テレワークの効率化をする方法|企業・社員ができることをそれぞれ解説
「テレワークは業務効率化に役立つと聞いていたけど、思ったほどではなかった」
「テレワークの効率化をする方法を知りたい」
「テレワークの効率化が難しい理由を知りたい」
テレワークは通常勤務と比べて移動時間が少なくスケジュール調整などが容易なため、一般的には業務効率がアップすると言われています。しかし、テレワーク環境をうまく整えないと逆に効率が下がってしまうことがあります。
効率化を狙ってテレワークを導入したにもかかわらず、生産性が落ちてしまっては困るでしょう。
そこでこの記事では、テレワークの効率化が難しい理由を紹介した上で、企業・社員ができる効率化方法をそれぞれ7つずつ解説します。
自社の生産性をアップさせたい経営者・管理職の方はもちろん、自分のパフォーマンスを高めて評価アップにつなげたい社員の方もぜひ参考にしてください。
【この記事の内容】
テレワークの効率化に関する3つの課題
テレワークでは以下3つの要因から、効率化を目指すのが難しくなっています。
逆に言うと、以下3つの課題さえクリアしてしまえば効率化ができるのです。どんな課題なのかを理解することで、解決するために必要な行動が見えてきます。
テレワークの効率化を目指していきたい人は、確認しておきましょう。
- ①モチベーションの低下
- ②管理業務の困難化
- ③生活環境の変化
①モチベーションの低下
テレワークでは業務に対してのモチベーションが低下しやすいです。1人で仕事をしているように感じたり、業務内容が明確でないために成果が見えにくくなったりするからです。
経営者・管理職の方は、社員がモチベーションを維持しやすい環境を整えることを意識していきましょう。社員の立場である方は、自分がモチベーションが下がりやすい状況にあることを覚えておき、意識的にやる気アップのための行動をとるようにしていきましょう。
②管理業務の困難化
テレワークでは管理業務が思うように進まないことがあります。今までは目視で確認できていた、社員の勤怠や進捗状況が見えなくなるからです。
たとえば、どんな表情で業務をしているのかがわからず、仕事量や仕事内容はその人に合っているのかが把握しにくいことなどが挙げられます。直接会わずとも管理業務をスムーズに行える環境を整える必要があります。
経営者・管理職の方はツールの導入や業務内容の共有などを通して、社員の働きぶりを可視化するよう心がけていきましょう。社員の方は自分の業務状況をシェアして、周囲がサポートしやすい状態を整えてみてください。
③生活環境の変化
テレワークでは業務の進め方が変わるだけでなく、生活環境そのものが変化します。そのため、生活リズムが崩れることで集中力が落ち、結果として効率が下がるのです。
テレワークを導入するなら、経営者・管理職・社員の全員が生活リズムをテレワークの働き方に合わせて整えていくことが大切です。業務の進め方を工夫することはもちろん大切ですが、生活基盤がしっかりしていないと個々がもっている力を発揮することもできません。
テレワークにはテレワークのライフスタイルがあることを意識し、無理なく継続できる暮らし方を模索していきましょう。
企業ができるテレワークの効率化
企業側ができるテレワークの効率化方法を7つ紹介していきます。
- ①マニュアルやルールを整備する
- ②業務を可視化して共有する
- ③集中するコツを共有する
- ④時間管理の仕方をサポートする
- ⑤備品の整備にかかる費用を負担する
- ⑥目標設定と振り返りのプロセスを義務付ける
- ⑦コミュニケーション環境を整える
①マニュアルやルールを整備する
テレワークでは業務の進め方が変化するため、マニュアルやルールを整備することが重要です。
テレワークをするにあたって導入したツールの使い方や、業務連絡の方法・勤怠管理のやり方などをマニュアルにまとめてシェアしましょう。
