インナーコミュニケーションとは?活性化させるメリット・おすすめ施策と成功させるコツ
昨今、インナーコミュニケーションの重要性が叫ばれるようになりました。
とは言え、インナーコミュニケーションという言葉が聞きなれない方もいるでしょう。
結論からお伝えすると、インナーコミュニケーションは社内コミュニケーションのことです。
本記事では、インナーコミュニケーションのメリット、活性化させる方法を紹介します。
コミュニケーション不足を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事の内容】
インナーコミュニケーションとは?
インナーコミュニケーションは、企業内で行われるコミュニケーションのことです。
そのほかの呼び名として、以下2つが挙げられます。
- 社内コミュニケーション
- インターナルコミュニケーション
どれも同じ意味で使われるので覚えておくと良いでしょう。
インナーコミュニケーションが注目される理由
インナーコミュニケーションは、以下3つの理由によって注目を集めています。
- ①テレワークの普及
- ②終身雇用の崩壊
- ③プライベート重視志向の増加
①テレワークの普及
テレワークが普及したことで、コミュニケーションが希薄化したと感じる方もいるでしょう。
それぞれが違う場所で仕事をするテレワークにおいて、オフィスで働いている時と同じように会話をするのは難しいものです。
相手の姿が見えないからこそ孤独感を抱き、それゆえに不安になったり、声をかけることに抵抗を感じたりしたことがあるかもしれません。
このような経験から、多くの人が仕事におけるコミュニケーションの重要性に気づき、手を打とうと考えているのです。
ちなみに、希薄化したコミュニケーションへの対処法は以下の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
>コミュニケーションが希薄な職場への対処法|会話を好まない社員も納得の方法とは?
②終身雇用の崩壊
少子高齢化が進むなどの社会構造の変化によって、終身雇用制度が崩壊したこともインナーコミュニケーションが注目された理由の1つです。
終身雇用制度が崩壊したことにより、従来よりも人員の入れ替わりが激しくなりました。
その結果、以下の要因からコミュニケーションの重要度が高まっています。
- 新しい人が入ってくる機会が増え、互いを理解する機会が必要になった
- 働き方への考え方が多様化し、指導の最中にすり合わせが必要になった
- 入れ替わりを防ぐために自社への愛着形成が必要になった
③プライベート重視志向の増加
ワークライフバランスを重視し、プライベートの時間を大切にする人が増えたことも要因です。
若い世代を中心に、業務時間外の食事会などに参加する人が少なくなってきています。
そのため、業務時間内でいかにコミュニケーションを図るかが課題になっているのです。
インナーコミュニケーションの目的・メリット
インナーコミュニケーションの目的やメリットを理解し、目的意識をもって取り組めるようにしておきましょう。
- ①モチベーションの向上
- ②離職率の低下
- ③生産性アップ
①モチベーションの向上
インナーコミュニケーションの活性化によって、仕事に対するモチベーションの向上効果が得られます。
互いに理解を深めることは仲間意識を生み、「仲間のために頑張ろう」という意識につながるからです。
収入アップやスキルの取得などといったモチベーションの形もあるでしょう。
しかし、収入やスキルはほかの企業でも得られるのに対し、その仲間はその会社でしか得られません。
それゆえに自社への愛着をもってもらうためには、コミュニケーションの活性化が重要なのです。
②離職率の低下
インナーコミュニケーションにより、自社への愛着が強まると離職する人が減ります。
- 自社に貢献したい
- 今のこの仲間と一緒にいたい
このような気持ちが自社に留まる理由になるのです。
また、社員が長く働いてくれる企業は、外部からの評価も高くブランドイメージも良いです。
「ここで働きたい!」と言ってくれる人が増え、人材獲得が今までよりも容易になることも考えられます。
人材の獲得には多大なコストと時間がかかるため、離職率を下げることで自社の成長速度が加速するでしょう。
