テレワークを導入するなら就業規則の変更が必要|チェックポイントを紹介

テレワークを導入するなら就業規則の変更が必要|チェックポイントを紹介

「テレワークを導入したい」
「でも就業規則はどうすればいいの?」
「見直しが必要ならチェックポイントを知りたい」

以上のように感じている方向けに、テレワークの導入に伴う就業規則の変更について紹介していきます。

テレワークを導入すると就業規則の変更が必要

テレワークを導入する場合には、以下2つの理由から就業規則の変更が必要になります。

  1. 実務で問題が生じるから
  2. 労働基準法に則る必要があるから

通常通りの就業規則を使用すると、労働契約が無効になったり、業務効率が落ちてしまったりするのです。

より詳しい内容について見ていきましょう。

テレワークで就業規則の変更が必要な理由①実務で問題が生じるから

テレワークに切り替えると、オフィスで仕事をするよりもコミュニケーションをするのが難しくなるなどの弊害が生まれます。

そのため、就業規則や業務を進めていくルールやマニュアルで運用方針を定めておくことが重要です。

マネジメント業務や人事評価も難しくなるので、定期面談の設定や評価基準の改定などの対策も必要でしょう。

テレワークで就業規則の変更が必要な理由②労働基準法に則る必要があるから

労働基準法では労働契約について以下のように定められています。

就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。(労働基準法第93条)

