採用管理システムは採用を行っているすべての企業にとって必須と言えるものです。
一般的に企業の採用活動はたくさんの書類やデータが混在する上、説明会、面接の日程調整などスケジュール管理業務も多くなりがちです。そこで煩雑な業務の効率化やミス防止のためにシステムによって一元管理する必要性が出てくるからです。
特に大企業は応募者数が多いためなんらかの「採用管理システム」を導入する場合がほとんどですが、最近では大企業と比較して採用数の少ない中小企業でも「採用管理システム」を利用する企業が増えてきており、中小企業ですら採用管理と無関係とはいえない状況になりつつあります。
そこで本コラムでは、採用管理システムの導入を検討している企業に向けて、採用管理システムとはそもそも何なのか、採用管理システムのメリット、採用管理システム導入時の注意点と採用担当者が厳選したオススメの採用管理システム13選を紹介します。
【この記事の内容】
採用管理システムは「ATS(Applicant Tracking System)」直訳すると応募者追跡システムとも言われています。
端的に言えば、応募者の情報管理や採用スケジュールの進行管理といった、企業の採用活動に関わる業務を一元管理し、より効率的に採用活動を進めることを目的としたシステムを指します。
一般的な採用管理システムの主要な機能として下記4つが挙げられます。
もちろん上記の機能を一部持たない採用管理システムもありますが、採用に必要な業務は企業によって様々です。、大切なのは自社に合った採用管理システムを選択することなのです。
実は採用活動も営業と同じように数値目標を追わなければなりません。
もし、「月に1名採用」という目標を立てたのなら、自社の採用率などから逆算して、母集団形成の段階でいったいどれほどの応募を集めればいいのかを算出し、その数値を追いかけ、「月1名採用」を達成するために何がボトルネックとなっているのかを探る必要があるのです。
例えば「○○という媒体からの応募者は数が多いが、面接過程で落ちる割合も多い」ということが分かったとします。
その場合は、「質の悪い媒体に割く予算を削減して、他の媒体を使う」「面接手法を見直す」といった対処法を練らなくてはなりません。
採用管理システムを導入すると、今まで担当者が手作業で集計していた応募経路や年齢や職業などの応募者情報、そして選考状況なども一つのシステムの中で一元管理できるようになり、施策実施後のフィードバックや改善といった業務も容易になるので、採用活動のPDCAを素早く回していくことができるようになります。
PDCAを回すことは当初計画した数値目標を達成するためにも重要なことです。さらに昨今の売り手市場ではちょっとした行動の遅れが機会損失につながってしまうため、採用管理システムを利用して全体にかかる作業時間を短縮し、応募者へのレスポンスを早めることが求められているのです。
続いて、採用管理システムの機能別に、自社に合った採用管理システムの選び方を紹介していきます。基本的に採用管理システムは大きく4つの機能に分けられ、製品によって特化している機能も異なります。採用の方針によって必要な機能も違ってくるので、機能を確認しながら自社に最適な採用管理システムを選びましょう。
求人管理機能とは、求人票を作成したり、作成した求人票を一括で管理できる機能です。また、は求人媒体との連携機能を持つシステムもあり、連携している求人媒体から応募があった場合、自動で応募者情報がデータベースに登録されるため、応募者情報を手作業で登録する必要がありません。
採用管理システムによって連携可能な求人媒体は大きく異なり、アルバイト採用に強いものや、中途採用、転職エージェントの管理に適したものなど、自社の採用したい人材層に合わせてシステムを選定しましょう。
応募者への対応はともかく正確さとスピード感を求められます。複数の求人媒体経由の応募者の一括管理機能、応募者情報の重複チェック機能、応募者の対応漏れ防止のためのリマインドメール機能などがあるものが好ましいでしょう。また、近年では、新卒・アルバイト採用を中心に応募後のやり取りを「LINE」で行うケースが増えており、メールや電話より「LINE」の方が開封率や応答率が高くなることもあります。そういった面で考えると、採用ターゲットによっては「LINE」との連携機能を持っているシステムなどを視野に入れておくことも大切です。注意点として、製品によっては応募者数次第で料金が変動するものもあります。その場合は、自社の平均的な応募人数を算出してからシステムを選ばないとコストパフォーマンスが悪化する可能性があることは考慮しましょう。
選考管理機能とは応募者ひとりひとりの選考状況を登録・管理する機能です。例えば、書類選考や一次面接、二次面接などの採用進捗。また、適性検査や各面接の評価などをまとめて管理できます。基本的に面接時の応募者の評価などは各採用担当者に属人化しがちですが、この機能によって、応募者に関する情報を可視化できるようになるため、応募者への評価を偏りなく行えます。さらに応募者管理機能と連関して応募経路別に選考通過率を算出できる機能がついているシステムであれば「この媒体経由の応募者は内定率が高いから、予算を増やそう」といった媒体別の予算分配の判断を下しやすくなります。
