BCPのメリットは?会社への影響と注意すべき点を踏まえて解説

BCPのメリットは?会社への影響と注意すべき点を踏まえて解説

「BCPの策定は必要なのか?」
「BCPの策定のメリットは何」
「BCPって役立つの?」

BCP(事業継続計画)の導入を検討している方は、本当に必要なことか悩むでしょう。BCPは地震や災害が多い日本で、事業を継続・復旧するために必要不可欠です。

実際、阪神淡路大震災や東日本大震災では、災害に直面した企業だけでなく、取引先も被害を受けた事例があります。

例えば、車の部品を製造していたメーカーが製造できなくなった影響で、その部品を使った車の生産もストップしたのです。

もし、BCPがうまく導入していたら被害をさらに抑えることができたかもしれません。

BCPの策定は災害やテロなどの緊急時に会社を守るだけではなく、会社の活性化につながります。

本記事では、BCPのメリットや策定時の注意点を解説します。BCPの導入を検討している方や、BCP策定をしたがうまく機能せず悩んでいる方は、ぜひご覧ください。

BCPがなぜ必要か?策定すべき理由を重要性と必要性の観点から解説

企業は社会的責任の観点からBCPの策定を求められており、実際、2021年の介護報酬改定で、介護事業者において2024年4月1日までにBCP策定が義務付けられています。

BCPは災害やテロなどの緊急事態時に、企業を早期復旧・継続させることを目的としているからです。

BCPをあらかじめ策定していたお陰で、損害を最小限に抑えられたという事例もあります。最近で言うと、コロナ禍での以下の対策が挙げられるでしょう。

  • ・出勤する従業員を減らした際、事業継続の対策
  • ・感染拡大のリスクを抑え、早期復旧に向けての対策

企業が受けるリスクに対して、すべて対処することは不可能です。しかし、緊急事態が起きたとき、事業の継続をするために対策をあらかじめ計画することはできます。

企業が倒産するといった事態に陥らないためにも、あらかじめBCPの策定を検討してみてください。

BCPの必要性をさらに知りたい方や、策定の手順について興味がある方は、以下の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。

>BCPとは?簡単にわかりやすく解説|必要性や策定手順についても紹介

BCP策定のメリット

BCP策定のメリットは、以下4つが挙げられます。

  1. ①災害時の被害を最小限に抑えられる
  2. ②生産性向上につながる
  3. ③重要業務の可視化と経営戦略が立てられる
  4. ④会社が活性化する

メリット①災害時の被害を最小限に抑えられる

BCP策定することで、災害時の被害を最小限に抑えられます。自然災害やテロなど緊急事態の対応をあらかじめ決めておくことで、災害が起きても早期復旧ができるからです。

緊急事態時も製品やサービスの提供が早期復旧をすれば、顧客からの信頼も勝ち取ることができるでしょう。

サービス停止によって一時的に顧客が離れてしまっても、対応の早さがブランドイメージ向上につながり、提供を再開した際にスムーズに売上を確保できます。

企業の競争力を高めるためにも、BCPの策定を行ってみてください。

メリット②生産性向上につながる

BCPの策定は、生産性向上につながります。職場の整理整頓のきっかけになり、働きやすい環境作りにつながるからです。

例えば、BCPの策定のなかで、避難経路を確保するために部屋のレイアウトを変更することがあります。オフィス机のレイアウトや工場機械の配置などを改めて考えることで、誰もが作業しやすい仕事場ができるでしょう。

また、緊急時のコミュニケーション手段としてチャットツールを導入するなど、ITを活用した施策も生産性向上に役立つことがあります。

作業がしやすいオフィス作りや便利なITツールの導入は、社員のやる気にもつながり生産性が向上します。ぜひ、職場をよりよくするためにもBCPの策定をしてみてください。

ITツールを取り入れておけば、テレワークの実施も可能です。BCPとテレワークの関係性については、以下の記事で解説しています。

>BCPにテレワークを取り入れるメリットとは?それぞれの意味や導入時の注意点3つを紹介

メリット③重要業務の可視化と経営戦略が立てられる

BCPの策定をする中で、企業における重要業務が可視化できます。どの業務が大事か見直す機会があるからです。

BCPでは、万が一の事態に備え中核事業の復旧について、必要な人員や物資など対処すべき問題の優先順位をあらかじめ決めておきます。

その過程で、事業の改善点を見つけるなど、新たな発見ができるため、より良い経営戦略を立てることも可能です。

事業を発展させるためにも、一度見直しの機会を設けてみてください。

メリット④会社が活性化する

BCPの策定をすることで、会社の活性化に繋がります。

BCPの一部としてコミュニケーション手段の見直しをすることで、コミュニケーション手段を拡充したり、普段のコミュニケーションをより意識的に行ったりするようになるからです。

さらに、緊急時に備えて以下のことを決めておくと良いでしょう。

  • ・誰が会話の起点になるか?
  • ・何の目的のためか?
  • ・どんな通信手段を使うか?

