますよね。であれば、グラフを営業マンに見てもらわなければ意味がありません。そこで、全員が目にするようオフィスの出入り口などにこのグラフを大きく印刷して掲示すれば、出退勤の際には必ず目にすることになりますし、それでも足りないようであれば定例会議などでこのグラフを見る時間を設けても良いでしょう。これが「見える化」するということです。

少し極端な例だったかもしれませんが、つまり「見える化」とは「可視化」と「目にせざるを得ない仕組み」が合わさって初めて実現される概念ということです。ただ、グラフを作っただけではまだ「見える化」には至っていないということを認識することが大切です。
この部分を理解していないと、実行したはずの「見える化」が実は「可視化」に留まっていたという事象が起こります。そうなると結局意識的にグラフを見ようとする人以外には情報が共有されず、業務の「見える化」は狙った効果を発揮することなく失敗に終わるでしょう。

見える化・可視化の起源や進化

見える化という言葉が、日本を代表する企業「トヨタ自動車」から生まれたことをご存知ですか?実は「見える化」という言葉はトヨタに所属する岡本渉氏が1998年に発表した論文「生産保全活動の実態の見える化」が初出であるとされています。

なんとトヨタではいち早く業務の見える化を実践していたのです。
具体的には、トヨタの生産ラインでは、「アンドン」と呼ばれる生産ラインの異常を知らせるランプを設置していたそうで、ランプが点灯することによって生産ラインに異常が発生していることを知らせ、ランプの色によってどのような種類の異常が発生しているのかを瞬時にわかるようにしていました。この方法が、生産現場における「見える化」の原点になったのです。

「見える化」が注目されてきたのは、この管理手法が生産現場だけではなく、さまざまなビジネスの現場で活用可能だということを著名な経営者や学者が話し始めたことが要因のようです。

そういった流れを受け、近年見える化という考え方が普及し、「アンドン」のようなアナログ的な手法だけでなく、コンピュータを駆使して、様々な業務の見える化を可能とするITサービスが生まれてきているのです。

見える化・可視化のメリット

見える化・可視化のメリット

さて、見える化・可視化がどういったものか大体つかめたところで、これらにあるメリットを3つに分けてより詳しく解説していきます。

業務改善が行いやすくなる

先ほども述べたように業務プロセスが見える化されることで組織における業務上の問題点を早期発見できるようになるため、業務効率が改善されます。また、問題点の改善だけでなく、業務の進捗が遅れている社員がいれば、他の社員がすぐにカバーすることもできるようになるため、社員間同士の連携をより密接にすることにも繋がります。

人材育成に役立つ

見える化・可視化によって、全社員の業務の進め方が共有されるようになります。そのことによって、効率よく業務を進める術を知っているベテラン社員のノウハウの共有が行われるようになり、新入社員であってもベテランのノウハウを吸収してより効率的に業務を遂行できるようになるのです。

また、業務に関する詳細なマニュアルがない場合も、業務を見える化・可視化することでマニュアル作成に役立てることができ、新人教育も効率よく行えることでしょう。

組織としての一体感が醸成される

見える化・可視化されるものは業務のやり方に限らず、会社としてのビジョンや目的を明らかにしていくことも含まれます。会社の方針が分からないまま、ただ目の前の仕事だけをこなすという状況だと、モチベーションが下がり組織の雰囲気も悪くなりますし、主体的に行動できない指示待ちの社員を増やすことになります。
会社の方針やビジョンの見える化・可視化により、価値観が共有されることで、社員同士の連帯感が高まり、業務にミスや遅れがあれば自然と助け合いが生まれる関係になっていきます。また、何の為に働くのかという共通のゴール地点が生まれ、社員がよりゴールに向かって主体的に動きやすい環境づくりにも役立つのです。

見える化・可視化の注意点

見える化・可視化の注意点

見える化・可視化には様々なメリットがあることはわかりました。だからといって闇雲に促進すれば良いわけでもありません、見える化、可視化を進めていく上で注意するべき点を本項では紹介します。

すべての情報を「見える化」しない

余りに多くの情報を「見える化」すると、むしろ業務効率が低下し、組織の閉塞感を悪化させることになります。なぜかというと、会社主導で様々なルールを追加し、見える化を図ることで、社員からすればまるで行動のすべてを監視されているような気持ちに陥りがちだからです。そうなると、仕事を進める上で新しい自由な発想やアイデアが生まれにくくなります。

例えば、「見える化」の例で紹介したように営業マンの成績を棒グラフ形式でオフィスに掲示するようなやり方は心よく思わない人も多いでしょう。特に営業成績が低かった人からすれば、モチベーションの低下に繋がる可能性もあります。あくまでも、「見える化」する情報は従業員にプレッシャーを与えずに済む範囲に留めることが理想的と言えるでしょう。