人材紹介や求人媒体を用いずに、自社採用ページから応募を集められれば劇的にコストを削減できます。自社採用サイトであれば動画コンテンツや社員インタビューなど自社が訴求したいコンテンツを自由に作成し配置できるため、より自社へのモチベーションが高い応募者を集められます。また、魅力的なコンテンツだけでなく、製品によっては、Indeedをはじめとした主要求人検索エンジンに自動連携されているものもあり、求人票を作成するだけで自動的に求人検索エンジンにも掲載され、集客機能を担うシステムもあります。媒体に頼らず自社採用を進めていきたい企業はとくに集客機能があるかどうかをチェックしてみると良いでしょう。
採用管理システムがどんなものかは大体わかっていただけたと思います。採用管理システムにはさまざまなメリットがありますが、ただ導入すればいいというわけではありません。本項では自社に合った採用管理システムをどう選べば良いか再確認していきます。
自社にとって必要のない機能を持っているシステムを導入してしまうとコストパフォーマンスの悪化に繋がります。 現在、会社が抱えている課題は何なのか、それに対しどういった機能を持っているシステムがいいのか、しっかりと見極める必要があります。
採用管理システムには、使いたい機能やオプションの数によって料金が高くなるものがあります。
また、機能が多すぎても使いこなせず、少なすぎれば求めていた採用業務の効率化が達成できない場合もあります。自社に必要な機能やオプションをしっかりと見極めて、機能と金額感が見合っているものを選ビましょう。
操作性は業務効率化に直結する部分でもあります、操作性が悪いと採用担当者の負担にもなりますし、応募者へのレスポンス速度が低下する要因にもなります。
中には無料トライアルを行えるものもあるので、操作性などの使い勝手はあらかじめ確認しておきましょう。
採用管理システムを導入しても社内でうまく定着せず、「せっかくお金をかけたのに結局以前のように「Excel」や「Googleスプレッドシート」での管理手法に戻ってしまう」なんてこともよくある話です。そのため、導入予定のシステムにカスタマーサポートがついているかは必ず確認すべきです。
カスタマーサポートがあれば導入支援や導入後の利用サポートだけでなく、さらなる業務効率化や採用成功に近づけるための「カスタマーサクセス」まで行ってくれる場合もあります。
さらに、サポート手段についてもチェックしておくべきでしょう。チャットやメールのみでの対応に限られるのか、もしくは訪問やWeb会議を定期的に行ってくれるのか等はあらかじめ確認しておきましょう。
カレンダーツールやSNS、メッセージアプリと連携できれば、応募者とのやり取りや社内スケジュールの調整がスムーズになります。
また、連携できる求人媒体が多ければ、求人情報をシステムに読み込ませることで、複数媒体へ自動的に求人情報を掲載できます。求人掲載面が増えることで応募数上昇を見込むこともできるでしょう。
ここからは100人以上の採用担当者が選んだオススメの採用管理システムを13個に厳選し、特化している機能別に紹介しています。
今回紹介するサービスは採用管理システムに必須とされる、上記3つの機能を完備したものになっているので、採用管理システム選定の際の参考にしていただければ幸いです。
『HRMOS 採用』は、株式会社ビズリーチが提供する採用管理システムです。
ビズリーチ社が運営する求人媒体「ビズリーチ」「キャリトレ」求人検索エンジン「スタンバイ」との連携だけでなく、従来、担当者が集計していた、媒体別、転職エージェント別の紹介実績や選考通過率なども職種ごとやチャネルごとに数値化・グラフによる可視化がされ簡単に分析を行うことができ、採用活動のデータ分析を徹底的に行いたい企業の導入に適しています。
また、「ビズリーチ」に蓄積された独自のデータベースから最適なヘッドハンターを最大3名紹介するエージェント推薦機能や最適な人材を推薦する機能を搭載しており、採用活動において転職エージェントを積極的に利用している企業やスカウトメールで求職者に直接アプローチを行っている企業にもオススメです。
直感的なUIで誰でもシステムを使いこなせるほどの使いやすさに定評があり、その優れたUI設計は2017年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
『Herp Hire』は株式会社HERPが提供する採用管理システムです。
採用活動は基本的に、人事の採用担当者や経営者が主体となって行われますが、『HERP Hire』は、現場の社員も積極的に採用活動に加わる「スクラム採用」を実現するためのサービスとなっています。
「Slack」「Chatwork」といった主要チャットツールとの連携により、媒体からの応募通知や応募者と採用担当者とのやりとりが現場社員にも可視化されるため、人事や経営者のみで採用を決定する場合に起きがちなミスマッチを防ぐことがでます。
