チャットにおけるコミュニケーション能力は対面とは違う|身につけるコツを紹介
「チャットでコミュニケーションがうまくいかない」
「チャットで必要とされるコミュニケーション能力を身につけたい」
以上のように感じている方向けに、チャットで必要なコミュニケーション能力と身につけるための方法を紹介します。
チャットと対面でのコミュニケーションでは求められる能力が異なります。対面でのコミュニケーションが得意な人がチャットでうまく立ち振る舞えるとは限らないのです。
とは言え、コミュニケーション能力はコツを知って実践すれば誰でも高められるものです。チャットのコミュニケーションがうまくいかずに悩んでいる方は、この記事で紹介するコツを取り入れてみてください。
意識すればすぐにできるものもあります。この記事を読んで、チャット上で自分の意思をうまく伝えるコミュニケーション能力を手に入れていきましょう。
※この記事ではビジネスシーンでのチャットの利用を想定しています。
【この記事の内容】
- チャットコミュニケーションにおける問題点
- チャットコミュニケーションにおける問題点①感情が伝わりにくい
- チャットコミュニケーションにおける問題点②言葉たらずになりやすい
- チャットコミュニケーションにおける問題点③レスの速さと作業効率が矛盾する
- チャットで求められるコミュニケーション能力
- チャットで求められるコミュニケーション能力①簡潔にまとめる能力
- チャットで求められるコミュニケーション能力②言語化する能力
- チャットで求められるコミュニケーション能力③相手の手間を省く能力
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ①結論から述べる
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ②長文を避ける
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ③感情を言葉にして伝える
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ④レスの回数を減らす工夫をする
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ⑤チャットと適度に距離をおく
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ⑥肯定的な言葉を使う
- チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ⑦見直しをする
- 使いやすいチャットツールでコミュニケーションを円滑にしよう
- まとめ|チャットに必要なコミュニケーション能力を身につけよう
チャットコミュニケーションにおける問題点
まずはチャットでのコミュニケーションが対面とどのように違うのかについて確認していきましょう。
チャットならではの難しさを知ることで、どうすればチャットコミュニケーションがうまくいくのかが感覚的に理解できます。チャットのコミュニケーションで問題となるのは以下3点です。
- ①感情が伝わりにくい
- ②言葉たらずになりやすい
- ③レスの速さと作業効率が矛盾する
チャットコミュニケーションにおける問題点①感情が伝わりにくい
チャットでは感情が伝わりにくく、お互いの認識を合わせるのが難しいです。相手の表情が見えず、声色や口調もわからないからです。
対面でのコミュニケーションとは違い、感情もすべて言葉にして伝える必要があります。日本は世界的に見ても「察すること」に重きを置いたコミュニケーションをしています。
チャットでは相手の感情を察するために必要な表情などがわからないため「察してくれるだろう」という気持ちで話をしていては伝わりません。自分の感情は自分から伝えていくことが必要なのです。
チャットコミュニケーションにおける問題点②言葉たらずになりやすい
チャットでは簡潔な文章でリズムよく連絡を取り合うのが一般的です。しかし、簡潔にまとめようとするあまりに説明が不十分になり、相手との認識のずれが生まれてしまうことがあります。
たとえば「頼んでおいた会議で使う資料の作成を早めにしてほしい」という連絡をチャットでしたとしましょう。文章を短くまとめようとすると「どうして早める必要があるのか」という背景を省くことになります。