「見える化」の目的を明確にする

本来、見える化・可視化とは業務改善のための手段ですが、目的が明確でないと「見える化」すること自体に意識が向き、業務の本質や目指すべきゴールから大きく外れてしまうことがあります。その結果、業務を「見える化」できたとしても本来の目的が達成できず、本末転倒で終わってしまうことがあるのです。

なぜ仕事を「見える化」し、既存のルールを変えてまで、業務を改善しなくてはならないのかをあらかじめ会社全体に目的を説明し共有する必要があります。そして、目的を明確化すれば、具体的に何をすればよいかも自ずと明らかになっていくため、従業員による自発的な改善活動も期待できるでしょう。

また、時には業務を改善するという目的がいつの間にかすり替わり、現状維持や「見える化」を安定的に運営していくことに意識が向いてしまうこともあります。そのような状態では更なる改善策が生まれ辛くなってしまうので、チェック機能を設け、一度「見える化」した業務でも継続的に見直しを続ける必要があるでしょう。「見える化」制度は常にアップデートを続け、PDCAサイクルを回すことが大切です。

見える化・可視化の方法

それでは具体的に見える化・可視化をどのように行えばよいのでしょうか。
いくつか代表的な方法をご紹介します。

マニュアルの作成

業務で何が行われているか、実際に作業をする担当者以外なかなか全貌を把握するのは難しいです。そういった時は実際に文字に起こして業務工程を書き記したマニュアルを作成しておくことが大切です。

マニュアルを作る時は、ただ業務工程を記すのではなく、画像や番号をつけてなぜこのような作業をするのか、その意図に至るまで言語化して工程ごとに解説すると担当でない人間が見た時でもわかりやすいでしょう。

グラフやチャートの活用

最も代表的な可視化のやり方は数字をグラフやチャートに変換して表示する方法です。図形や画像を利用することで、パッと見ただけで分かりやすく表現することができます。たとえば、ガントチャートやヒートマップなど条件に応じて色分けを駆使することでより分かりやすく見せることもできます。また、強調したい文字は大きくしたり、色も赤色や金色などに変えて目立たせる手法もよくテレビ番組や会社資料などで散見されますが、これらの手法も視覚的にわかりやすくするために非常に効果的です。
最近では、専用のツールを導入せずともPowerPointやExcelなどオフィスソフトのデフォルト機能で様々な図や画像、グラフを簡単に作成できるので、誰でもすぐに実践することができます。

専用ツールを導入する

PowerPointやExcelも素晴らしいツールですが、オフィスソフトを使いこなせていない人がちゃんとしたグラフやチャートを作ろうとすると、どうしても時間がかかってしまい、結局業務を圧迫する原因となってしまいます。
そういう時は、業務を可視化・見える化するための専用ツールを導入することをオススメします。

専用ツールであれば、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるものもあり、ITツールに親しみの無い人でもすぐに利用ができます。また、専用ツールには多くのグラフや図のテンプレートなどがたくさん用意されているため、入力したデータをクリック一つでビジュアライズできるため、業務の見える化・可視化に役立つことでしょう。

見える化・可視化で組織力強化!Shelterで業務を見える化

見える化・可視化で組織力強化!Shelterで業務を見える化

最後に、企業の見える化・可視化に一役買うツールとしてオススメしたい当社のサービス『Shelter』をご紹介します。今まで各人がメールや紙、エクセルで管理して属人化している情報を全て『Shelter』で一元管理することで、業務全体の進捗や情報の見える化・可視化を促進することができます。また、業務を進行する上でのちょっとしたコミュニケーションも、わざわざメールや電話などせずとも『Shelter』上の連絡スペースでチャット感覚にコミュニケ―ションが可能です。
しかも、ユーザー数は無制限で何人で使っても月額利用料は変わりません。
『Shelter』導入社の中には1000人以上で使っている企業もいるとか・・・)

くわしい情報は下記公式サイトをご覧ください。
《『Shelter』公式サイト》
《『Shelter即効アプリシリーズ』公式サイト》

まとめ

まとめ

お読みいただきありがとうございました。本稿で紹介した見える化・可視化についてのおさらいです。

●見える化・可視化とは、業務がどのように行われているのか図形やフローチャート等を用いてわかりやすく示すこと

●「見える化」と「可視化」は似ているようで異なる概念。

●「可視化」とは「目に見えないものを見える状態にすること」

●「見える化」とは「可視化されたものが、無意識に目に入るような仕組みを作ること」

●見える化・可視化には、業務効率の上昇や人材育成、組織としての一体感を高める効果がある。

●見える化・可視化を促進する上での注意点として、事前に目的を明確に定めること、全ての情報を見える化・可視化しないこと等が挙げられる。

以上となります。見える化・可視化の取り組みは、全員が同じ共通認識を持てるよう、わかりやすく示すことで様々な目的を達成できます。しかし、会社主導が行き過ぎれば、従業員が置いてきぼりになり、逆効果になる恐れもあります。見える化・可視化の促進には会社と従業員が同じ目線に立ち、二人三脚で進めていくことが何より求められるのです。

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