言い方がきつい人の特徴は?原因や心理、部下への指導方法を詳しく解説
「間違ったことは言ってないけど、言い方がきつい部下がいる」
「どう指導したらいいのかわからない」
ビジネスは様々な人と協力しながら進めるものなので、物言いがきつい部下にどう気づいてもらえば良いか悩みますよね。
本記事では、部下と信頼関係を築いて部下自身に気づいてもらえる状況を作るための指導方法を紹介します。
「直接、指摘するのは気が引ける…」という方でも安心して実践できるでしょう。
また、言い方がきつい部下の特徴や、きつい言い方をされやすい上司の特徴、言い方がきつい部下にしてはいけないことも紹介しますので、現状の理解も深まります。
部下のきつい言い方を指導により改善したい方は、ぜひご覧ください。
【この記事の内容】
言い方がきつい人の特徴と原因
言い方がきつくなってしまう原因として以下5つが挙げられます。
- ①言い方に対する意識が低い
- ②短気で怒りっぽい
- ③自分に自信がない
- ④優秀もしくは自信過剰
- ⑤コミュニケーションが苦手
- ⑥他人への敬意がない
①言い方に対する意識が低い
言い方に対する意識が低く「正しいことを言えば、言い方はなんでもよい」と思っているタイプです。
実際のところは、正論だからこそ言い方に気をつけないと周囲と軋轢を生むのですが、この点への理解がまだ浅い部下もいます。
こういったタイプに対して、わざときつい物言いで対応する上司もいますが、反発を煽ってしまい悪化することが多いので避けましょう。
また、きつい物言いで上司が対応すると上司としての威厳を失ってしまい、部下から舐められてしまうこともあります。
上司らしく威厳をもって冷静に丁寧に対応しつつ、信頼関係を気づくことが大切です。
部下が聞く耳をもつようになったら、部下を叱るタイミングでその時あなたが感じている正論をそのままぶつけてみましょう。
「あなたの意見も一理あると思うけど~」などとクッション言葉を置いて正論を述べ、部下に正論をそのままぶつけると相手がどう思うのかを体験させます。
この際には「お前はいつも正論を人にぶつけて〜」などと、部下の物言いについては指摘する必要はありません。
信頼関係が確立されていれば、体験させるだけで十分伝わりますし、あえて細かく口出ししないことで上司としての思いやりと威厳を表現できます。
②短気で怒りっぽい
感情のコントロールが苦手ですぐに怒ってしまい、怒った時にきつい言い方になってしまうタイプです。
なだめようとしてもヒートアップしてしまい、厳しめに注意してみても言い合いになってしまうこともあります。
感情のコントロールが苦手なタイプは、感情の言語化がうまくできず、感情を言葉で処理することが難しいです。
部下が落ち着きを取り戻した時にじっくり話を聞きながら、部下の感情を代弁してあげることが大切です。
こうすることで「この上司は自分のことを理解してくれている」と信頼を寄せてくれます。
また、感情を代弁してもらう経験を積み重ねていくと「今回のはあの時と一緒かもしれない」と、部下自身が気づき徐々に感情コントロールができるようになります。
③自分に自信がない
自信がなく自分を守ろうとして虚勢を張ったり、相手のちょっとした言動に傷ついて反発したりするタイプです。
このタイプはとにかく自分が傷つくことを恐れているため、言い方について指摘するのは避け、こちらには敵意がないことを時間をかけて示していくことが大切です。
非常にデリケートなので特に敵意のない普通の言い方でも傷つくことがあります。もし、部下がイラついたり嫌な顔をしたり、凹んだ顔を見せたりしたら、傷ついたサインかもしれません。
「何か気に障ることを言いましたか?」とさりげなく確認してみましょう。部下が答えたら誤解を解くようにしてあなたの意図を説明すれば、きっと分かりあうことができるでしょう。
ただ、部下がうまく言語化できなかったり「どうせ説明しても無駄」と感じていたりして、納得いく返答が得られないケースも多いです。
そのようなケースでは、自分の発言の意図を説明するようにしましょう。違う言い方で表現することで、部下が「傷ついたのは自分の思い込みだった」と気づける可能性があるからです。
伝わらない時もあるかもしれませんが、こういった配慮を積み重ねていくことで、敵意がないことが伝わって徐々に信頼されるようになっていきます。
④優秀もしくは自信過剰
