テレワークの自由度を上げるペーパーレスとは?|メリットや導入方法を紹介
「会社に行かないと重要書類が見られない」
「テレワークなのに押印のために出社する必要がある」
以上のように書類の取り扱いで悩みを抱えている場合には、ペーパーレス化を進めていくのがおすすめです。
書類をデジタル上で管理すればテレワークをする際にも、出社の手間を省けるからです。
しかし、ペーパーレスとはそもそもどんなものなのか、どうすれば導入できるのかなどについて疑問を抱えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、ペーパーレスの種類や導入するメリット・導入手順について紹介していきます。
書類を扱うことで業務効率が落ちてしまっている方はぜひ参考にしながら、ペーパーレスの導入を検討してみてください。
【この記事の内容】
テレワークを行う上で欠かせないペーパーレスとは
ペーパーレスとは紙の書類を使わずに業務を進めていくことです。
書類をデジタル上で管理することで、社員に共有するために何十部も印刷したり、配布したりする手間がなくなります。
在宅勤務などのテレワークを行う際にも、押印のために出社するなどの手間が省けて業務効率が劇的にアップします。
感染症のリスクが新しく出てきたことでテレワークが普及し、その影響でペーパーレスにも注目が集まってきました。
デジタル書類に押印できるサービスや、デジタル書類をネット上で管理して社内で自由に共有できるクラウドサービスも出てきています。
紙と判子が必要だった業務も、現代ではデジタル端末とネット環境で代用できるようになっているのです。
ペーパーレスを導入するメリット
ペーパーレスはテレワーク下での出社回数を減らすのに役立ちます。
そのほかにも、ペーパーレスを導入すると以下5つのメリットが得られます。
- 業務を効率化できる
- コスト削減ができる
- セキュリティが強固になる
- 属人化を防ぎやすい
- 災害時の損失を軽減できる
端的に言うと、経営の安定化やリスクへの耐久度アップにつながるのです。
それぞれのメリットについてより詳しく見ていきましょう。
①業務効率化
デジタル書類を扱うようになると、以下3つの要因から業務効率がアップします。
- 検索が容易:探したい書類がすぐに見つかる
- 場所にとらわれない:デジタル端末があればどこでも書類を見られる
- 経年劣化がない:素材が劣化しないので作り直す必要がない
1回1回の手間は小さなものですが、多くの書類を扱う会社ほど以上3つに長い時間を費やしています。
デジタル書類を利用するペーパーレスを導入すれば、書類管理にかかる時間を削減できるようになります。
事務作業の効率が上がることで、売上に直結する他の業務に割ける時間が増えるので、経営の安定化にもつながるでしょう。
②コスト削減
ペーパーレスを行うと、紙・インク・プリンター・書類を保管する場所にかかるコストを削減できます。
ペーパーレスを導入していない場合には、業務を進めていく上で書類の作成・管理は必須です。
そのため、紙やインクなどはほとんど固定費のように毎月・毎年とコストが積み重なっていきます。
ペーパーレスを導入するとすべての書類を1つのデジタル端末で管理でき、これらのコストを大幅に削減できるのです。
とくに書類を管理する場所がいらなくなると、オフィスも小さくて済むので大きなコスト削減につながります。
テレワークも同時に導入するのであれば、社員が過ごすためのスペースも狭くてよいですし、都市部に構える必要もなくなるでしょう。
オフィスの賃貸料を削減すれば固定費が大きく下がるため、経営の安定化につながりますよ。
また、紙を使用しない業務のあり方は環境にやさしいため、会社としての環境問題への取り組みとしてもアピールできるでしょう。
③セキュリティが強固になる
「デジタル上で書類を管理する」と聞くと多くの人が不安になるのが、セキュリティ上の問題でしょう。
「ハッキングされるのではないか」などと不安を感じてしまいますよね。