依頼した側が「会議の日程が前倒しになる可能性があるからお願いしている」としても、依頼された側は異なる受け止め方をする可能性があります。「自分の都合で勝手に早めるなんて」「嫌がらせされているのかな…」と感じるかもしれないのです。
文章を短くすることも大切ですが、相手を不安にさせないように背景をしっかりと伝えていくことも忘れないようにしましょう。
チャットコミュニケーションにおける問題点③レスの速さと作業効率が矛盾する
チャットでは即レス(すぐに返信をすること)を求められることがあります。即レスをすると相手が知りたいことをすぐに知れるので、好印象を与えられます。また、スムーズな意思疎通によって仕事が順調に進む効果もあるでしょう。
とは言え、即レスを意識しすぎるとチャットの通知にばかり気を取られて、自分がすべき仕事に身が入らなくなってしまいます。
レスを早めに返しつつも、自分がやるべき仕事にもしっかりと集中していくことが大切なのです。
チャットで求められるコミュニケーション能力
チャットと対面では求められるコミュニケーションが異なります。チャットにおいては、以下3つの能力が求められます。
次章以降でそれぞれ解説するので、自分がその能力をもっているか、意識してチャットを利用していたかなどを振り返ってみてください。
- ①簡潔にまとめる能力
- ②言語化する能力
- ③相手の手間を省く能力
チャットで求められるコミュニケーション能力①簡潔にまとめる能力
チャットではスピーディーな意思疎通ができるように、伝えるべきことを簡潔にまとめる能力が求められます。
対面での会話では相手と長くやりとりを続けることで、信頼関係を築けるものですがチャットでは全くの逆です。重要なことを的確に伝えるために文章を短くし、仕事効率を上げるためにもやりとりは最小限に抑えます。
短い文章にまとめるためには、伝えるべきことに優先順位をつける必要があります。「絶対に伝えるべきこと」「できれば伝えたいこと」「省いても問題のないこと」などのように優先順位をつけ、文が長くなりそうなら重要度の低いものから削るのです。
思いつくままに文章を作るのではなく、箇条書きで伝えたいことを書き出して優先順位をつけてみましょう。この一工夫だけで伝わりやすいメッセージが作れるようになります。
チャットで求められるコミュニケーション能力②言語化する能力
チャットでは言葉がすべてです。声色や口調・表情などは共有されず、言葉のみで相手に伝える必要があるからです。
ゆえに、チャットでは「言葉にできない感情」「説明できない状況」は伝わりません。伝えたいことは言語化して伝える能力が求められるのです。
言語化をすることなく曖昧な表現で済ませてしまうと、相手に伝わらずにスムーズに仕事が進まなくなってしまいます。なんとなくの感覚で伝えようとせず、言語化して論理的に伝えるように心がけていきましょう。
チャットで求められるコミュニケーション能力③相手の手間を省く能力
チャットは気軽に連絡できるため、必要以上にやりとりを続けてしまって仕事の効率が下がることがあります。
たとえチャットの返信にかかる時間が1分と短くても、仕事の効率ダウンにつながります。一度仕事を中断すると頭を切り替える作業が必要になるからです。
「何をやっていた?」「どこまで進んだ?」などと考える時間がかかるのです。精神的にも切り替えが必要なため、本人も気づかないまま疲れやストレスが溜まることもあります。
チャットのやりとりが少なくなるよう、メッセージを送る際には「他に伝えておくべきことはあるか?」と考える癖をつけましょう。先回りしてメッセージすることによってやりとりの回数を減らし、相手と自分の負担を減らせます。
こういった気配りができる人は仕事の評価も高まりやすくなるで、ぜひ実践してみてください。
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ
チャットに必要なコミュニケーション能力を紹介しました。とは言え、必要な能力を知るだけで身につくわけではないものです。
実際のやりとりで「あの人はコミュニケーション能力が高いな」と感じてもらうためには、メッセージの送り方を工夫する必要があります。具体的には以下7つの方法を実践してみてください。
- ①結論から述べる
- ②長文を避ける
- ③感情を言葉にして伝える
- ④レスの回数を減らす工夫をする
- ⑤チャットと適度に距離をおく
- ⑥肯定的な言葉を使う
- ⑦見直しをする
