テレワークの導入で不公平感が生じる原因と対策方法|社内の団結力を維持しよう
テレワークはコスト削減や感染症対策などの効果が得られます。
しかし、部署によっては導入が難しいため、テレワークができず通常出勤になる社員もいます。
それにより、社内で不公平感を抱く社員が出てくる可能性もあり、事前の対策が必要です。
この記事では、テレワークの導入によって生じる可能性のある不公平感やその対策方法を紹介していきます。
社内の混乱を未然に防ぎたい方、すでに生じてしまった不公平感を払拭したい方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事の内容】
テレワークを導入すると不公平を感じる人が出てくる
テレワークを導入することで社内から不満が出ることがあります。
まずは生じる可能性のある不満を把握し、1つずつ対策を練っていくことが重要です。
テレワークができない人からの不満をイメージする方が多いですが、テレワークをする側の人が不満をもつこともあります。
この記事では、テレワークをしている人としていない人の2つに分けて、それぞれが抱えやすい不公平感について紹介していきます。
双方の不公平感について対策することで、社内体制の安定化を目指していきましょう。
テレワークをしている人がもつ不公平感
テレワークをしている側の人がもつ不公平感として以下が挙げられます。
- 人事評価を受けにくい
- 環境変化によるストレスがある
- 孤独感・疎外感がある
- 通信費や光熱費がかかる
テレワークをしている人の不満は見落とされがちです。
テレワークへの移行によって誰でも少なからずストレスを抱えるものです。
テレワークをうまく運用していくためにも、テレワークをしている人の不公平感についても対処していきましょう。
①人事評価を受けにくい
テレワークをしている人は、人事評価を適切に受けられないという不公平感をもつことがあります。
テレワークでは仕事をする様子を上司に見てもらえないからです。
「正当に評価されているだろうか」といった不安から不公平感が募り、不満になるのです。
②環境変化によるストレスがある
テレワークへ移行をすると以下のような環境変化が起こります。
・通勤がなくなる
・1人でモチベーションを上げる必要がある
・周囲に気軽に相談できなくなる
・自宅で仕事をするスペースを作らなければならない
環境を整えるには労力がかかるため「通常出勤ならこんな苦労しなかったのに」などという不公平感が生じるのです。
変化を嫌う性格の人や人と集まることが好きな人がもちやすい不満と言えるでしょう。
③孤独感・疎外感がある
テレワークを行うと周囲に同じ仕事をする仲間がいなくなるため、孤独感や疎外感をもつ人も出てきます。
実際には同じ業務を行う仲間がおり、それぞれが仕事に向かっているのですが、姿が見えないことで孤独を感じることがあるのです。
また、通常出勤の人と比べて「自分には情報が伝わってきていないのでは?(共有が遅いのでは?)」といった不安も生じる可能性もあるでしょう。
チームの団結力が落ちてしまう原因になるため、社員の孤独感や疎外感への対策は重要です。
④通信費や光熱費がかかる
テレワークでは自宅で仕事を行うため、通信費や光熱費がかかります。
通常出勤に比べて出費が多くなることに対して不満が出るのです。
そのほか、自宅に仕事用のスペースを作る際に生じる出費もあるでしょう。
テレワークをしていない人がもつ不公平感
テレワークをしていない人が抱えやすい不公平感としては、以下5つが挙げられます。
- 通勤に時間やコストがかかる
- 休憩時間の自由度が低い
- サボりやすそうなイメージがある
- 電話対応などの雑務が増えた
- 仕事を振りづらくなった
自分の仕事環境は変わらないにもかかわらず、他の人が新しい環境に移っていくことに対する不公平感です。
不公平感が強くなると仕事へのモチベーションが低下し、会社の生産性にも響いてしまいます。
不公平感を軽減するためにも、社員がどんなことに対して不公平だと感じるのかを把握しておきましょう。
①通勤に時間やコストがかかる
通常勤務では通勤が必要なため、時間やコストがかかります。
社員からすれば通勤時間も仕事で拘束される時間にあたるため、テレワークで自宅勤務をする人を羨ましく思うのです。
とくに満員電車で通勤をする人は、身体的な負担も大きく感染症のリスクも高いです。
通勤の有無によって不公平を感じるのは当然の反応でしょう。
とは言え、交通費については会社の負担があることも多く、大きな不満になることはあまりないでしょう。
②休憩時間の自由度が低い
通常勤務ではオフィスで休憩するため、上司に呼び止められて仕事の話をすることもあります。
仕事仲間とランチを一緒にとる場合には、休憩時間中も会社に拘束されるような感覚をもつ人もいるでしょう。
一方、テレワークでは休憩を自宅で過ごせるようになるので、休憩時間は基本的に自分の自由に使えます。
この休憩時間の自由度の差について不公平感をもつのです。
③サボりやすそうなイメージがある
テレワークは上司の目が直接届かないため、サボりやすそうなイメージをもっている人もいます。
それゆえに「テレワークの方が楽そうだな」などと考え、不公平感をもつのです。
しかし、テレワークでは上司の目が届かない分、仕事に対する意欲を評価してもらうのが難しいです。
人事評価については成果物がメインになりやすく、テレワークをする社員はよい成果を出すために仕事をします。
サボりやすそうなイメージはテレワークへの理解が浅いからこそ生まれる考えです。
社員の意識改革を行ってテレワークに対する誤ったイメージを払拭していきましょう。
④電話対応などの雑務が増えた
テレワークを行う社員に対して電話がくると、通常勤務でオフィスにいる社員が対応する必要があります。
電話の内容を伝える作業も必要になるなど、今までよりも雑務が増えるのです。
電話だけでなく、郵便物の受け取りについても雑務が発生します。
雑務が増えることで不公平感を抱くのです。