部下が非常に優秀であったり、自信過剰であったりするために言い方キツくなっているケースです。
- 「仕事ができるやつが偉い」
- 「仕事ができないやつは仕事ができる人に従って当然」
といったような考えをもっており、言い方がきついことを問題だと思ってません。
こういったタイプに対しては、言い方にも配慮のある優秀な人のもとで働く経験をさせるのが効果的です。
上には上がいることや、自分以上に優秀なのにも関わらず対応が丁寧な人を見ることで、自分の振る舞いを反省するでしょう。
なお、優秀がゆえに上司の言うことを聞かない部下への対応については、以下の記事でも紹介しています。
>優秀だが言うことを聞かない部下から信頼される方法|原因を深掘りして解説
⑤コミュニケーションが苦手
単純にコミュニケーションが苦手で言い方がきつくなってしまっている人もいます。
特に誰かと話すときに緊張してしまうタイプの人は、返事をするだけで精一杯で、ぶっきらぼうな言い方になることも少なくありません。
コミュニケーションが苦手な部下に対しては、苦手であっても返事がゆっくりであっても良いので、言葉をしっかりと選んで話をするように促しましょう。
単に「言い方がきつい」と伝えるのではなく、ゆったりと話せる場を設けて、上司としてのあなたの考えをまっすぐに伝えることで、角が立たずに済むでしょう。
また、部下と話をする際には仕事の手を止めて部下の方に体を向けて、じっくり聞いている姿勢を見せることでより効果が高まります。
⑥他人への敬意がない
言い方がきつい人は、他の人に対する敬意がなく、相手の意見や考え方を尊重しない傾向があります。
相手のことを自分より下に見ており、それが故に相手の意見を十分に理解しようとする姿勢に欠けています。
じっくり話を聞けばお互いに協力できるような場面でも、「この点は矛盾していますよね?」とすぐに相手を否定してしまうのです。
自分の考えだけで話を進めてしまい、自分とは異なる考え方を受け入れることが難しいです。
こういったタイプは、一緒に過ごす時間を長くとって打ち解けることで仲間意識が芽生え、きつい言い方が和らぐことがあります。
相手に対する敬意がないのは、相手を自分の敵だと感じていたり、自分を理解してもらえないと感じていたりするからです。
言い方がきつい人の心理とは?
言い方がきつい人は次のように感じていることが多いです。
- ①他の人に関心がない
- ②自分の思い通りにしたいと思っている
- ③自分を否定されるのが怖い
①他の人に関心がない
言い方がきつい人は、他の人に関心がなく自分がどう思われるのかを気にしていない人が多いです。
自分が人からどう見られているか、どう思われるのかを気にしないため、思ったことをストレートに伝える物言いになるのです。
本人は他の人を攻撃しているという意識はなく、ただ思ったことを率直に述べていると思っています。
敵対心はないので、事実ベースで会話をして合わせてあげると、スムーズに話ができます。
②自分の思い通りにしたいと思っている
自分の意見を通すことを重要視しているが故に、きつい物言いになっている人もいます。
自分の意見が常に正しいと思っていたり、思い通りに物事を進めることにこだわりが強かったりします。
きつい言い方をすると周囲の人は、場の空気を気にして反論せずにやり過ごすことが増えるでしょう。
しかし、反論されることがなくなると「このやり方なら自分の意見を通せる」と思わせてしまうため注意が必要です。
物言いの強さではなく、論理的に正しいかどうかを軸に話し合いをする空気を作ることが大切です。
③自分を否定されるのが怖い
自分に自信がなく否定されることを極度に怖がっていて、その裏返しで攻撃的になっているタイプです。
きつい言い方をして自分を大きく見せることで、周囲から否定されるのを防いでいます。
「きつい言い方をすれば否定されない」という考えのもと動いているため、そうではないことを伝える必要があります。
ただ、このタイプは一度否定されるとすぐに傷ついてしまうため、伝え方には細心の注意が必要です。
きつい言い方をされやすい上司の言動・行動
部下の考え方や経験の浅さによって言い方がきつくなることもありますが、上司の振る舞いも部下の言い方に影響しています。
以下のような対応をする上司は、部下からきつい言い方をされやすくなるので注意しましょう。
- ①部下の意見を聞かない
- ②威圧的な態度で接する
- ③ミスを繰り返し反省の色が見えない
