売上目標の達成率を計算する方法|使用上の注意点2つも確認しよう
- 「進捗管理はしているけど達成率は使ったことがない」
営業で大切な売上目標にどれくらい近づけたかを確認するための達成率ですが、以上のような人もいるでしょう。
そこでこの記事では、売上目標の達成率を使うメリットや計算方法などを紹介していきます。
最後まで読めば、達成率を実際の業務にどう活かすべきなのかが分かり、目標達成に向けての道筋がより明確になります。
達成率を報告する資料づくりなどに役立ててみてください。
そのほか、達成率を扱う上での注意点も紹介します。
適切に数値を活用するためにも、確認しておきましょう。
【この記事の内容】
売上目標の達成率を計算するメリット
まずは、売上目標の達成率を計算するメリットを確認しておきましょう。
メリットを知ることで、達成率を計算する意義を見出せたり、うまく活用しやすくなったりするからです。
- 進捗管理が容易になる
- モチベーションが上がる
進捗管理やモチベーションの維持が難しいと感じている人は、達成率を利用することで解決する可能性があります。
メリットを理解して、有効に達成率を使えるようにしていきましょう。
売上目標の達成率を計算するメリット①進捗管理が容易になる
達成率を明らかにすると、業務のスケジュール感や達成のために必要なことが分かります。
数値で表すことによって、ゴール(目標達成)から逆算できます。
たとえば、「今月は〇〇万円売り上げる!」という目標があったとしましょう。
10日ほど過ぎた時点で達成率を確認すると、そのままのペースで達成可能かどうかを見極められます。
仮に達成率が10日時点で80%の場合には、もう少しペースアップする必要があります。
そのままのペースで達成できないのであれば、行動量を増やしたり、新しい打ち手を考えたりする必要があるでしょう。
このように、何をすればよいのかやこのままのペースで達成可能かどうかがわかるのです。
目標達成がうまくできない場合には、達成率で進捗を明確にして次なる打ち手を考えていきましょう。
売上目標の達成率を計算するメリット②モチベーションが上がる
達成率を利用するとモチベーションを保ちやすくなります。
目標に対してどれくらい近づけているのかが明確になるからです。
数値化せずにいると、自分の努力が実っている感覚が薄れ、モチベーションも下がってしまいます。
月間目標を作っている場合には1ヶ月に1回、年間目標の場合には1年に1回しか成果を確認できないためです。
達成率を常に明確にしておけば、こまめに進み具合を確認できます。
仕事に対する意気込みを新たにできる機会が増えるので、モチベーションが高まります。
モチベーション維持に悩みを抱えている場合には、達成率を計算してみてください。
売上目標の達成率を計算する方法
達成率を計算するメリットに魅力を感じた人もいるでしょう。
続いて、実際に達成率を求めるための計算方法を紹介していきます。
- 売上目標が総額である場合(例:〇〇万円)
- 売上目標が増減率である場合(例:前月比〇〇%)
それぞれ計算式が異なるため、あなたが達成したい売上目標によって使い分けてください。
売上目標の達成率を計算する方法①売上目標が総額である場合
売上額で目標が示されている場合には、以下の計算式で達成率を求めます。
- 最終的な達成率=実際の売上÷目標×100
- 途中経過の達成率=(実際の売上/経過日数)÷(目標/期間)×100
とてもシンプルな計算式なので、すぐに取り組めるでしょう。
途中経過の達成率を求める場合には、分数が出てくるので計算間違いをしないように注意してください。
具体的な数値で計算例を示しておきますので、参考にしてみてください。
期間は1ヶ月(30日)で売上目標は300万円だと仮定します。
- 最終的な達成率
- 売上80万円の場合:80万円÷300万円×100=26%
- 売上320万円の場合:320万円÷300万円×100=106%
- 途中経過の達成率
- 10日で100万円の場合:(100万円/10日)÷(300万円/30日)×100=100%
- 20日で100万円の場合:(100万円/20日)÷(300万円/30日)×100=50%
売上目標の達成率を計算する方法②売上目標が増減率である場合
売上目標が「前月比〇〇%アップ」のように増減率で表される場合には、以下の計算式で達成率を求めます。
単位が異なるだけで、基本的に総額表示の場合と同様です。
- 最終的な達成率=増減の実績÷増減の目標値×100
- 途中経過の達成率=(増減の実績/経過日数)÷(増減の目標値/期間)×100
増減の実績は、「(実績総額÷基準となる総額−1)×100」で計算してください。