社員がやり方がわからず戸惑ってしまうとそれだけ時間のロスが生まれます。業務を進める中で疑問点が生まれないようにするのが理想的です。
②業務を可視化して共有する
業務内容を可視化して共有するようにしましょう。業務の進め方を明らかにすることはもちろんですが、評価の基準にしたり仕事を振るときの指標にしたりする意味合いもあります。
また、社内にどんな業務があって誰が担当しているのかを明確にすることで、社員自身が「チームの一員である」という認識をもちやすくなります。孤独感はテレワーク下でのモチベーション維持に悪影響を与えるため、業務の可視化は重要なプロセスです。
テレワーク下で円滑に業務を進めるためにも、業務内容の可視化・共有に取り組んでいきましょう。
③集中するコツを共有する
テレワークはオフィスでの勤務とは異なり、緊張感がなくなり集中しにくくなります。上司の目が届きにくい上に、人によっては自宅というプライベート空間で仕事をすることになるからです。
従来であれば場所を移動することで自然にできていた、仕事とプライベートの線引きを違う方法で行う必要があるのです。集中する環境を整えることを社員個人の努力に任せると、パフォーマンスにばらつきが出てくるでしょう。
テレワークでも安定したパフォーマンスを維持するためにも、企業側が集中するコツを共有するのがおすすめです。記事の後半で、社員個人ができるテレワークの効率化を紹介しているのでこちらの内容を参考にしてみてください。
④時間管理の仕方をサポートする
テレワークでは周囲の人の働きぶりが見えないため、時間がうまく使えない人が出てくることがあります。始業時間になってもプライベート感覚が抜けずに集中できなかったり、逆に根を詰めすぎて休憩を取らずに働き続けてしまったりするのです。
オフィス勤務であれば他の人が猛烈に集中している様子や一息ついている様子などが見えるため、「私も頑張ろう」「ちょっと休憩しようかな」と自然とメリハリをつけられます。テレワークではこういったことがなく、基本的に社員は自分1人で時間管理を行うことになるのです。
企業側がある程度のタイムスケジュールを提供したり、定期的に会議を設定したりしてサポートするのがおすすめです。時間管理アプリの利用を推奨するのもよいでしょう。メリハリをつけて社員が集中できる環境を整えてみてください。
⑤備品の整備にかかる費用を負担する
集中できるテレワーク環境を整備するための費用を、会社が負担するのも1つの方法です。テレワークを開始する際には、社員が自宅で業務を行うスペースをつくることになるからです。
社員が個人的に所有している机や椅子などは、業務に集中するために適しているとは限りません。ソファなど、むしろリラックスする用途で用いられるものも多いです。
シンプルなデザインで気を取られにくく、人間工学に基づいているなど疲れにくいグッズを使用すると集中しやすくなります。しかし、こういったグッズへの投資を渋る人もいるかもしれません。
企業が費用を負担すれば環境整備に対してやる気をもてる人が増えます。集中して高いパフォーマンスを発揮してもらうためにも、社員をサポートしていきましょう。なお、費用の負担ではなくグッズを現物支給する方法もあるので、自社の方針や予算にあう方法を実践してみてください。
⑥目標設定と振り返りのプロセスを義務付ける
社員に対して目標設定と振り返りのプロセスを行うよう義務付けるのも効果的です。テレワークでは相手の喜ぶ顔を見る機会が少ないことによって達成感を得にくいからです。
目標を掲げてどのくらい達成できたのかを明らかにすれば、社員自身が達成感を味わいやすくなります。また、社員のパフォーマンスを明らかにできるので、管理業務や評価をしやすくなって企業側にもメリットがあります。
ただし、これらのプロセスを頻繁に行うと通常業務に取り組む時間が少なくなってしまうので注意しましょう。月単位・週単位など通常業務を圧迫しない頻度を探してみてください。
⑦コミュニケーション環境を整える