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ①結論から述べる
伝わりやすいチャットのメッセージを作るために最も重要なのが、結論から述べることです。結論が伝わらなければ、話を進められないからです。
たとえば「御社のサービスを利用したいです。先日の打ち合わせで〇〇という点に惹かれました。」のような形です。
詳細を先に述べる文章だと「先日の打ち合わせにより〇〇という点において、御社のサービスに魅力を感じました。ぜひ利用したいと考えています。」といった形になります。内容は伝わりますが、最後まで読まないと結論がわからないため相手にストレスを与えます。
さらにひどくなると、詳細を書きすぎて何を伝えたかったのかがわからなくなり、結論のないメッセージを送ってしまうケースもあるようです。
一番伝えるべき結論を真っ先に書くようにすれば、必ず相手に結論が伝わります。受け取る側としても、結論が先にわかるとメッセージに書かれている詳細について理解しやすくなり助かるものです。
まずは「①結論②詳細」という順番でチャットのメッセージを書くように意識してみてください。
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ②長文を避ける
長文は読むだけでも時間がかかり、ストレスになるものです。結論を真っ先に伝えたら、結論に至った経緯やその先に必要な行動にかかわる内容だけを記述して簡潔にまとめましょう。
チャットではメールのような挨拶文・定型文は必要ありません。たとえば「時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」「時節柄、どうぞご自愛ください。」などです。
慣れないうちは「無愛想だ」と感じるかもしれませんが、チャットにおいては定型文を省いて簡潔に要件を伝えるのがマナーです。マナーを守ってお互いが気持ちよく、そして効率よく連絡できるようにしていきましょう。
なお、そのほかのビジネスシーンにおけるチャットのマナーについては以下の記事で紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
>ビジネスチャットのマナー|NG行為や定めておくと便利な社内ルールも紹介
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ③感情を言葉にして伝える
チャットは冷たい印象を与えることがあるため、意図的に感情を言葉にして伝えていくようにしましょう。チャットで伝わるのは文字情報だけですしメールのように挨拶文もなく、冷たい印象を与えてしまうからです。
たとえば、依頼した仕事の報告が部下からあった場合には「了解」だけで済ませるのではなく「了解。ありがとう。」と感謝を添えます。
より感謝を強く伝えたいときには「提出が早くて助かります。ありがとう。」のように、具体的に何がよかったのかを伝えるのがおすすめです。
チャットのようなテキストコミュニケーション(文字による意思疎通)で、冷たい印象を与えたくない人や冷たさに傷ついてしまいやすい人は以下の記事も参考にしてみてください。
>テキストコミュニケーションでは冷たいと感じやすい|気持ちを楽にする考え方を紹介
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ④レスの回数を減らす工夫をする
チャットのレス(返事)の回数を減らすように心がけましょう。ビジネスシーンのチャットでは効率が大事だからです。
レスが増えるとその度に仕事を中断することになり、自分にとってもチャットの相手にとっても仕事効率が下がってしまいます。
テレワークなどチャットの利用が身近なほど、レスの回数が増えるチャットを送る人は「仕事ができない人」と評価されます。人事評価が下がって昇格・昇給が難しくなりますし、印象が悪いため相手の対応が悪くなる可能性さえあるでしょう。
例として、上司が部下に取引先との打ち合わせ結果を聞いているやりとりを紹介します。部下の返答に注目してみてください。
- 悪い例:上司「この間の打ち合わせどうだった?」
- 部下「議事録を添付します。確認よろしくお願いします。」
- よい例:「この間の打ち合わせどうだった?」
- 部下「弊社のサービスに興味をもっていただけました。次回は◯月◯日に担当者に加えて役員の方も交えて打ち合わせの予定があります。議事録も添付しておきます。」