③生産性アップ
インナーコミュニケーションを実施すると、生産性アップにつながります。
- 社員のモチベーションが高く業務効率が良くなる
- 仲間意識によりチームワークが良くなる
- 自社への愛着が強くなり離職率が下がる
コミュニケーションによる生産性の向上は、最初は効果を得るのに時間がかかりますが、長期的に効果が続くのが特徴です。
時代による変化が訪れても、高いパフォーマンスを出し続けるには、こういった長期的な生産性の向上が欠かせません。
インナーコミュニケーションを活性化させる施策
インナーコミュニケーションを活性化させて、生産性を高めたい場合には、以下5つの施策を取り入れてみてください。
- ①部署や席の配置を工夫する
- ②社内報を活用する
- ③雑談する機会を提供する
- ④ビジョンの共有を強化する
- ⑤コミュニケーションツールを取り入れる
①部署や席の配置を工夫する
部署や席の配置を工夫することで、コミュニケーションが発生しやすい環境を整えられます。
顔を合わせる機会が増えるだけで、互いに挨拶をするなどコミュニケーションのきっかけが生まれます。
特定の部署間の交流が少ないと感じるなら、部署同士を近くに置くのが良いでしょう。
また、社員の席を固定せずに自由に選べるフリーアドレス制もおすすめです。
どこに誰がいるのかが常に変化するため、人づてに探すなど、人との関わりが増えます。
ただ、緊急時にはこの手間が障害になってしまう可能性があるので、内線などすぐに連絡できる手段を整えておくことが大切です。
②社内報を活用する
社内報でさまざまな情報を社内に共有するのもおすすめです。
コミュニケーションを活性化するときには、共通の話題を見つけられるかどうかが大きな鍵になるからです。
社内報は全社員に共通の情報を伝えられるため、最初の話題作りに非常に役立ちます。
普段は接点が少ない他部署について理解を深めることにもつながり、対立しやすい部署の仲が深まったり、新しい視点が生まれたりすることもあるでしょう。
また、社内報は社内の掲示物や配布書類などのオフラインで広める方法と、チャットツールなどを利用したオンラインで広める方法があります。
ペーパーレス化・DX化の進み具合や、社員の目につきやすいものは何かなどを考慮して決めると良いでしょう。
>DX化では円滑なコミュニケーションが欠かせない|速さ・広さ・深さが段違い
③雑談する機会を提供する
社員が気兼ねなく雑談できる機会を提供するのもおすすめです。
業務連絡でも相手に配慮する姿勢が互いの好感を高めることもありますが、雑談の方が仲を深める効果が高いからです。
雑談は業務上のコミュニケーションよりも、人柄が現れやすく、だからこそ相手を魅力的に感じる機会が多くなります。
「仕事において雑談は不要だ」と考える人もいますし、会社からの評価を気にして雑談を控えている人もいるでしょう。
そのため、社員の交流のために雑談を促したい場合には、雑談をしてもいい場所や時間を定めるのがおすすめです。
アイスブレイクやシャッフルランチなどの、社内イベントを取り入れると行いやすいです。
ただ、雑談は度が過ぎると業務に支障をきたしてしまいます。
取り入れるのであれば、馴れ合いの関係性にならないよう、評価指標を明確にしておくなどの対策も忘れないでください。
④ビジョンの共有を強化する
自社が解決したい社会課題などのビジョンの共有を徹底するのも1つの方法です。
ビジョンが社内に浸透していれば、同じビジョンに向かって頑張る仲間に対して親近感を抱きやすいからです。
同じビジョンをもっていると感じていれば、「綺麗事だと揶揄されるのでは?」といった懸念が減り、仕事に対する熱意を表明しやすくなるでしょう。
仕事上のチームワークを向上させたいときに有効です。
⑤コミュニケーションツールを取り入れる
コミュニケーションツールを取り入れて、社員がさまざまな形で交流できるようにしておきましょう。
とくに営業部など、外出が多い部署ではコミュニケーションの機会を設けるのが難しいです。
コミュニケーションツールを使えば、同じ場所にいない人に対しても気軽に声をかけられるようになります。
たとえば、ビジネスチャットツールなら電話のように相手の予定を気にする必要もなく、メールのように長文を入力する必要もありません。
