どんな企業でも必ず行なわれる共通の管理業務が、「出退勤管理」ではないでしょうか。
社員がいつ出勤し、いつ退勤したかというシンプルなデータではありますが、給与計算や社員の体調管理、労働法規問題にも関わってくる、非常に重要なデータでもあります。
本稿ではこの出退勤管理を取り上げ、特に「クラウド化」を推し進めるべき理由を解説していきます。
「クラウドって何?」という基礎的な知識からご紹介していきますので、ITやデジタルやの話にうといというあなたも、最後までお読みいただければ出退勤管理の考え方が変わるはずです。
【この記事の内容】
どんな企業・組織でも行なわれている出退勤管理。
その歴史は古く、なんと古代エジプトではピラミッド建設に携わる労働者たちの出退勤データをしっかりと管理していたそうです。
日本では江戸時代の商店において出退勤管理が行なわれていたことが確認されています。
時は流れて21世紀…、出退勤管理は何らかの形でデジタル処理されている企業が多くなりましたが、まだまだ手書き管理やタイムカードによるアナログ管理も行なわれているのが実情です。
本稿は読者の皆様にデジタル管理…とりわけクラウド方式による出退勤管理をお勧めするものです。
現状アナログ管理だという企業の皆様はもちろん、「うちはすでにExcelで管理しているから大丈夫…」という皆様にこそぜひ、本稿でクラウドの持つ意義を知っていただきたいと思います。
ではまず、前提となるクラウド出退勤管理という言葉についてご説明しておきましょう。
「クラウド」は近年日本でもかなり浸透したIT用語です。「なんとなく聞いたことはあるけど、ちゃんと説明できない…」という方も多いかもしれません。
一般的に認知されているクラウド(クラウドサービス)の意味を一言で表すとしたら、インターネットを通じて提供されるサービスということになります。
非クラウド型であるアプリケーションは、PCにインストールすればインターネット接続の有無を問わずPC内だけで完結して作動します。
対してクラウド型のサービスやアプリケーションは、ほぼすべての機能がインターネットを通じて機能し、多くはGoogle Chromeなどのインターネットブラウザを介して提供されます。アプリケーションをインストールする必要はありません。
つまり「クラウド出退勤管理」とは、シンプルに言えばインターネットを活用して機能する、ネットワーク型出退勤管理システムであると理解してください。
すでに市場には、クラウド型の出退勤管理用アプリケーションがたくさんリリースされています。
出勤時間・退勤時間を入力、管理できる機能はもちろんのこと、それ以外にも各個人の勤務時間・残業時間・有休などを管理する機能や、各種申請をアプリ上で行なう機能、スケジュール管理機能など、いずれの製品もネットワークの特性を活かした便利な機能を搭載しており、アプリケーションの人気ジャンルの1つになっています。
ではこのクラウド出退勤管理、企業に取り入れることでどのようなメリットがあるのでしょうか?
すでにクラウド出退勤管理システムを導入している企業では、ここに挙げるようなメリットが見られています。
タイムカード等によるアナログな管理に比べ、クラウド型の出退勤管理は集計業務等が圧倒的に効率化されます。
電卓をはじきながら1人1人の月間勤務時間を計算していたのも今は昔…。クラウド型の管理であれば、月の合計勤務時間や残業時間、有休休暇の残数など、人事に必要な計算をすべて自動で処理してくれます。
特に有休休暇の取得が義務化された現在、かつてより詳細でミスのない有休管理が求められており、クラウド化は必須とも言えるのではないでしょうか。
さらにクラウドなら月末の締め日を待たずに月の途中で勤務時間の集計をすることもできる他、社員の出退勤データは長期間にわたり保存可能なため、これを働き方改革や人材採用計画などに幅広く活用できるなど、データ管理面でのメリットは数多くあります。
クラウド型出退勤管理の導入は、コスト削減にもつながります。
上記のように管理業務の時短がコスト削減につながることはもちろんですが、それ以外にも小さいところでは紙コストの削減、大きいところでは残業時間管理の正確性・リアルタイム性による残業コストの削減なども期待できます。
また、非クラウド型のアプリケーションと比較して、クラウド型は大幅に導入コストを削減できることもよく知られた事実です。
初期費用や月額利用料の面でクラウド型は圧倒的に低価格であり、アプリのバージョンアップも無償で行なわれます。
性能を問わずほぼどんなPCでも導入することができるので、設備投資に過剰なコストがかかることもありません。
例えば法改正や社内規定の変更など、部署や雇用形態ごとの集計ルールの変更は意外と頻繁にあるものです。多くの場合複雑な変更となりますので、アナログ管理では「Aさんは新ルールで集計したが、Bさんは旧ルールで集計してしまった」などのミスが発生することも…。
