部下の指導で心がけるべき7つのこと【重要なのは対話】
部下とは世代や価値観そのものが異なるため、指導の仕方に悩む方も多いです。
本記事では、部下の指導で心がけるべき7つのことを紹介します。難しい方法論ではなく、知っていればすぐに実践できるものをピックアップしたので、ぜひ取り入れてみてください。
また、部下の指導を体系づけて学んでみたい人のために、指導に役立つ3つのスキルも紹介します。なぜそのスキルが役立つのか、そのスキルの概要をお伝えするので、学習に役立ててみてください。
部下の指導で心がけるべき7つのこと
部下の指導方法が間違っていると、部下たちのやる気を削いでしまい、生産性が低下してしまう可能性があります。
部下の指導で心がけるべき7つのことを紹介します。
- ①個別化して考える
- ②話をじっくり聞く
- ③信頼して任せる
- ④感情ではなく論理性で向き合う
- ⑤性格に合わせて対応を変える
- ⑥努力を褒め間違いを指摘する
- ⑦フィードバックを徹底する
①個別化して考える
部下を指導する時には、一人ひとりを個別に考えるようにしましょう。部下はそれぞれスキルや経験・性格が異なるからです。
例えば、新人の部下には基礎から丁寧に指導を行い、経験豊富な部下にはそのスキルを最大限活用するような業務を任せるなどです。性格によっても指導方法を変えるべきでしょう。
一律の指導方法を適用してしまうと、部下の能力が十分に活かされなくなってしまいます。さらにはその部下が抱える問題を見逃してしまう可能性があります。
部下の特性を理解し、その人に最適な指導を提供することで、組織全体のパフォーマンスを向上させていきましょう。
②話をじっくり聞く
部下の意見を真剣に聞くことが重要です。話を聞いてもらう経験は「受け入れてもらえた」という実感を生むからです。話をじっくりと聞き、部下に信頼されてこそ上司としての指示を聞いてもらえるようになります。
例えば、部下が新しいアイデアを提案する場面でじっくり話を聞けば、以下がわかるでしょう。
- どうしてそのアイディアが効果的なのか
- アイディアを実現するために何が必要で、実現可能性はどのくらいか
- アイディアを出すのに部下が何を考えたのか など
これらを踏まえた上でフィードバックを行うことが大切です。
部下の話を十分に聞かずに指導を行うと、部下からの信頼を失う可能性があります。また、部下が抱えている問題を見逃し、全体のパフォーマンスが下がるかもしれません。
部下と信頼関係を築いて高いパフォーマンスを発揮するためにも、部下の話にはじっくりと耳を傾けましょう。
③信頼して任せる
部下を信頼する気持ちをもって仕事を任せるようにしましょう。たとえ同じ仕事を任せられた場合でも、上司が信じてくれるかどうかによって部下のモチベーションが大きく異なるからです。
例えば、プロジェクトを部下に任せて、基本的に求められた時以外は口出しをせず部下に自走させるなどです。部下が主導権をもって仕事をする機会を与えることで、仕事が自分ごとになり、責任感が増します。
たしかに、部下に任せるよりも自分で行う方が、ミスが少なくスムーズに進むかもしれません。しかし、すべての仕事を自分が主体となって進めてしまうと、部下はスキルアップの機会を逃してしまいます。
信頼と任せることを心掛けることで、部下の成長を促していきましょう。そうすることで、自分の業務負担を軽減でき、自社全体の生産性も高まっていきます。
④感情ではなく論理性で向き合う
感情ではなく、論理性を重視して部下と対話をすることが重要です。論理的に指導すると、客観的に正しいことが部下に伝わり、納得感をもった上で業務に取り組んでもらえるからです。
例えば、何かトラブルが起きた時には、トラブルが起きた原因と今後の対応の仕方を論理的に説明しましょう。トラブルの解決方法や予防策を伝えることで、部下の対応力がアップします。