しかし、紙の書類であっても打ち合わせで訪れたカフェに置き忘れるなどして、情報が流出することがあります。
このケースでペーパーレス化をしていた場合も考えてみましょう。
デジタル端末をカフェに忘れた場合には、端末や書類にパスワードを設定しておくことで情報漏洩を防げます。
ネット上のデータについても暗号化された通信を使用したり、信用あるサービスを利用したりすることで情報漏洩のリスクを抑えられます。
紙の書類を使用するよりも、デジタル上で管理する方がセキュリティが強固である場合もあるのです。
とくにテレワークを取り入れている状態では、社員が会社の書類を持ち出すことが増えています。
置き忘れによる情報漏洩リスクが高まっているので、ペーパーレス化によってリスクを抑えていくのがおすすめですよ。
④属人化を防ぎやすい
紙の書類で情報を管理している場合には、情報が社員個人の持ち物として扱われることが多いです。
その社員が退職してしまうと、業務の進め方についての情報が失われるなどの属人化リスクがありました。
しかし、ペーパーレスを導入すると情報はすべて会社の管理下に置かれます。
そのため、業務の属人化を防いで社員の異動や退職があった場合でも、通常通り業務を進められるのです。
社員が辞めるたびに業務に支障が出ている場合には、ペーパーレスの導入で解決する可能性がありますよ。
⑤災害時の損失を軽減できる
紙の書類でデータを管理している場合、火災などの災害が起こると大切なデータがなくなってしまう可能性があります。
しかし、ペーパーレスを導入しておけば、たとえ業務で利用しているデジタル端末が破損してしまってもデータがなくなることはありません。
デジタル書類をネット上に保存しておくことで、会員情報さえ残っていれば違う端末から書類にアクセスできるからです。
このように、災害が起こった場合でも、ペーパーレスをしていれば業務への影響を最小限に抑えられるのです。
万が一のリスクへ備えておきたい方は、ペーパーレスの導入を前向きに検討していきましょう。
ペーパーレスを導入するデメリット
ペーパーレスを導入するデメリットとしては、導入に手間がかかることが挙げれれます。
今まで使用してきた膨大な数の書類をデジタル化するのは、なかなかに骨が折れる作業です。
また、業務の進め方そのものが変化するため、社員が一時的に混乱する可能性もあります。
とくにIT関連に苦手意識のある比較的、年齢層が高い社員にとっては戸惑いが大きいでしょう。
ただ、導入の手間や混乱は一時的なものですので、長い目で見れば導入した方が好影響の方が多いと言えます。
ペーパーレス化のメリットに魅力を感じる場合には、前向きに検討するのがおすすめです。
ペーパーレスは2種類ある
ペーパーレスに魅力を感じ、導入を検討し始めた方もいるでしょう。
ペーパーレスを行う方法は2種類あるため、それぞれのメリットデメリットを考慮した上で適切な方を選ぶことが重要です。
- スキャナ保存
- 電子データ保存
①スキャナ保存
スキャナ保存は、紙の書類を専用の機械で読み取ることでデジタルデータに変換する方法です。
既存の書類をデジタル化するのに適しています。
ただ、専用の機材を購入するコストがかかり、新規書類を作成する場合には紙の書類の作成と読み取りの2ステップを行う必要があります。
既存の書類が膨大で、手軽にデジタル化をしたい場合におすすめの方法です。
②電子データ保存
電子データ保存は、最初からデジタル上で書類を作成して保存する方法です。
初めからデジタル上で作成するので、新規書類のペーパーレス化に適しています。
ただ、既存書類をデジタル化する場合には、一からデジタル上で入力が必要になります。
既存書類については重要度の高いものだけをデジタル化し、その他の書類は紙のまま扱うなど使い分けをしていくのがおすすめです。
テレワークを行うためにペーパーレスを導入する手順
実際にペーパーレスを導入する際には、以下5ステップで進めていきます。
- 社員の同意を得る
- データ管理のルールを作成する