クラウドなら自動的な一元管理が可能なので、どんなに複雑な集計ルールの変更にも簡単に対応できます。
製品によっては法改正に合わせて自動でバージョンアップし、何もせずとも新法に対応できるものもあります。
例えば支社や支店を多く持ち、本社でそれらの出退勤管理をまとめて行なう場合、アナログではかなりの重労働になるのではないでしょうか。
なかなか集まらない出退勤情報、拠点ごとの細かな集計ルールの違い、膨大な数値…など、管理者の悩みのタネは尽きないでしょう。
クラウド管理ならこれらの難題をすぐに解決できます。
すべての拠点のデータを1つのサーバで管理するため、どんなに距離が離れた拠点であっても、リアルタイムで必要なデータにアクセスできます。
例え全国に数十か所の拠点があったとしても、1拠点とほぼ変わらない感覚で管理することができるでしょう。
クラウド出退勤管理の導入を検討する際、メリットだけではなくデメリットも認識しておくことが必要でしょう。
ここでいくつかのデメリットを紹介しておきますので、自社のケースに当てはめて想像し、検討の参考にしてみてください。
何らかの原因により自社内のネットワークがダウンしてしまった場合、インターネットによる活用を前提としたクラウド出退勤管理システムは、ほぼ全面的に利用できなくなってしまいます。
保存されたデータが消失してしまうケースはごく稀ではあるものの、復旧するまで出退勤の打刻やデータ閲覧ができないのは企業にとって痛手となるでしょう。
普段からこうした事態に備え、手書きの打刻帳を準備しておくなどの工夫が必要となります。
タイムカードなどアナログな手法であれば、始めたい時にすぐ始めることができますが、アプリケーションを利用する際は、社員名簿の作成や、集計ルールの設定など、使い始める前にある程度の設定作業が必要になります。
クラウドシステムとはいえ何から何まで自動でやってくれるわけではないので、この点は知っておく必要があります。
とはいえ一度初期設定さえしてしまえば、その後大幅な効率化により余りあるメリットが享受できるケースがほとんどです。
一元管理であることは便利である一方で、危険もはらんでいると言えるかもしれません。
上記のような設定作業でミスがあり、それに気付かないまま運用してしまうと、一元管理である分、被害も大きくなってしまいがちなのです。
例えば、すでに廃止された「裁量労働制」の設定をONにしたまま運用してしまったため、社員全員分の月40時間以下の残業が記録されていなかった…などが想定されます。
ただし、多くのアプリケーションで導入時に提供元からサポートを受けることができますので、こうしたサービスを活用すれば設定のミスはなくすことができます。
ここまで、クラウド型の出退勤管理システムのメリット、デメリットについてご説明してきました。
とはいえ本稿は、基本的にはクラウド出退勤管理をおすすめするものです。
もちろん、企業ごとの環境や既存のシステムと照らし合わせて充分に検討するべきですが、クラウド出退勤管理の導入はほとんどの企業にとって有効です。
ここで改めておさらいも含め、クラウド出退勤管理がおすすめできる理由をまとめましょう。
クラウドによって出退勤管理業務が自動化・効率化できることは、人事部門にとって大きなメリットとなるでしょう。
効率化と共に、人の手による作業につきまとう「うっかりミス」もゼロに近づけることができます。特にミスが許されない人事部門の業務において、正確さの向上も大きなメリットです。
また人事部門以外の社員についても、効率化に期待することができます。
クラウド化すれば各社員は自席のPCモニターで、自分の勤怠データをいつでもリアルタイムで確認できるので、「今月は残業が多くなってきたな…」「未消化の有休がたまってきたので、消化しなければ…」といった自己管理意識が持てるようになります。
こうした意識が、計画的な業務の進行をうながすわけです。
「DX」という言葉をご存じでしょうか? 「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、「業務のデジタル化」を指す言葉として近年ビジネスシーンでよく使われるようになった言葉です。
感染症拡大の影響もあって現在各社でDXが加速している状況ですが、やはりイチからDXに取り組もうという場合「何から手を付けていいのかわからない…」という企業が多いようです。
そこでまず、出退勤管理業務だけをデジタル化・クラウド化してみるというのは有効な手段でしょう。
出退勤管理は比較的低コストでデジタル化できます。また、部門を問わず全社員が必ず利用するシステムなため、社全体のデジタル化の意識を高めるにはうってつけと言えます。加えて出退勤管理は他の業務デジタル化と比べて複雑な操作を必要とせず、デジタル業務に慣れていない社員でも対応することができます。