逆に声を荒げるなど感情に流された行動をすると、部下との信頼関係が崩れてしまいます。たとえ正しい論理が裏にあったとしても、部下からすれば「上司の気分で理不尽に怒られた」と感じるからです。
この状態では、部下は同じトラブルを繰り返さないためにどうしたらいいのかを学べません。自社の生産性も高まらないでしょう。
仕事を大事にするからこそ、部下のミスに腹が立つものですが、怒りを露わにしたところでそれが部下に伝わるわけではありません。グッと気持ちを抑えて、部下に対しては論理的に指導しましょう。
熱意をもって論理的な指導を繰り返していれば、部下もいずれ気づくことでしょう。
⑤性格に合わせて対応を変える
部下一人ひとりの性格は異なるため、その性格に合わせて対応を変えることが重要です。
例えば、具体的な指示を好む部下と、おおまかな方針だけを伝えて細かいやり方は任せる形を好む部下がいます。短期的な成果を目指すには、それぞれが好むやり方で指導するのが良いです。
ただ、部下のスキルアップを通じて自社の生産性を伸ばしていくためには、具体的な指示を好む部下については自分で考えて動く練習をしてもらう必要があるでしょう。
最初に部下に合わせた指導をしてからステップアップする形にすることで、部下のやる気を引き出しやすくなります。
全員に対して同じ対応をすると、部下の中には自身の性格や働き方に合わないと感じ、モチベーションを失う可能性があります。
部下の性格に合わせて対応を変えることで、満足度やパフォーマンスを向上させていきましょう。
⑥努力を褒め間違いを指摘する
部下の努力を褒めつつ、間違いについては指摘することが重要です。結果のみを褒めると失敗を怖がりやすくなるため、努力にも着目して褒めるようにしましょう。
努力が成果につながっていない場合には、努力を認めた上で方向性を修正すれば良いのです。それだけで部下は成果を出せるようになります。
部下の努力を褒める習慣がないと、部下は自分の仕事に価値を感じられなくなり、モチベーションを失う可能性があります。また、間違いを指摘しないと、同じ過ちを繰り返す可能性があります。
努力を褒め、間違いを指摘することで、部下の成長を促していきましょう。
⑦フィードバックを徹底する
部下に仕事を頼んだ時には、フィードバックをするようにしましょう。どんな風に仕事を進めてほしいのかを伝え、部下のパフォーマンスを高めるためです。
フィードバックをしないと、部下はその仕事のやり方や結果がよかったのか悪かったのか判断できません。これからどうすれば成果を出せるのかがわからず、いつまで経ってもスキルアップできなくなってしまいます。
この状態が続くと自信をなくしたり、上司であるあなたに不信感を抱いたりしてしまう可能性があります。仕事に対する熱意が薄れ、離職リスクも高まるでしょう。
些細なことでも良いので部下の仕事に対して、フィードバックをするようにしましょう。
部下の指導をするために習得を心がけたい3つのスキル
部下を指導する際には以下3つのスキルが役立ちます。
- ①相談援助技術:部下の問題を理解し支援する
- ②マネジメントスキル:部下を自社の目標に向けて動かす
- ③コーチングスキル:部下の成長を支援する
これらのスキルを組み合わせることで、より良い指導ができるようになります。
①相談援助技術
部下の指導において重要なのは、相談援助技術です。相談援助技術は、部下が抱える問題や悩みを理解し寄り添いながら解決するためのスキルです。
部下からの相談を受け止めて的確なアドバイスを行い、部下の自己解決力を高めます。この一連の関わりが、信頼関係につながってより良いチーム作りが可能になります。
相談援助技術は以下の要素に分解できます。
- 相手を他の人と比べず個別化する姿勢
- 相手の話を深く理解しようとする姿勢
- 共感する能力
- 相手の自己決定を尊重する姿勢
- 秘密を守る姿勢 など
これらのスキルは日々のコミュニケーションを通じて磨かれます。積極的に相手の立場を理解し、共感したり尊重したりする姿勢を心がけてみてください。