コミュニケーションを気軽にできる環境を整えて、テレワークでもスムーズに連携できるようにしておきましょう。テレワークでは対面と違い、人とすれ違う機会がなくふと思いついて声をかけるといったこともありません。
意識的にコミュニケーションの機会をつくらなければ、会話が生まれないのです。コミュニケーションが不足すると、指示がうまく行き届かず認識のズレが生じたり、孤独感がつのって仕事へのモチベーションが低下したりします。
チャットツールを導入するなどの対策をして、コミュニケーションを気軽に取れる環境を整えていきましょう。
なお、テレワーク下のコミュニケーション不足を解消する方法については以下の記事を参考にしてください。
>テレワークにおけるコミュニケーション不足を解決する3つの方法|注意点も紹介
社員個人ができるテレワークの効率化
続いて、社員個人ができるテレワークの効率化方法を7つ紹介します。
- ①生活基盤・メンタルを整える
- ②集中できるデスク環境を整える
- ③集中時間と休憩時間をつくる
- ④タスクに優先順位をつける
- ⑤1つのことに集中する
- ⑥目標・進捗確認を徹底する
- ⑦コミュニケーションを大事にする
①生活基盤・メンタルを整える
テレワークに適した生活基盤を整え、メンタルが安定するように心がけましょう。テレワークを導入すると通勤がなくなったり、通勤時間が短くなったりするため生活スタイルそのものが変化するからです。
仕事の進め方をいくら工夫しても、心身の健康がなければ長続きしません。毎日継続してパフォーマンスを発揮するには、健康的な生活基盤が何よりも大切なのです。
通勤時間の変化に合わせて、就寝時間や起床時間を調整しましょう。また、通勤による運動が減るため、意識的に運動習慣をつけることが大切です。
「元々の通勤時間は散歩に行く」「休憩時間にストレッチをする」などの工夫もおすすめです。運動不足は脳の酸素不足につながり、集中力が低下する原因になるからです。
健康的な生活を心がけていれば、自ずと精神的にも安定していきます。やる気をもって仕事に取り組むためにも、生活の基盤を整えていきましょう。
②集中できるデスク環境を整える
集中しやすい環境を整えるようにしてください。テレワークでは仕事をする場所も自分で確保する必要があります。
プライベートでも使う自宅のソファやテーブルなどで業務を行うと、気が緩んで集中できないこともあるでしょう。プライベートと仕事をしっかり分けることが重要です。
仕事に関係のないものが視界に入らず、家族などの同居人の生活音が気にならない環境がベストです。仕事部屋をつくったり、壁に向かってデスクを置いて家具で部屋を仕切ったりなどの工夫をしていきましょう。
また、ゲーミングチェアなど長時間座っても疲れにくいグッズを使用するのも有効です。
③集中時間と休憩時間をつくる
集中する時間と休憩する時間を意識的につくることで高い集中力を維持していきましょう。
テレワークでは周囲の人の様子がわからないため「遅れを取りたくない」などといった焦りから、休憩をとりにくくなってしまうことがあります。
一般的に労働時間は1日8時間ですが、8時間ずっと集中し続けるのは難しいものです。オフィスでの勤務であれば仲間と談笑する時間などがあり、うまくリフレッシュできるでしょう。しかし、テレワークではこういった機会がなく、業務を詰め込みすぎてしまうのです。
「25分集中して5分休む」「50分集中して10分休む」などとルールを設定して、労働時間中にも休息をする時間を確保してください。休息時間には水分をとったり、トイレに行ったり、軽くストレッチをしたりして仕事の疲れを癒すのがおすすめです。
窓を開けて空気を入れ替え、外の景色を見るのも目を休めるのに効果的です。いったん仕事から離れることを意識しましょう。短い時間に区切ることで、高い集中力を維持しやすくなるのでぜひ実践してみてください。
④タスクに優先順位をつける
タスクに優先順位をつけて順位の高いものから取りかかるように心がけましょう。テレワークでは進捗状況の確認がしにくいため、自分自身で管理しなければいけない場面が多くなるからです。