このように無難に始めやすい出退勤管理からDXをスタートさせ、一定期間の運用期間を経てデジタル業務に慣れてきたら、次はスケジュール管理、次は顧客管理…といった具合に、デジタル化の領域を少しずつ広げていけばいいわけです。
2020年の感染症拡大以降、日本国内でもリモートワーク(テレワーク)が急速に普及しました。感染症の件を抜きにしても、ここ数年来企業は働き方の多様性に対応することを求められており、事実リモートワークの可否が社員の勤続率や採用時の応募数に影響をおよぼすことも多々あります。
企業がリモートワークを導入しようという際、大きなハードルとなるのが出退勤管理です。タイムカードやExcelへの入力による管理では、打刻の際に社にいることが前提になってします。
出退勤管理をクラウド化すれば、自宅からでも、また外出先・出張先であってもスマートフォンやタブレットを使って出勤退勤時間を打刻できるようになります。
リモートワーク下にあっても正確で、各社員の働き方に寄り添った柔軟な出退勤管理を実現できるのです。
ここまでお読みいただいてクラウド出退勤管理システムに興味を持たれた方に、おすすめのクラウド勤怠管理システムをご紹介します。
私たちブルーテック株式会社が提供する『Shelter』です。
『Shelter』は出退勤管理専用のアプリケーションではありません。「業務効率化プラットフォーム」と呼ばれている商品で、なんと様々なジャンルの業務用アプリを自分で簡単に設計・制作できるという、便利なアプリケーションです。
アプリケーションの設計・制作と聞くと、「プログラムの知識が必要なんでしょ…?」と思う方が大半でしょう。しかし『Shelter』はプログラムの知識は一切不要。Excelのような表計算ソフトを操作する感覚で、誰でも簡単に、貴社の業務に必要なアプリケーションを自作したり、改良したりすることができるのです。
つまり『Shelter』を使えば、自社オリジナルの出退勤管理システムを作ることも簡単にできます。
市販の専用システムほど高機能なものを作ることは難しいのですが、逆に言えばシンプルで、誰でもどの部署でも使えるシステムを作成することができ、まさにDXの入口としてピッタリでしょう。「自社製」のアプリケーションですので、自社ならではの出退勤ルールや休暇ルールを反映したシステムも構築できます。
しかも、ユーザー数は無制限で何人で使っても月額利用料は変わりません。「アプリ制作なんて本当にできるのかな…?」と不安を感じられる企業様には、サポートスタッフがしっかりとご案内します。
また、すでに完成した複数のアプリケーションの中から必要なものだけを選んで導入できる『Shelter』即効アプリシリーズも提供中です。
お問い合わせはお気軽に下記までどうぞ。
《『Shelter』公式サイト》
《『Shelter即効アプリシリーズ』公式サイト》
本稿ではクラウド型の出退勤管理システムについて、基本的な情報をご紹介してきました。
最後に、お伝えした内容を振り返っておきましょう。
そもそもクラウド出退勤管理システムとは、インターネットに接続することを前提とし、ネットワークのメリットを最大限に活かした出退勤管理システムです。
アプリケーションをインストールする必要がなく、低コスト・短期間で導入することができます。
クラウド出退勤管理システムには、下記のようなメリットがあります。
・集計業務が効率化
・コスト削減
・ルール変更にも楽に対応
・複数拠点の管理も混乱しない
自社に導入した場合、それぞれのメリットが具体的にどのように機能するか、想像してみましょう。
一方でクラウド出退勤管理システムには、下記のようなデメリットもあります。
事前の対策が必要となることを心得ておきましょう。
・ネットワークのダウンによる機能停止
・事前設定の必要性
・一元管理の危険性
これらメリット・デメリットを考慮したうえで、クラウド出退勤管理システムをおすすめできる理由には、下記のようなものがあります。
・業務が効率化できる
・低コストで実現できるDXの第一歩
リモートワークにも対応
クラウド出退勤管理システムを始めてみたいという場合には、プログラム知識を必要とせず、誰でも自社製アプリケーションが作成できる業務効率化プラットフォーム『Shelter』の導入をぜひご検討ください。
何人で使っても月額利用料金は固定。すでに完成済みのアプリケーションを選ぶだけの『Shelter』即効アプリシリーズも提供中です。
現状でタイムカード管理をされている企業様は、本稿を読まれたことを機に、便利で低コストなクラウドによる出退勤管理を導入してはいかがですか?
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。