ビジネスチャットのセキュリティリスクって?安全性を高める対策方法を解説
ビジネスチャットは社外に漏らしたくない情報を扱うため、セキュリティ対策が重要です。導入を検討している方の中には「セキュリティは大丈夫なのだろうか?」と疑問をもっている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、ビジネスチャットのセキュリティについて紹介します。ビジネスチャットで起こりうるセキュリティリスクとセキュリティを強固にするための方法を解説します。
ツールの導入前にセキュリティ面の不安を払拭したい方や、導入したツールのセキュリティを強化したい方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事の内容】
ビジネスチャットのセキュリティは優れている
前提として、ビジネスチャットツールは業務での使用を想定して作られているため、セキュリティの水準が高いです。暗号化通信や2段階認証などのセキュリティ対策が行われているツールが多く存在します。
また、ビジネスチャットツールは登録したアカウントにしかメッセージを送れません。アカウント情報もIDやパスワード、2段階認証における一時的に利用されるパスワード(ワンタイムパスワード)など複数の情報入力が必要なため、サイバー攻撃を受けにくいです。
一方で業務によく使われるメールでは、メールアドレスを予測するだけで相手に攻撃を仕掛けられます。このように、ビジネスチャットはメールと比較しても高いセキュリティを誇っているのが特徴です。
もちろん、ツール選びでセキュリティの優れたものを選ぶことが必要です。しかし、メールや社内SNSを利用するよりもビジネスチャットツールの方が安心感があるでしょう。
ビジネスチャットのセキュリティリスク
ビジネスチャットは高いセキュリティを誇っていますが、リスクがまったくないわけではありません。この章ではビジネスチャットのセキュリティリスクを紹介していきます。
事前にリスクを知ることで効果的な対策ができるようになるので、リスクについても理解を深めておきましょう。
- ①なりすまし・乗っ取り
- ②ウイルス
- ③誤送信による漏洩
- ④シャドーIT
①なりすまし・乗っ取り
アカウント情報が漏洩したり、パスワードが予測されたりするとアカウントを乗っ取られ、なりすましの被害に遭う可能性があります。
乗っ取りが起きると、外部の人間がチャットでのやり取りを閲覧し、メッセージの送受信も行える状態になってしまいます。コミュニケーションが乱れたり、機密情報が外部に漏れてしまったりする原因になるため対策することが重要です。
なりすまし・乗っ取りによる被害(インデックスケース)として以下が考えられます。
- ・アカウントが乗っ取られ、全体チャットにマルウェア感染を目的としたURLが投稿される
- ・添付ファイルにマルウェアが仕込んであり感染し乗っ取られる
- ・社内の人物になりすまし、質問をすることで情報を抜き取る
- ・アカウントが乗っ取られ、チャット内のファイルを抜き取られる
具体的な対策方法としては以下が挙げられます。
- ・IDやパスワードは複雑で予測が困難なものを使用する
- ・参加できるトークルームを制限し乗っ取られた際の被害を最小限に抑える
- ・ログイン時は周囲から画面を覗き見されていないか注意する
- ・フリーWi-Fiを使用してビジネスチャットにアクセスしない
- ・2段階認証を取り入れているツールを使用する
②ウイルス
添付ファイルを開いた際にウイルスに感染してしまうことがあります。
ウイルスによるインデックスケースは以下のことが考えられます。
- ・添付ファイルに仕込まれたウイルスに感染し情報漏洩が起きる
・ウイルスに感染することで、端末内のデータをすべて削除される
ウイルスに感染すると情報を盗み見られる可能性があるため対策が必要です。具体的な対策としては以下が挙げられます。
- ・デジタル端末にウイルス対策ソフトを導入しておく
- ・添付ファイルを開く際はスキャンして異常がないことを確かめる
③誤送信による漏洩
メッセージを送信するときに、トークルームを間違えて送信してしまうと情報が漏れてしまうことがあります。たとえば、社外には漏らしたくない情報を社外の人が参加しているトークルームに送信してしまうなどです。
そのほか、誤送信によるインデックスケースとして以下が考えられます。
- ・添付ファイルにパスワードを、設定せずに送信してしまい情報が漏洩する
- ・社内の機密情報を社外の人に誤送信
- ・個人あての個人情報を、グループあてに送信
誤送信は人のミスにより起こるため、以下のような対策を社員に徹底させることが有効です。
- ・送信前にトークルームの間違いがないか確認する
- ・アクセス権限を設定して不要な人に情報が漏れないようにする
- ・デジタルファイルはパスコードをかけて別の連絡方法でパスコードを伝える
④シャドーIT
シャドーITとは会社の権限が及ばないデジタル端末や回線を使用することです。テレワークを実施している場合、社員がプライベートで使用しているデジタル端末や回線を使って業務を行う可能性があります。