⑤仕事を振りづらくなった
テレワークをしている社員に対して、仕事を振りにくくなることも不公平感の原因になります。
オフィスでないとできない仕事はもちろんですが、連絡をしづらくなることで頼む機会が減ることもあります。
その結果「テレワークをしている人は、自分よりも仕事が少ないのではないか」などという考えに至るのです。
オフィス勤務者とテレワークをしている人同士のコミュニケーションを円滑にすることが重要です。
テレワークによる不公平感を解決する方法
ここまで、テレワークにて生じる可能性のある不公平感について紹介しました。
どんな理由で不公平感が生まれるのかを理解したことで、社員への共感が可能になったでしょう。
実際に対策を行って社員の不公平感を軽減していきましょう。
テレワークによる不公平感を軽減する方法としては、以下7つが挙げられます。
- 社内全体の意識改革を行う
- デジタル化を進める
- 評価制度を明確にする
- 手当の支給を行う
- 時短勤務を取り入れる
- メンタルケアを取り入れる
- 情報共有を徹底する
以上7つを実施すると、記事の前半で紹介した不公平感が生じる原因のすべてを払拭できます。
社員同士の結束を高めたい場合には、ぜひ取り入れてみてください。
①社内全体の意識改革を行う
社内全体の意識改革を進めることで、社員からの理解を得られて不公平感が減っていきます。
テレワークを実施する理由や実施できない部署がある理由を、社内会議などで社員に周知していきましょう。
しかし、社員からの理解を得るためには、説明をするだけでなく実際に不公平さをなくしていく取り組みを行う必要があります。
この後紹介するそのほかの対策と組み合わせて実施してみてくださいね。
②デジタル化を進める
テレワークを導入するのであれば、社内全体をデジタル化していくようにしましょう。
たとえば、社内全体にテキストチャットを取り入れると、テレワークを行っている社員宛ての電話対応の手間がなくなります。
また、会議資料などもペーパーレス化を行ってデジタルファイルにて管理すれば、テレワークを行う社員への連絡も容易です。
テレワークを行う社員が感じる疎外感の軽減にもつながるでしょう。
さらに、資料に印鑑をもらうためだけにテレワークをしている社員を出社させる必要もなくなりますよ。
テレワークのメリットである移動時間と交通費の削減を今までよりも享受しやすくなるでしょう。
③評価制度を明確にする
テレワークの導入にあわせて評価制度の見直しも行っておきましょう。
対応の仕方は以下のような選択肢があるため、自社の方針によって選んでみてください。
・テレワーク勤務者もオフィス勤務者も成果物による評価をメインにする
・テレワーク勤務者は成果物による評価をしつつもビデオ面談などで意欲も評価する
・テレワーク勤務者は成果主義、オフィス勤務者は意欲も考慮して評価する
④手当の支給を行う
手当を支給して不公平感を軽減させるのも効果的です。
たとえば、テレワーク勤務者に光熱費や通信費の手当を出せば出費に関する不公平感を軽減できます。
毎月手当をつけてもよいですし、仕事環境を整える最初だけ一時支給するのもよいでしょう。
手当を取り入れる場合には、支給条件や上限額、実施期間などを明確にしておくのを忘れないようにしてくださいね。
条件などを明確にしておかないと手当の支給についても不公平感が生まれてしまいますよ。
⑤時短勤務を取り入れる
オフィス勤務者に時短勤務を取り入れることで、拘束時間の長さを軽減してみましょう。
テレワーク勤務者に対する不公平感への対策になります。
自社の状況や方針的に時短勤務を取り入れにくい場合には、フレックス制も検討してみてください。
出社時間をずらせるようにすることで、通勤時間帯のラッシュやオフィスでの三密を避けられるため感染症リスクを下げられます。
社員の労働時間も変化しないため、生産性も維持できますよ。
⑥メンタルケアを取り入れる
産業医の利用を促進したり、面談を行ったりなど、社員のメンタルをケアするのも有効です。
テレワークを導入すると勤務体制が大きく変わるため、テレワークをする人もそうでない人にも少なからずストレスがかかります。
ストレスがかかった状態になると、ちょっとしたことで不公平感を抱きやすくなります。
社員がテレワークの導入に対する自分の気持ちを誰かに話すことで整理し、変化に適応できるようにサポートしていきましょう。
⑦情報共有を徹底する
テレワーク勤務者とオフィス勤務者の間で情報共有を徹底していきましょう。
情報共有を行うと、テレワーク勤務者の疎外感やテレワーク勤務者への仕事の振りづらさの軽減につながるからです。
業務連絡がしっかりと行われていれば、テレワークを行っている社員も皆と共に働いている実感が得られるでしょう。
また、社員がどんな仕事を抱えているかや、進捗状況をリアルタイムで共有すれば仕事の配分もしやすくなりますよ。
ツールを活用するなどして、コミュニケーションを円滑に進めていきましょう。
テレワークに役立つツール
テレワークを実施するには効率的なコミュニケーションを実現できるビジネスチャットツールが便利でしょう。
『DiSCUS』は、ビジネスシーンでも安心してお使いいただけるセキュリティ強度を誇っているうえ、メールアドレスだけで外部ユーザー招待が可能なので、顧客とのやり取りにも活用いただけます。
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まとめ|対策を行ってテレワークの不公平感を軽減しよう
テレワークの導入によって生じる不公平感とその対策方法について紹介しました。
不公平感は対策を行うことで軽減できます。
テレワークによるコスト削減や業務効率アップなどのメリットを最大限に享受するためにも、不公平感の払拭に取り組んでいきましょう。
記事で紹介した対策7つを行うことで、テレワーク勤務者とオフィス勤務者の両方の不公平感を取り除けます。
1つずつ取り組んで社内体制の改善を行ってみてくださいね。