つまり、就業規則の中にテレワークに関する内容を明記しておかないと、労働契約が無効になってしまうのです。

テレワークを導入する場合には、就業規則を見直していきましょう。

テレワークにおける就業規則の見直しポイント

就業規則を見直すとは言っても、何に注意したらいいかわからないと困ってしまいますよね。

見直しポイントについても以下2つの観点で分けて解説していきます。

  1. 実務上
  2. 労働基準法上

テレワークにおける実務上の就業規則を見直すポイント

実務上においては以下のポイントを見直すようにしましょう。

  1. コミュニケーション手段
  2. 書類の作成・管理方法
  3. 社員研修・人材育成方法
  4. セキュリティ対策
  5. 勤怠管理

それぞれの問題点や具体的にどう対処すべきなのかについて紹介していきます。

①コミュニケケーション手段

テレワークにおいては「ふとした瞬間に相手の表情を見て声をかける」といったコミュニケーションができなくなります。

話し合いの場を設けなければ、相手の状況を把握したり自分の意見を伝えたりするのが難しいのです。

解決策としては、コミュニケーションツールの導入が挙げられます。

とくにチャットや音声通話・ビデオ通話のすべてを利用できるweb会議ツールがおすすめです。

②書類の作成・管理方法

テレワークにおいては紙の書類を扱えなくなります。

書類の作成や管理はすべてデジタル上で行う必要があるため、作成時のポイントや管理方法をルール化すべきでしょう。

デジタル上で書類を作成し、紙の書類を使わずに業務を進めることをペーパーレスと呼びます。

③社員研修・人材育成方法

直接顔を合わせる機会が少なくなるため、社員研修や人材育成方法の工夫も必要です。

従来であれば、社内に講師を呼んでセミナーを行うなどの研修ができました。

しかし、テレワークではオンラインセミナーを活用する必要があります。

オンラインセミナーの開催方法やオンラインでの対応が可能な講師の確保、カリキュラムの確立などをしていきましょう。

そのほか、クラウド上にマニュアルや動画講義をアップしておくのもおすすめです。

④セキュリティ対策

テレワークでは書類などをすべてデジタル上で管理するため、インターネット接続やデジタル端末のセキュリティ対策が欠かせません。

ウイルス対策ソフトを支給したり、デジタルファイルの取り扱い方法をルールで定めたりしていきましょう。

⑤勤怠管理

テレワークでは勤怠管理が難しくなります。

サボってしまいやすい環境になったり、残業続きになっても上司が気づかなかったりする可能性があるのです。

そのため、勤怠管理ツールや成果主義を導入するなどして対策していきましょう。

勤怠管理ツールを導入すると、出勤・退勤の記録が容易にできます。

また、成果主義を導入すると成果で評価が決まるため、社員のサボり防止につながりますよ。

テレワークにおける労働基準法上の就業規則を見直すポイント

労働基準法においては以下の見直しが必要です。

  1. テレワークの対象者
  2. 導入コストの負担
  3. 健康管理
  4. 労働災害

①テレワークの対象者

業務内容によってはテレワークが適さない社員もいるでしょう。

テレワークの対象者になる人の基準について明確にしておきましょう。

ただし、労働者派遣法の違反になる可能性があるため、雇用形態によってテレワークの対象になるかどうかを決めるのは避けてください。

②導入コストの負担

基本的に業務に必要となる備品は会社負担になります。

しかし、テレワークで使用するデジタル端末や通信設備についてはプライベートの使用も可能なものです。

どこからが会社負担でどこからが社員負担なのかを明確にしておきましょう。

費用負担の割合については、労働基準法で就業規則への記載が義務付けられています。

③健康管理

テレワークでは運動不足やメンタル疾患のリスクが高まることがあります。

また、非対面で業務を進めていくため、社員の顔色から健康状態を把握するのも難しいです。

そのため、定期的に1対1の面談を設けたり、ビデオ通話を活用してお互いの顔色を確認したりする工夫が必要です。

④労働災害

テレワークにおける労働災害の適用条件について確認しておきましょう。

通常のオフィス勤務においては、業務時間や通勤時間・休憩中などが労災の適用条件です。

そのため、テレワークにおいてもトイレや食事のために席を立った際でも労災が適用されます。

また、労災認定には業務時間とプライベートの時間の区別が必要です。

日誌をつけてもらう、定期面談で業務量を確認するなどの対策を行っていきましょう。

テレワークでの就業規則で迷ったら

テレワークにおける就業規則の変更について迷った場合には、厚生労働省が出している「テレワークモデル就業規則」を参考にしてみましょう。

テレワーク対象者や勤務時間の規定方法、具体例などが紹介されていますよ。

一通り目を通しておくと、就業規則の変更をする際に役立つでしょう。

>厚生労働省の資料を見てみる

テレワークの導入で就業規則を変更したら届出をしよう

就業規則を変更した場合には、労働基準監督署への届出が必要なので、忘れずに行うようにしましょう。

届出には以下3つの書類が必要です。

  1. 就業規則:変更したい就業規則
  2. 意見書:従業員代表が就業規則の変更に対する意見を述べた書類
  3. 届出書:就業規則の変更を届け出るための書類

以上3つの書類をそれぞれ2部ずつ提出します。

提出は管轄の労働基準監督署の窓口・郵送・電子送信などが利用できます。

就業規則の他にテレワークで必要なもの

ここまで、テレワークの導入による就業規則の変更について紹介しました。

実際にテレワークを導入する場合には、就業規則の整備のほかに以下も必要になります。

・デジタル端末
・通信環境
・作業環境
・コミュニケーションツール

以上を用意しておかないと、業務環境が整わずテレワークの導入に失敗してしまう恐れがあります。

導入前に何をどこで調達するのか、費用負担は会社か社員かなどを検討しておきましょう。

テレワークに役立つツール

テレワークを実施するには効率的なコミュニケーションを実現できるビジネスチャットツールが便利でしょう。

『DiSCUS』は、ビジネスシーンでも安心してお使いいただけるセキュリティ強度を誇っているうえ、メールアドレスだけで外部ユーザー招待が可能なので、顧客とのやり取りにも活用いただけます。

シンプルなチャットツールで、画面も見やすく操作性が良いため、ITツールに慣れていない方でも直感的な操作が可能です。導入方法や詳しい機能については、以下のリンクから無料資料をダウンロードして確かめてみてください。

>無料で『DiSCUS』の資料をダウンロードする

まとめ|テレワークの導入時には就業規則を見直そう

テレワークを導入する場合には、実務上と労働基準法上の2つの観点から就業規則の変更が必要です。

テレワークの導入には手間がかかりますが、しっかりと準備をしておかないと社内に定着しない可能性もあります。

記事中では就業規則の見直しポイントについて紹介しましたので、参考にしながら導入準備を進めてみてください。

おすすめ記事