プライベートで使用しているデジタル端末や回線は、セキュリティ対策が甘い可能性があり、情報漏洩リスクが高いです。
シャドーITによるインデックスケースとして以下が考えられます。
- ・個人の携帯がウイルス感染しており情報が漏洩する
- ・知人に間違って会社の内部情報を送ってしまう
- ・会社の許可がないアプリを使用し会社の大切な情報が外部に漏れる
社員に対して以下の内容を伝え、シャドーITの危険性を理解してもらいましょう。
- ・会社支給のデジタル端末や回線のみを使用する
- ・外出時はフリーWi-Fiに接続しないように注意する
以上に加えて自宅以外の場所で業務をする場合には、周囲から画面を覗き見されないように注意することも重要です。そのほか、外で仕事をしているときお手洗いなどで席を立つ際にはパスワードロックを徹底したり、端末を肌身離さずもち歩いたりなどの工夫も有効です。
ビジネスチャットの種類によってセキュリティの強度が異なる
ビジネスチャットは以下2つの種類があり、それぞれセキュリティの強度が異なります。
- 【オンプレミス型】
- ・自社サーバーにて運営する方法
- ・オフラインでの使用も可能で、情報漏洩リスクが低い
- 【クラウド型】
- ・共用のサーバーにて運営する方法
- ・不特定多数の人が同サーバーにアクセスするためハッキングの標的にされやすい
セキュリティ面だけを考えるのであれば、オンプレミス型の方が優れていると言えます。
ただし、オンプレミス型はサーバーにシステムを構築する手間とコストがかかります。十分なリソースが自社にない場合の利用は難しいでしょう。
また、導入後に「ツールが使いにくい」「浸透しなかった」などといった状況になった際、投資した時間とコストが無駄になってしまう可能性があります。
そのため、自社のリソースが十分にある場合でも、まずはクラウド型から導入して「自社に合うツールとはどんな条件を満たすものなのか」を確認することが大切です。
ビジネスチャットでできるセキュリティ対策
ビジネスチャットを使用するのであれば、できる限りセキュリティを高めておきたいものです。セキュリティを強化する場合には、以下3つの観点から考えることが重要です。
- ①ツールの機能
- ②社内ルール
- ③意識改革
それぞれの観点からやるべきセキュリティ対策について解説していきます。
①ツールの機能を使ってビジネスチャットのセキュリティ対策をする
まず重要なのは、セキュリティ対策がしっかりとされているツールを選ぶことです。ツールを選ぶ際には以下のようなセキュリティ対策がされているかどうかを確認してみましょう。
- 【IPアドレス制限】
- ・登録したIPアドレス以外の人のアクセスを制限する。
- ・社員のプライベート回線(シャドーIT)によるアクセス(シャドーIT)対策に有効。
- 【端末認証】
- ・認証された端末でないとログインできないようにする。
- ・社員のプライベート端末によるアクセス(シャドーIT)対策に有効。
- 【監査機能】
- ・社員の操作記録やメッセージのログを監査できる。
- ・社員の故意による情報漏洩を防げる。
- ・事後の原因究明などの対応がスムーズにできる。
- 【通信暗号化】
- ・通信内容を暗号化して情報漏洩を防ぐ。
- ・内容を盗み見られたとしても暗号によって解読不能になる。
- 【2段階認証】
- ・2段階の認証をくぐり抜けないとログインできないようにする。
- ・複数の認証方法を取り入れることで不正アクセスを防げる。
- 【情報のバックアップ】
- ・アカウント情報やメッセージ内容をクラウド上に保存する。
- ・端末に障害が起きてもデータが破損することなく確認できる。
- 【セキュアな通知】
- ・通知にメッセージの内容を表示させないようにする。
- ・画面の盗み見による情報漏洩を防げる。
上記7つの機能があるツールを選べば、よりセキュリティが強固な環境でビジネスチャットを利用できます。
また、それぞれの機能は設定により使用するかどうかを選べるケースが多いため、設定を有効にすることも忘れないでください。
②社内ルールでビジネスチャットのセキュリティ対策をする
セキュリティが強固なツールを使用しても、使用方法によっては情報漏洩リスクが高まってしまいます。安全性の高い状態で運用できるよう、社内ルールを整備しておきましょう。
具体的には、以下のようなルールを定めておくのがおすすめです。
- ・外出先での業務では画面の盗み見に注意する
- ・外出先では端末から目を離さないようにする
- ・添付ファイルはスキャンしてから開くようにする
- ・アクセス権限を適切に設定して情報の拡散を防ぐ
- ・2段階認証や端末認証などの機能をオンにして利用する
- ・プライベート使用の端末や回線・フリーWi-Fiを使用しない
- ・端末自体にもパスワードロックをかけウイルス対策をしておく
- ・メッセージの送信前には送信先が間違っていないかを確認する
- ・重要なデジタルファイルにはパスワードロックをかけ別の方法でパスワードを通知する
③意識改革を通してビジネスチャットのセキュリティ対策をする