①部下の意見を聞かない
部下の意見を聞かない上司は、部下から嫌われてきつい言い方をされることがあります。
- 「どうせ聞いてくれないから何をいってもいいよな」
- 「きつい言い方をすれば聞いてもらえるかな」
こういった考えから、部下の言い方がきつくなるのです。
大切なのは「話を聞く姿勢を見せることは相手に対する敬意を示すことである」という考えをもつことです。
部下は上司であるあなたよりも知識や経験が不足しているため、間違った提案をすることもあります。
しかし、間違った提案であったとしてもしっかりと聞き、どうしてそれが間違っているのかを伝えれば良いだけです。
聞く姿勢を見せれば部下の気持ちも納得しますし、部下は間違いを教えてもらうことで仕事のやり方も覚えられます。
将来的には部下自身が、上司の立場となった時、自分の部下と良好な関係を築けるように育てることも上司の仕事なのです。
どんなものであれ部下の意見を聞くようにしましょう。
②威圧的な態度で接する
威圧的な態度で接していると部下の反発を招いて、きつい言い方をされるようになることもあります。
威圧的な態度によって部下は「自分は信頼されていない」「必要とされていない」と考え、その悲しみが怒りにつながり上司に対してもきつい言い方をするようになります。
上司としての威厳は大切ではありますが、以下のように威厳と威圧的は全く異なるものです。
- 威厳:堂々とした態度
- 威圧的:相手を圧迫する態度
相手を打ち負かそうとしたり怯ませようとしたりする気持ちがあるのなら、それは威圧であり、威厳ではありません。
また、威圧的な態度は精神的に未熟な証と捉えられることも多く、部下から軽視される原因にもなります。
「部下に尊敬されたい」と思うのであれば、冷静に堂々とした威厳ある態度で接することが大切です。
③ミスを繰り返し反省の色が見えない
仕事で同じミスを繰り返し、反省の色が見えない上司は部下から軽視されてしまいます。
自分のミスについてはしっかりと認めて反省し、それを部下に対しても表現することが大切です。
そういった仕事に対する誠実な姿が、部下からの信頼獲得につながるからです。
また、反省とは「過去の行動を振り返って評価し、悪い点を改めようとすること」を指します。
単に謝罪することではなく、何が悪かったのかを明確にして、同じミスを繰り返さないように対策を立てるところまで行うのが反省です。
謝罪するとともに対策についても部下に共有することで、チームの生産性も向上するでしょう。
言い方がきつい部下の指導方法
言い方がきつい部下への指導がうまくいくようになれば、業務効率もアップしますし、あなた自身のマネジメントスキルも格段に向上します。
また、部下も指導の中で自分の悪い癖に気づくことで、今後のキャリアを明るいものにしていけるでしょう。
言い方がきつい部下へ指導する際には、以下4つのポイントが大切です。
- ①積極的に話を聞く姿勢を見せる
- ②部下が正しい時には認めて褒める
- ③部下のミスは放置せず叱って責任を取る
- ④敬意をもって穏やかな振る舞いを心がける
「直接指摘する」という指導も考えられますが、そもそも部下との信頼関係が築けていない状態で伝えても、部下には響かないでしょう。
また、ほとんどの場合、上司を信頼するようになると敬意を払うために自然と物言いも穏やかになります。
そのため本記事では、部下と信頼関係を築くことで、部下自身が言い方の間違いに気づける状態を目指す指導方法を紹介します。
①積極的に話を聞く姿勢を見せる
部下の指導にあたるときには、積極的に話を聞く姿勢を見せましょう。
部下が話しかけてきたときに、仕事の手を止め、視線と体を部下の方に向けて話を聞くのはもちろんのこと、あなたから部下の状況を気にかけるようにすることが大切です。
気にかけてもらえることで、部下は「きちんと頑張りを評価してくれる」と安心してあなたを信頼するようになります。
敵意がないことも示せるため、自信のなさが故に言い方がきつくなっている部下とも信頼関係を築けるでしょう。
②部下が正しい時には認めて褒める
部下の意見が正しいときには、それを認めることも大切です。心の中で認めるだけでなく、部下にも伝わるように表現しましょう。
人は認めてくれる人に対して心を開き、信頼するようになります。「部下の考えを認めて自分の間違いを認めるのは威厳がないのでは…」などという不安は不要です。