気軽に使える上に、返信速度もメールより上がりやすく、密なコミュニケーションが可能です。
また、グループチャットをうまく活用すれば、業務の進捗状況をスムーズに共有したり、社内報を発信したりできます。
社内コミュニケーションがより手軽で、柔軟になるでしょう。
ちなみに『DiSCUS』なら、直感的に使えるデザインなので導入直後から社員が使いこなせます。
導入後の社員研修などが不要なので、すぐに取り入れたい場合におすすめです。
詳しい機能や導入手順については以下のページから、無料資料ダウンロードを申し込んでチェックしてみてください。
インナーコミュニケーション活性化の施策を成功させるコツ
施策を行なって社員のエンゲージメントを高めたい場合には、以下3点を意識してみてください。
- ①社員の利益を追求する
- ②実態に即した施策を行う
- ③参加型施策で主体性を引き出す
①社員の利益を追求する
コミュニケーション施策に参加するメリットを用意することで、社員の参加率を高められます。
たとえば、社内報であれば以下のような情報を載せると、社員が関心をもちやすいでしょう。
- キャリアアップに役立つ資格取得支援制度
- 人事評価の項目を開示
- 業務をスムーズに進めるコツ
このように、社員が社内報を読む動機をもちやすい内容を盛り込むのがポイントです。
多くの社員が興味をもって見てくれるようになって初めて、社内報によって社員に共通の話題を提供できるようになります。
②実態に即した施策を行う
社員がコミュニケーションについて、どんな悩みを抱えているのかを把握して、それに合わせた施策を行うのがおすすめです。
社内アンケートを実施したり、職場内での雑談でそれとなく調査したりして現場の声を拾い上げましょう。
インナーコミュニケーションについては、大まかに以下3つに分けて考えることで効果的な施策を見つけられます。
- ①会話が少なくまとまりがない
- ②互いに対立している
- ③にぎやかだが業務効率が悪い
それぞれのケースに効果的な施策については、以下の記事をご覧ください。
>職場コミュニケーションを改善するのための具体例7つ|成功事例3つも紹介
③参加型施策で主体性を引き出す
コミュニケーションは個々人が主体的に取り組むことで、活性化につながります。
そのため、トップダウンの一方通行的なコミュニケーションは避けなければいけません。
以下のように、社員が能動的に参加できる施策を実施していきましょう。
- シャッフルランチ(普段関わりの少ない人とランチを共にする)
- プレゼンコンテスト
- 社内報の作成
- 社内イベントの企画、運営 など
最初は仕方なく参加する人もいるかもしれませんが、徐々にその時間を有意義に過ごそうとする人が出てくるはずです。
インナーコミュニケーション活性化の成功事例
コミュニケーション活性化を実施したことで、企業理念の浸透や帰属意識の向上に成功したビーウィズ株式会社様の事例を紹介します。
- 規模:従業員数およそ8,000人
- 業種:IT活用によるコンタクトセンターの運営、アウトソーシング事業
- 具体的な課題:アルバイトが多く帰属意識が低い、異なる拠点の従業員への連絡がしづらい
- 解決策:ビジネスチャットツール『DiSCUS』の導入
セキュリティの強固さ、使い方が簡単なことが決め手となり、『DiSCUS』の導入に踏み切りました。
主婦や学生など異なる属性、勤務地の従業員に対しても一律に情報を届けられるようになったそうです。
そのほかにも以下の効果を得られています。
- コロナ下でも慌てず全従業員に自社の対応について連絡できた
- 一般SNSを使う必要がなくなり情報漏洩の不安が減った
- 社内広報活動を手軽にできるようになった
まとめ|インナーコミュニケーションを活性化させよう
テレワークや働き方に対する価値観の変化から、インナーコミュニケーションが希薄化しやすくなっています。
だからこそ、コミュニケーションを活発に行える企業は、変化の激しい現代に対応できる柔軟さや人材リソースを確保しやすくなります。
生産性の向上などわかりやすい効果を実感するまでには時間がかかりますが、その分だけ、長く通用する本質的な方法であるとも言えるでしょう。
成功させるためのコツを意識しながら、施策に取り組んでみてください。