- 一部に導入してみる
- ルールや環境などの不備を修正する
- 状況を見て導入範囲を広げる
業務のやり方が大きく変わるため、社員からの理解を得ることと社内の混乱を最小限に抑えることが重要です。
以上5ステップで行うことでどちらもうまく進めていけますよ。
①社員の同意を得る
まずは社員からの理解を得ることから始めましょう。
その際には「ペーパーレス化をします」とだけ伝えるのではなく、何を目的としてペーパーレスを行うのかなど、会社全体としての考えも伝えていきましょう。
現場で働く社員だけでなく、経営に携わる役員などにもしっかりと周知して理解を得るようにしてください。
傾向として、年齢層の高い経営陣の方がペーパーレスに対して抵抗を感じる方が多いです。
経営陣が改革に積極的でないと現場の社員にも伝わってしまい、ペーパーレスの導入がうまくいかない可能性があります。
導入によってどんなメリットがあり、どれだけ経営の安定化つながるのかなどを伝えて同意を得るようにしましょう。
②データ管理のルールを作成する
デジタル上で書類を扱う際のルールを決めておきましょう。
「限られた人が関わるプロジェクトの書類については、プロジェクト参加者にのみアクセス権を与える」などです。
プロジェクトに関係のない他の社員が勝手に書類を閲覧したり、編集を加えたりしてしまうと業務に悪影響が出るからです。
そのほかにも、パスワードの管理方法やデータのコピーについての規定などを整えてみてください。
③一部に導入してみる
ペーパーレスをいきなり会社全体に導入すると、社内の混乱が大きくなり過ぎてしまいます。
そのため、書類が少ない部署や人数が少ない部署などに協力を要請して、ペーパーレスを試験的に導入してみましょう。
④ルールや環境など不備を修正する
実際に導入することでルールの不備などが見えてきます。
ルールの不備など環境整備が足りていないと感じる部分について改善していきましょう。
実際に運用することで見えてきた具体的な問題点を解決していくことで、導入範囲を広げる際の混乱を抑えられますよ。
⑤状況を見て導入範囲を広げる
実際にやってみてペーパーレスの業務効率の良さを実感したり、改善を繰り返して順調に運用できたりしたら導入範囲を広げてみましょう。
試験導入の反省を活かして範囲を広げていくことで混乱が少なくて済みますし、他の部署からの声を聞いて「うちも取り入れたい」と感じる社員も出てくるでしょう。
会社全体に導入しなくてもよいので、導入によるメリットが大きそうな部署や書類から取り掛かってみてください。
ペーパーレスを行う際の注意点
ペーパーレスを導入する際には、以下2点について注意するようにしましょう。
- 顧客への配慮も必要
- 国税関係の書類は許可が必要
社内でペーパーレスがうまく浸透して運用できても、社外との関係が崩れてしまっては業務に支障が出てしまいます。
導入前に注意点を確認しておき、リスクを回避していきましょう。
①顧客への配慮も必要
顧客との取引で使う書類をデジタル化する場合には、顧客からの理解も必要になります。
顧客にもデジタルで対応してもらうように前々から告知するなどしておきましょう。
理解が得られない場合には、従来通り紙の書類で対応するか取引を中止するなどして対応してください。
②国税関係の書類は許可が必要
帳簿など国税が関わる書類をデジタルで管理するためには、許可を得る必要があります。
帳簿などの重要書類をデジタル化したい場合には、事前に申請して税務署長の承認を得るようにしてくださいね。
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まとめ|ペーパーレスを導入してテレワークの自由度を上げよう
ペーパーレスについて紹介しました。
ペーパーレスを導入するとテレワーク化の出社回数を抑えられるので、働きやすさや自由度が高まります。
「テレワークにしたけど意外と出社で大変」などと感じている場合には、ペーパーレスの導入を検討してみてくださいね。