社内ルールを設定したとしても、社員の意識が低いとルールを守ってもらえない可能性があります。法律があっても犯罪がなくならないのと同じ原理です。
ルールを定めるだけでなく、社員研修を開いて「どうしてこのルールを守ることが重要なのか」についても伝えるようにしましょう。とくにシャドーITのリスク対策については社員の協力が欠かせません。
シャドーITの危険性について理解してもらえるようにしていきましょう。シャドーITによる情報漏洩の事例を紹介して損害がどれほど大きいかを周知したり、罰則も定めたりすると社員の意識も変わっていくでしょう。
セキュリティ対策が万全なビジネスチャット選びのポイント
セキュリティ対策が万全なビジネスチャットを選ぶポイントは以下の3つです。
- ・情報を守る機能が搭載されている
- ・管理機能が充実している
- ・操作がしやすい
それぞれ詳しく解説します。
①情報を守る機能が搭載されている
ビジネスチャットには情報を守るための機能が搭載されています。
- ・通信の暗号化:通信時にデータを暗号化して情報漏洩を防ぐ
- ・データのクラウド保存:データをクラウドに保存することで、データの破損を防ぐ
- ・端末認証:アクセスできる端末を制限し、関連のない人が利用できない環境にする
- ・2段階認証:ログイン認証を2段階にし、乗っ取りを防ぐ
業務の連絡や社内情報を漏洩しないためにも、上記のセキュリティ対策が搭載されているツールを選びましょう。
②管理機能が充実している
ビジネスチャットに管理機能が搭載されていれば、会社がユーザーの権限をコントロールできます。
セキュリティーとしておすすめな機能は以下の通りです。
- ・ユーザーの管理機能:トークに社員を追加したり削除したりする機能。社外の人が入れないようにできる。
- ・メッセージの削除機能:誤送信したメッセージをすぐに削除できる。
- ・データのダウンロードに時間制限つける機能:機密性の高いファイルの共有時間を減らすことで、情報漏洩を防ぐ。
メンバーやメッセージの管理を本社でできれば、万が一の誤送信を削除できたり、乗っ取られたアカウントを排除したりできます。
情報漏洩や誤送信のリスクを避けるために、ビジネスチャットを選ぶ際のポイントとして参考にしてみてください。
③操作がしやすい
操作が簡単なビジネスチャットを選ぶことが大切です。機能が多いツールは便利ない一方で、操作が難しい傾向があり、ITが苦手な方は使いづらいと感じてしまいます。
その結果、自分が使い慣れている個人の携帯を使ってしまうシャドーITに陥る可能性があります。シャドーITのなかには、セキュリティー不足のものも多くあり、会社が管理できないので情報漏洩リスクが高いです。
シャドーITの利用を避けるためにも、できる限り操作がしやすいビジネスチャットを選びましょう。以下の記事では、セキュリティ面以外の観点からもビジネスチャットの選び方を解説しています。
>【2024年】ビジネスチャットのおすすめ比較19選!選び方のポイント・注意点も解説
セキュリティが強固なビジネスチャット『DiSCUS』
ビジネスチャットのセキュリティ強度はツールの機能によって大きく左右されます。安全性の高いツールを選ぶことで安心してコミュニケーションが図れる環境を整えていきましょう。
ちなみに『DiSCUS』はセキュリティが強固なビジネスチャットです。以下の機能がすべて搭載されています。(一部に有料オプションも含みます。)
- ・端末認証
- ・監査機能
- ・IPアドレス制限
- ・セキュアな通知
- ・アクセス権限の付与
- ・パスワードの有効期限の設定
- ・デジタルファイルのファイル形式による送信制限
- ・暗号化通信(端末・通信経路・サーバーの3段階の暗号化技術)
- ・データのバックアップ(NASAでも使用されているAWSを採用)
また、導入コストや手間がかからないクラウド型だけでなく、よりセキュリティが強固なオンプレミス型の取り扱いもあります。クラウド型にて使用感を確かめてからの切り替えも可能なので、投資したコストや手間が無駄になることもありません。
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まとめ|ビジネスチャットのセキュリティを強化しよう
ビジネスチャットのセキュリティリスクと対策方法について紹介しました。
業務上のやり取りは外部に漏らしたくない情報を扱う機会が多くあります。ハッキングやウイルスなど、情報漏洩リスクへの対策が欠かせません。ビジネスチャットは業務での使用が想定されており、高いセキュリティ水準を誇っています。
社内・社外を問わず連絡手段におけるセキュリティにお悩みの場合には、ビジネスチャットを導入するとよいでしょう。導入の際には、この記事の内容を参考にセキュリティが強固なツールを選び、社内ルールを設定してより安全に運用できるように環境を整えてみてください。
なお「複数のツールを比較してより安全なものを採用したい」「ツールを比較する手間を省きたい」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。セキュリティ面はもちろん、使い勝手や費用などさまざまな観点から複数ツールを比較しています。