さらにITサービスとしてのレスポンスの速さや使いやすさにも定評があり、単純に採用業務の効率化を進めたい企業にもお勧めできるサービスになっています。
料金プランは採用規模によって異なるため、問い合わせが必要になりますが、月間応募数が30名以下なら無料で利用できるので、月間の応募数が30名以下で、リファラル採用に力を入れているスタートアップ企業はまず導入してみることをオススメします。
『HITO-Linkリクルーティング』はパーソルプロセス&テクノロジー株式会社が提供するシステムです。『HITO-LINKリクルーティング』のキーワードを挙げるなら「自動化」と「連携」になるでしょう。「DODA」や「Indeed」をはじめとする30以上の求人媒体と連携しており、各媒体で得たデータの取り込み作業を全て自動化してくれるため、採用活動の効率化に即座に繋がります。
また、「Google」、「Outlook」、「サイボウズGaroon」などのカレンダー機能との連携やクラウド労務ソフト「SmartHR」、WEB面接ツール「Harutaka」などの他社サービスとも連携しており、すでにそれらのサービスを利用している企業には特にお勧めの採用管理システムです。
『RPM』は株式会社ゼクウが提供している採用管理システムです。最大の特長は年間100名以上の大量採用を行う企業に適したシステムであるという点です。なんと『RPM』は全国350以上のWEB求人媒体の応募者の自動取り込みに対応しており、北は北海道から南は沖縄まで全国各地の媒体を網羅する媒体連携を実現しました。
その他にもWEB面談や、「LINE」を使った連絡機能、プロフィールシートや社内分析レポートなどの帳票出力機能、応募者自身が即時に面接予約できる機能など、大量採用業務をサポートする機能が用意されているため、応募者数が多く採用業務に圧迫されている担当者にぜひお勧めしたいシステムです。
『Jobsuite Career』は株式会社ステラスが提供している採用管理システムです。
株式会社ステラスは採用管理システムの領域で数々の特許を取得している老舗企業でその技術力と情報セキュリティの高さに定評があります。『Jobsuite Career』も情報セキュリティにおいて高く評価されており、1998年のサービスイン以降、20年以上もシステム障害や情報漏洩を起こしていないことは特筆すべきでしょう。
その他機能面においても、各応募者の進捗状況を一覧画面で把握できたり、応募者や転職エージェントに対して一人ずつマイページが発行されるなど、選考過程を管理する機能に長けています。また、初期設定の簡単さや導入後に専任担当者が付き定期的に活用フォローしてくれるサービスもあるなどサポート体制も手厚く、同社が提供している新卒向け採用管理システム『JobSuite FRESHERS』と併せて利用するとさらにリーズナブルに利用することができる点も留意したいところです。
ワガシャ de DOMOは、求人誌の草分けとして有名な株式会社アルバイトタイムスが運営する月額定額制の採用管理システムです。Indeedをはじめとした業界最大級の求人サイトへ自動連携し、応募効果を最大化することに特化した中小企業向けの採用サービスです。
無料の採用管理システムとの大きな違いは、求人作成や更新・修正などの運用をすべてプロが代行することです。忙しい採用担当者に代わり、求人の運用を代行することで成果を最大化できます。
費用も月額3.3万円~、8記事掲載でき、求人サイトよりも安価なため、長期で掲載できるのが魅力です。
『i-web』は株式会社ヒューマネージが提供する採用管理システムです。
新卒領域では導入シェア1位を誇り、システムとしての使いやすさはもちろん、Webページ制作機能や採用状況を可視化・分析できるBI機能、適性検査との連携といった様々な機能のほか、膨大なデータから最適な採用プロセス設計や応募者とのコミュニケーションの改善策をシステム側から提案してもらえるのも特長。
さらに、現状分析や戦略立案のためのコンサルティングサービスを受けることができ、採用戦略の設計やフロー構築など採用業務全体を見直したい場合には最適なサービスとなっています。
料金プランは問い合わせが必要になりますが、初期費用やコンサルティングサービスなどの面から他のサービスと比較するとコストが高くなりやすい傾向にあります。
また、「リクナビ」をはじめ「キャリタス就活」や「OfferBox」といった大手新卒採用媒体とも連携しており、「リクナビ」「キャリタス就活」と連携しているのは類似製品の中でも『i-web』のみとなっています。
『MOCHICA』は株式会社ネオキャリアが提供する採用管理システムです。
採用管理に必要な機能は備えていますが、何よりの特長は「LINE」と連携していることです。
「LINE」上で応募者とのやり取りはできることはもちろん、説明会や面接の日程調整なども「LINE」上で完結できるため、「LINE」利用者の多い学生や若者の採用を重視したい企業に適しています。また「LINE」というツールの特性上、メールや電話よりフラットで気軽なやり取りが可能なため、学生の本音を引き出しやすいという傾向もあります。応募率や選考辞退率の改善にも役立つため、学生との距離感に悩み新卒採用に課題を感じている企業にお勧めのツールです。