仮に前月比20%アップ(前月の売り上げは100万円)を目標にしたとしましょう。
そして、実際の売上が60万円の場合、増減実績は「(60万円÷120万円−1)×100=−60%」となります。
- 最終的な達成率:−60%÷120%×100=−50%
- 途中経過の達成率:(100%/10日)÷(120%/30日)×100=250%
途中経過については、10日で80万円を売り上げたと仮定しています。
目標120%では1ヶ月(30日)で120万円の売り上げが必要です。
10日間に直すと、40万円の売り上げがあれば総額ベースの達成率は100%です。
よって、増減の実績は「(80万円÷40万円−1)×100=100%」で計算しています。※「前年比120%」と「前年比20%増」といった数値を混同しないように注意してください。
売上目標の達成率をエクセルで計算する方法
売上目標の達成率は、エクセルに計算式を入力しておけば簡単に計算することができます。
達成率の計算に必要な項目は、実績と目標値です。
エクセルシートには実績と目標値を入力できるように表を作り、計算式を入力しておきましょう。
実績 | 目標 | 達成率 | |
2019年度 | |||
2020年度 | |||
2021年度 |
- 以上のような表を作成
- 計算したい達成率のセルをクリック
- 「=」を半角で入力する
- 同じ行(同年度)の実績をクリック
- 「÷」を入力
- 同じ行(同年度)の目標をクリック
- 「×100」を入力
計算できたら、達成率の計算式を他のセルにもコピーしておきましょう。
計算式をコピーしたいセルを選択して、セル右下にポインターを合わせると「+」マークに変わります。
そのまま他年度の達成率セルにドラッグしてください。
計算式だけがコピーされるため、次回からは実績と目標値を入力するだけで達成率が計算できます。
売上目標の達成率を使用するときの注意点2つ
ここまで、売上目標の達成率を計算する方法を紹介しました。
計算式は1度覚えてしまえば、その後はずっと使えるのでぜひ覚えてみてください。
達成率を扱う場合には以下2点について注意するようにしてください。
- 進捗率も計算する
- 売上額や目標値も気にかける
達成率は扱いを間違えると業務効率が悪くなってしまったり、実際の実績が見えにくくなったりしてしまいます。
達成率に振り回されないように、注意点を確認してみてください。
売上目標の達成率を使う注意点①進捗率も計算する
達成率は進捗管理にも利用できますが、進捗率を使う方が正確な数値を確認できます。
この記事では達成率の計算方法として、総額と増減率の2パターンを紹介しました。
しかし、同じ成果になるように目標を掲げても、どちらの計算式を使うかによって達成率が異なります。
そのため、進捗管理に達成率を使うと、実際の進捗とズレが生じてしまうのです。
適切に進捗管理を行うためにも、進捗率は達成率とは別に計算しておくことをおすすめします。
売上目標の達成率を使う注意点②売上額や目標値も気にかける
他社や他部署と成果を比較する場合には、達成率だけでなく実際の売上額も利用しましょう。
掲げている目標値が違えば、達成率も異なるからです。
仮にA部署が300万円、B部署が100万円の売上目標を掲げていたとしましょう。
達成率はA部署が50%、B部署が120%であった場合、一見するとB部署の方が優秀に見えます。
しかし、実際の売上額はA部署が150万円でB部署が120万円です。
売上額で見ると、A部署の方が優秀なのです。
比較材料として達成率を使う場合には、目標値や実際の売上額も検討するようにしてください。
まとめ|売上目標の達成率を活用して成果アップを目指そう
売上目標の達成率について紹介してきました。
達成率を活用すると、進捗管理やモチベーション維持に役立ちます。
業務効率がアップしますので、積極的に活用していきましょう。
達成率の計算方法は以下の通りです。
- 目標が総額表示である場合
- 最終的な達成率=実際の売上÷目標×100
- 途中経過の達成率=(実際の売上/経過日数)÷(目標/期間)×100
- 目標が増減率表示である場合
- 最終的な達成率=増減の実績÷増減の目標値×100
- 途中経過の達成率=(増減の実績/経過日数)÷(増減の目標値/期間)×100
記事中では具体的な数値を用いて計算例も示しましたので、参考にしながら計算してみてください。
達成率があがらずなかなか目標達成ができない場合には、以下の記事も読んでみることをおすすめします。
目標達成をするためにやるべきことをまとめているので、ぜひ実践してみてください。