BCPを機能させるには、迅速な対応が不可欠です。社員に指示を出すプロジェクトマネージャーや管理職がコミュニケーションの起点となると良いでしょう。

そして、緊急時に連絡を行う目的を決めることが大切です。

社員の安否確認など、目的を明らかにしておくことで、緊急時の被害を最小限に抑えるために何をすべきなのかが明らかになります。

さらに、目的を達成させるために、どんな通信手段を使うかまで決めておきましょう。災害時は電話やメールが繋がりづらいことがあります。様々な手段を確保しておくことが望ましいです。

チャットツールや社内SNSなども緊急時の連絡手段として、検討してみてください。

BCPを策定するのは意味がない?デメリットを紹介

BCPを策定するデメリットは、策定にコストがかかることです。

BCP策定にかかるコストとして、以下が挙げられます。

  • ・策定する人の人件費
  • ・外部へのコンサル依頼料

これらのコストは、企業にとって直接利益にならないコストです。特に中小企業ではコストの負担が大きいでしょう。しかし、緊急時の倒産や被害を抑えられることを考えればメリットの方が大きいです。

また、BCPを策定してもうまく機能しない場合には、策定にかかるコストも無駄になってしまいます。

下記の記事では、策定手順から運用ポイントまで紹介しているため、こちらも
ぜひご覧ください。

>BCP(事業継続計画)って?策定手順や運用ポイントを解説

BCPを策定する際の注意点を解説

BCPを策定する際は、以下の3点に注意しましょう。

  1. ①会社や業種などに合わせた計画を立てる
  2. ②社員に周知する
  3. ③補助金や助成金を活用する

BCP策定の注意点①会社や業種などに合わせた計画を立てる

BCPを策定するときは、会社や業種などに合わせて計画を立てましょう。会社の事業内容によって、必要な対策が異なるからです。

例えば、製造業の生産ラインの復旧と、Webサービスの復旧では、復旧までに必要なタスクが異なります自社の中核事業の特性に合わせて計画を立てましょう。

また、自社の実情に合わせたBCP策定が大切です。他社で効果を発揮した優れたBCPを取り入れたとしても、自社で取り組むための資金が無ければ実現可能性が低くなってしまいます。

自社の業種やリソースに合ったBCPを策定し、緊急時の被害拡大を抑える準備をしましょう。

BCP策定の注意点②社員に周知する

BCPを策定したら、社員に周知する必要があります。緊急事態が発生した時、社員が内容を知らない状態だと、BCPがうまく機能しないからです。

策定したBCPを社員が理解し行動に移せるように指導しておくことが、会社の倒産リスクや被害拡大を抑えることにつながります。

BCPを定着させるには、社内でBCP対策関連のセミナーや勉強会を実施するのがおすすめです。日ごろから、BCPを社員にしっかりと周知し、有事の際に社員一人一人が行動できる強い会社を目指しましょう

下記の記事では、BCPを社内に浸透させる方法を紹介しています。BCPがうまく機能していないと感じる方や周知させる方法に悩んでいる方はご覧ください。

>BCPの策定手順と考慮すべき項目とは?社内に浸透させてうまく運用する方法も紹介

BCP策定の注意点③補助金や助成金を活用する

BCP策定にかかる費用には、補助金や助成金が利用できるケースもあります。国や地方自治体が企業のBCP策定を推進することで、BCPを策定する企業を増やし、緊急時の被害を最小限に抑えられるからです。

東日本大震災の時に車の部品製造企業の生産がストップし、その部品を使っている車の製造ができなくなった事例があります。

一つの企業が営業を中止することで、周辺事業を営む企業にも影響を及ぼし、莫大な被害につながった事例です。こういった二次被害を防ぐため、国や地方自治体が補助金や助成金で企業のBCP策定を援助しています。

企業にとっても二次被害を防ぐことは、取引先や顧客からの信頼を守り、業務を継続するために大切です。

BCPの策定はコストがボトルネックになるケースも多いですが、補助金や助成金をうまく活用すれば、少ない予算でもBCPの策定が可能になることもあるでしょう。

補助金や助成金の利用条件や金額は、国や地方自治体によって異なります。利用できる補助金や助成金がないか調べてみましょう。

BCPを機能させるには社員同士の情報共有が欠かせない

緊急時にBCPを機能させるには、社員同士の連絡が必要不可欠です。しかし、緊急時は回線が混んだり、電柱が倒れたりして電話が使えないこともあります。

せっかく策定したBCPが、連絡が取れないから使えないようでは意味がありません。
連絡できないリスクを避けるため、電話やメール以外にもビジネスチャットなどの選択肢も検討してみてください。

チャットグループをつくれば、必要な指示の連絡がスムーズでお互いの状況が把握しやすくなります。数あるビジネスチャットのなかで、おすすめしたいのが『DiSCUS』です。

『DiSCUS』はシンプルなデザインと操作性の良さで、緊急事態のような慌てやすい状況でもミスを抑えられます。詳しく知りたい方は、下記より無料で資料請求をしてみてください。

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まとめ|BCPの導入はメリットが大きい

地震や災害が多い日本では、BCPの策定が欠かせません。策定には手間やコストがかかりますが、事前に備えておくことで緊急時の被害を最小限に抑えられます。

また、緊急時だけでなく平常時の生産性向上や、経営戦略の見直しなどのメリットもあります。

自社の業種業態に合ったBCPを策定し、社員に周知しながら実際に機能するBCPに仕上げていきましょう。

一度で完璧にする必要はなく、徐々にブラッシュアップしていけば問題ありません。定期的に見直すことで、テクノロジーの進化によって登場した新しい選択肢も取り入れていけます。

活用できる補助金や助成金もありますので、うまく取り入れながらBCPを策定してみてください。

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