『JobSuite FRESHERS』は株式会社ステラスが提供する採用管理システムです。
同社が提供する中途採用向け管理システム『JobSuite Career』と同様、情報セキュリティの面で優れていることはもちろんですが、『JobSuite FRESHERS』は新卒採用に特化しており、学生の年度をまたいだ応募者の選考管理が可能となっています。
具体的には3年次で会社説明会に参加していた学生を、自動的に4年次に本選考へ誘導するなど、新卒採用において煩雑になりがちな作業をサポートしてくれます。職種別・コース別などでも異なる選考プロセスをきめ細かく設定・管理することができるため、特に選考管理面を強化したい企業にお勧めです。
『Hirehub』はエン・ジャパン株式会社が提供する採用管理システムです。
何よりも無料であることが最大の特長で、求人媒体はエン・ジャパンが運営するものに限らず、10サイトと連携しており、転職エージェント・求人媒体に限らず応募経路と応募者情報を紐づけることも可能です。応募者とのやりとりもシステム上で完結できる上、一覧画面で応募者ごとの選考状況や応募者評価を閲覧も可能など、一目見て業務の優先順位が分かる仕組みになっています。また、同社が提供する自社採用サイト作成ツール「engage」と連携すれば、「Indeed」「Googleしごと検索」などの求人検索エンジンにも自動で掲載されるため自社採用にも力を入れることができます。
『Airワーク採用管理』は株式会社リクルートが提供する採用管理システムです。
自社採用サイトを持たない企業向けのシステムで、無料で採用サイトを作成でき、集客から採用管理までこのシステムで完結することができます。簡単なUIが特長で80種類のテンプレートを選ぶだけで採用サイトを作ることができ、作成した採用サイトは自動で「Indeed」に掲載されます。無料ツールの為、選考管理や応募者管理機能の面では他のツールに劣ってしまうことに注意が必要です。
『ジョブカン採用管理』は株式会社DONUTSが提供する採用管理システムです。
有料の採用管理システムの中でも最低料金が月額8,500円と非常にリーズナブルなため、採用管理システムを導入したことがなく、勝手がわからないという企業には特にオススメです。
シンプルなUIと操作感が特長で、「LINE」で候補者とやり取りすることもできます。導入実績も6,000社を超えるなど、ともかく始めやすく使いやすいシステムになっています。
ただ、月額8,500円のプランだと求人媒体との連携機能や月に登録できる候補者数も制限されてしまいます。どちらかというと中小スタートアップ企業向けのシステムである点は留意しておくべきです。
『sonar ATS』はThinkings株式会社が提供する採用管理システムです。
新卒・中途採用等あらゆる採用ニーズに対応し、 統合的に応募者管理ができること、採用業務をフローチャート形式で作成できることが最大の特長です。
特にフローチャートを作成することにより、採用状況がリアルタイムで可視化されるようになり、採用業務全体の業務効率上昇に繋げることができます。単なる採用管理に終わらず、採用業務自体をさらに効率化しPDCAを回していきたいという企業にお勧めのシステムです。
いかがでしたでしょうか、今回は採用管理システムについて紹介しました。最後に、採用管理の必要性は感じているけれど、一般的な採用管理システムだとオーバースペックすぎてコスト面で要件に合わないという企業向けに業務効率化ツール『Shelter即効アプリシリーズ』をご紹介します。
『Shelter即効アプリシリーズ』は「採用管理」だけでなく、「進捗管理」「顧客管理」「案件管理」といった今までExcelやGoogleスプレッドシートで行っていた業務すべてを一元化し、全社員で共有、管理、編集が行えるサービスとなっています。
必要なクラウド業務アプリを選択してご利用いただけるため、不要な機能を導入して無駄な費用が発生することもありません。
採用管理においては、応募者情報と面接の進捗や担当面接官を紐づけて分かりやすく共有・管理することが可能で、履歴書などの個人情報や候補者とのやり取りもデータベースに安全に保管しておくこともできます。
また「Slack」「Chatwork」「LINE」「Facebook Messenger」などのチャットツールとも連携し、更新ごとにメッセージやチャットが飛ぶようリマインダー機能を設定できるので、採用担当者間での情報共有を完璧にし、作業の抜け漏れも事前に防ぐことができます。
『Shelter即効アプリシリーズ』はユーザー数無制限で何人でお使いいただいても月額利用料金は「定額」とリーズナブルに利用可能です。
一般的な採用管理システムだと要件が合わないという場合はぜひ『Shelter即効アプリシリーズ』ご検討いただければ幸いです。
詳細は下記より、お気軽にお問い合わせください。
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