自分のデスク近くを通りかかった上司から「〇〇はどのくらいで仕上がりそう?」などと声かけをしてもらう機会もありません。それぞれのタスクの期日を把握し、緊急性の高いものから取り組みましょう。
そのほか、時間がかかるものや力を入れて取り組むべきタスクについても、優先的に取り組むのがおすすめです。その際には、余計な情報が少なく頭がクリアな午前中に取り組むとスムーズに進むでしょう。
⑤1つのことに集中する
1つのことに集中することで、高いパフォーマンスを発揮していきましょう。マルチタスクは脳が疲れやすい上に、あまり効率がよくありません。仕事をした気にはなれても、成果が出にくいのです。
締め切りを確認して優先順位をつけておけば「あれもやらなければ」といった気持ちに惑わされず、目の前の業務に集中しやすくなります。また、「25分集中して5分休む」といったポモドーロテクニックを活用すれば、時間の区切りができるためタスクの切り替えもしやすいです。
効率化のテクニックを組み合わせることで、相乗効果を生み出してみてください。
⑥目標・進捗確認を徹底する
目標や進捗の確認を忘れずに行うようにしましょう。テレワークでは人から褒められるなどの機会が少なく、モチベーションの維持が課題になるからです。
自分自身がやり遂げた仕事を可視化することで達成感を得やすくするのです。
管理業務がしにくいテレワークでは、自分自身のマネジメント(セルフマネジメント)を求められる場面も多くあります。上司に言われなくとも自分自身で目標や進捗の確認を行い、効率よく仕事を進められるスキルを身につけていきましょう。
普段から行っておけば、上司からいつ進捗状況の共有を求められても慌てることがなくなります。プレッシャーやストレスも軽減してメンタルにもよい影響があるでしょう。
⑦コミュニケーションを大事にする
テレワーク下ではコミュニケーションを積極的に取るように意識していきましょう。テレワーク下ではコミュニケーションが不足しやすく、それによって業務が滞ったり仕事へのやる気を失ったりしてしまうことがあるからです。
あなた自身がコミュニケーションを意識的に取るようにすれば、周囲の社員は自然とコミュニケーションの機会が増えます。孤独感に苛まれて辛い思いをしたり、認識のズレからミスをしたりすることが減ります。
自分自身のパフォーマンスだけでなく、会社全体のパフォーマンスアップにつながるのです。「成果を出したい」「自社を盛り上げたい」という方はぜひ実践してみてください。
テレワークの効率化ならビジネスチャットツール
テレワークの効率化にはコミュニケーションの円滑化が欠かせません。業務をスムーズに進めていくためには、連絡を密に取り合ってチーム内で共通認識をもてるようにしていくことが重要だからです。
そして、コミュニケーションの円滑化にはビジネスチャットツールが有効です。
電話やビデオ通話とは異なり、同時接続が不要でお互いが都合のよいタイミングで連絡できるからです。また、1画面で履歴を確認できるのでメールよりも情報管理が容易です。
ちなみに『DiSCUS』なら余分な機能を削ぎ落とし、チャット機能に絞っているので画面が見やすく操作も簡単です。迷いなく利用できてストレスが少ないので、業務効率化に向いています。
『DiSCUS』は、リーズナブルな価格設定でコストパフォーマンスも高いです。より詳しく知りたい方は以下のリンクから無料資料請求を申し込んでください。
まとめ|テレワークを効率化してパフォーマンスを高めよう
テレワークの効率化を図る方法を紹介しました。
効率化をしていくためには企業・社員の双方が協力することが大切です。まずは企業から取り組みを始めることで、社員にも効率化の重要性を伝えていきましょう。
テレワークを効率化する方法としてツールを導入するのもおすすめです。テレワークの効率化に役立つ便利ツールについては、以下の記事で解説しているのでこちらもあわせてご覧ください。