むしろ、良いことを良いと評価できない、正しいことを正しいと言えない上司は、仕事に必要な判断力がないとみなされてしまいます。
誰の意見かに関係なく、正しい判断を示して部下を導きましょう。また、部下が良い働きをしたときには、その努力を褒めることも有効です。
③部下のミスは放置せず叱って責任を取る
部下がミスをしたときには見ないふりをせず、気付いた段階で指摘してフォローしましょう。
当然ですが、ミスについては上司の責任として扱います。
ミスをきちんと指摘して正しいやり方を教え、責任を取る上司は部下にとって信頼のおける上司です。
信頼してもらえれば、上司としてのあなたの言葉を素直に受け取ってもらいやすくなり、尊敬されればきつい言い方をされることも減っていきます。
④敬意をもって穏やかな振る舞いを心がける
部下から信頼してもらうには、まず最初に上司から部下を信頼し敬意を払うことが大切です。
どんなにきつい言い方をする部下であっても、今の環境でそうなってしまっているだけで、心根は穏やかな部分があると信じて接するのです。
人間には期待に応えようとする心理があるため、上司であるあなたが「穏やかでマナーのある人だ」と信じて期待をかければ部下は無意識のうちにそういった人に近づこうとします。
また、きつい言い方に動じずかつ穏やかに接することで、部下の反骨心を煽りづらくなります。
堂々として威厳のある態度が徐々に伝わり、部下の態度も変わっていくでしょう。
言い方がきつい部下にやってはいけないこと
言い方がきつい人に対しては、ついこちらもきつい態度をとってしまいがちです。
しかし、そういった振る舞いは相手のプライドを傷つけ、さらにエスカレートするリスクがあるため避けましょう。
具体的には次の3つの態度は避けてください。
- ①無視
- ②不満げな態度
- ③感情的な話し方
①無視
きつい言い方をする人を無視してしまうと、言い分を聞いてもらおうとさらに物言いがキツくなる可能性があるので避けましょう。
すでにお伝えしたように、きつい言い方をする人は自分を否定されることを嫌い、自分の意見を通そうとします。
そのため、無視されると「自分を否定された」「意見が通らなかった」と感じ、怒りや悔しさからさらに語気を強めます。
また、無視をしているあなたを周囲の人が見た時、あなたの印象が悪くなってしまうリスクもあるでしょう。
最低限、業務に必要なことくらいは返答しておくのが無難です。
②不満げな態度
不満げな態度にも注意した方が良いでしょう。言葉ではきちんと返事をしていても、態度が不満げだと余計に相手の神経を逆撫でしてしまいます。
言い方がきつい人が求めているのは、自分を承認してもらうことです。その表現がうまくできず言い方がきつくなってしまっているだけです。
そのため、相手に関心を持って受け入れてあげる姿勢を見せることで、安心して物腰が柔らかくなっていきます。
きつい言い方にも動じず、毅然とした態度で優しく話を聞いてあげてください。
③感情的な話し方
きつい言い方に対抗して感情的に話すのも避けましょう。
こちらが感情的になることで相手もヒートアップし、応戦してくる可能性が高いです。
職場で言い合いになってしまうと、あなたの印象も職場の雰囲気も悪くなってしまいます。
もし反論したいことがある場合でも、きつい言い方に反応せず淡々と論理的に話して、相手を刺激しすぎないようにしましょう。
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こういったコミュニケーションが増えていくことで、自分の発言を意識するようになり、部下の態度も改まるでしょう。
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まとめ|言い方がきつい部下には堂々と向き合って指導しよう
言い方がきつい部下は、コミュニケーションが苦手だったり、現状の上司との関係性や職場環境への不満を抱えていることが多いです。
これらの原因は上司であるあなたとの関係性が良好になることで、解決できます。
あなたと関係性を築くことで、部下は自分のコミュニケーションに自信を持ちやすくなりますし、理解者がいると知るだけで職場に対する不満も軽減されるからです。
本記事では、部下との信頼関係の築き方をベースに解決策を紹介しました。
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