②マネジメントスキル
部下の指導に必要な次のスキルはマネジメントスキルです。マネジメントスキルを身につけると、組織の目標達成に向けて部下を導けるようになります。
マネジメントスキルは部下一人ひとりが自分の役割を理解し、チーム全体が一体となって動くことを目指します。また、組織内で起こる様々な問題に対して的確な解決策を導き出せるように働きかけることもあります。
マネジメントをうまく行うには、以下が必要です。
- 目標設定
- 時間管理
- リソース配分
- 意思決定
- 解決策の提示 など
例えば、新プロジェクトを進行する際に、各部下の能力を考慮し、適切にリソース配分を行うなどがマネジメントスキルです。リソース配分がうまくいけば、チーム全体のバランスが良くなりプロジェクトをスムーズに進められるでしょう。
マネジメントスキルは、リーダーとして必要な基本的な能力です。本や研修などで学習しながら、日頃の部下への指導で実践してみましょう。
③コーチングスキル
部下の自己啓発と成長を支援するにはコーチングスキルが必要です。
コーチングスキルを持つことで、部下が自分自身の力で問題を解決し、潜在能力を引き出せるようになります。組織全体の成長にもつながります。
コーチングスキルはおおよそ以下3つに分類でき、それぞれの能力を高めていくことが大切です。
- 問題解決のための質問術
- フィードバックの与え方
- 目標設定の支援 など
例えば、部下が何らかの問題を抱えているのであれば、質問術を使って部下が解決策を見つけるよう導きます。問題解決のために何が必要なのかを、質問を通して教えていくのです。
コーチングスキルは、日々の対話やフィードバックを通じて培われます。リーダーとして、部下の成長をサポートするために、習得して磨き続けることをおすすめします。
部下の指導には対話が欠かせない
部下の指導に役立つ方法論やスキルは数多くあります。どれを学んだら良いのかと目移りしてしまうこともあるかもしれません。
一番大切なのは、目の前の部下への理解を深めることです。部下の理解を目指すなら、直接部下と話し合うのが効果的です。
対話をすれば部下の気持ちをストレートに受け取れますし、話を持ちかけることであなたが部下を気にかけているのが伝わるからです。
「うまく察してあげられるスマートな上司でありたい」と思う気持ちもわかります。ただ、スマートな上司になるためには、多くの部下と対話を繰り返して経験を積む必要があります。
今あなたが部下の指導で悩んでいるのであれば、まずは部下と向き合いコミュニケーションを密にとっていきましょう。
部下との関わり合いは直接の会話だけでなく、電話やメールなども含まれます。近年ではより手軽で便利に連絡できるビジネスチャットツールが注目されています。
『DiSCUS』のようなビジネスチャットツールであれば、遠隔かつ手軽に連絡できるので、忙しい場面でも部下とコミュニケーションを図れます。
履歴も残るためどの部下にどういった指導をしていたのかも、すぐに確認できるでしょう。『DiSCUS』なら検索機能があるため、データ管理も容易です。
詳しい機能や使い方については、無料資料請求で確かめてみてください。
まとめ|部下の指導では対話を心がけよう
部下の指導には様々な方法論があり、実践しながら学ばなければならないため、多くの人が悩んでいます。
ただ、どんな部下を相手にしている方であっても、心がけるべきことはたった1つです。それは部下と対話をすることです。
部下の性格や心理を知るために役立つ理論もありますが、気持ちは常に揺れ動くものなので、部下と直接話す方が正確なのです。
コミュニケーションを意識的に行なって、部下の性格や仕事のスタイルに合わせた指導を心がけてみてください。
なお、現代では仕事とプライベートを明確に分ける人も増えており、なかなか話さない部下もいるかもしれません。
自分から話さない人の心理や接し方については、以下の記事を参考にしてみてください。