悪い例では、議事録を見なければ上司は打ち合わせの結果がわかりません。添付ファイルを開いたり、長文を読んだりする手間があるのです。
また、その打ち合わせの結果によって次に取るべき行動が異なります。結果に応じて次に必要な情報についても提示すると、上司の手間をさらに省けます。よい例では次の打ち合わせの予定を伝えているので、上司が聞き返す手間がかかりません。
上司に対してだけでなく、自分が同僚や部下に連絡する際にも意識するとなおよいです。メッセージを送る際には先回りして必要な情報をあぶり出し、相手の手間を省くようにしてください。
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ⑤チャットと適度に距離をおく
チャットを気にするあまりストレスを感じたり、仕事に集中できなくなったりしては本末転倒です。適度にチャットと距離をおいて負担になりすぎないようにしましょう。
具体的には「通知の設定をオフにして仕事に100%集中する時間を作る」「休憩中を含む業務時間外はチャットを開かない」などが挙げられます。
「連絡手段がチャットになってからなぜか疲れる」と感じているなら要注意です。チャットとの距離感を一度見直してみましょう。
チャットで疲れてしまう場合には、以下の記事も参考にしてみてください。テレワーク下に特化した内容になっていますが、テレワークをしていない人にも役立ちます。
>テレワークのチャットで疲れる原因とその対策法|持続可能な働き方を目指そう
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ⑥肯定的な言葉を使う
チャットにおいては肯定的な言葉を選ぶようにしてください。文字だけでは感情が伝わりにくく、否定的な言葉は相手の悪い想像を掻き立ててしまうリスクがあるからです。
当然のことですが、チャットには相手がいます。相手が気分よくチャットができれば、あなたに対して「コミュ力が高い」「一緒に仕事したい」と思ってくれるでしょう。
人間は誰しも「誰かに認められたい」という根源的な欲求をもっています。そのため、肯定的な言葉を使うことで相手の欲求を満たし、よい印象を与えられるのです。
- 悪い例:「〜が間違っているのでやり直してください。」
- よい例:「〜を直すとよりよくなると思います。修正お願いします。」
以上のように、否定的な内容になりがちな指摘をするときでも、肯定的な表現にすると印象が大きく変わります。ぜひ取り入れてみてください。
チャットのコミュニケーション能力を高めるコツ⑦見直しをする
チャットのメッセージを送信するときには、必ず見直しをするようにしてください。どれだけ気をつけていても、誤字脱字をしてしまったり、わかりにくい文章になってしまったりするからです。
ここまで紹介した6つのコツを実践できているか、誤字脱字など基本的なミスがないかを確認する癖をつけるようにしましょう。
読み返して確認する際には「相手がどう思うか」「自分が意図していない言葉の解釈があるか(誤解を生みやすくないか)」をチェックするのがおすすめです。
使いやすいチャットツールでコミュニケーションを円滑にしよう
チャットのメッセージを工夫することでコミュニケーションを円滑にできますが、使い勝手のよいツールを活用するとなおよいです。
たとえば、デザインがシンプルでみやすい画面ならば、チャットを開いた際にむだな情報が目に入らずストレスが少ないです。そのほか、デジタル関係に苦手意識がある人でも使いやすいツールなら迷うことなく操作でき、時間のロスを防げます。
ちなみに『DiSCUS』は、実際に使用している企業でも「操作がわかりやすい。使い方についての問い合わせが少なく助かった。」と評価されているビジネスチャットツールです。
費用についても非常にリーズナブルでお求めやすい価格になっています。「もう少し詳しく知りたい」「導入を検討したい」という方は、以下のリンクから無料資料請求を申し込んでみてください。
まとめ|チャットに必要なコミュニケーション能力を身につけよう
仕事における成果と同様、コミュニケーション能力は評価に大きく影響を与えます。また、評価だけでなく自分自身のはたらきやすさにもかかわってくる問題です。
チャットは対面とは異なるコミュニケーション能力が求められるため、今までうまく社内に溶け込めていた人でも注意が必要です。
記事中で紹介した能力が自分にあるかどうかを確認し、チャットの利用時にはコツを実践して気分よく仕事ができるようにしてみてください。